マンションのポストに、よく入ってくるチラシに、マンション売却の広告があります。
特に興味も無ければ、よく中身も見ないまま、ゴミ箱に捨ててしまうでしょう。
でも、子供が幼稚園、小学校に入るタイミングで引っ越しを考えていた、あるいは、転勤が決まったのですぐにでもマンションを売却したい、そんな場合にはすごく気になってしまいます。
日頃からよく耳にする会社からのチラシや、地元密着をアピールした会社のチラシ。
気になる物件があったりしたら、電話を掛けて問い合わせてみようかなと、思う方もいらっしゃるでしょう。
「マンション売却のチラシには誇大広告が多いの?」
一概にそう決めつけるわけではありません。
実は、不動産業界には、広告に関してかなり厳しい規制があります。
不動産の売買や賃貸に関しては,その成約を目指している仲介業者が物件を紹介します。この時、その広告が行き過ぎてしまうケースがあります。
不当な広告などが横行してきたため、それを規制するルールが並行して作られてきました。
ルールでは、実際よりも優良である、消費者にとって著しく有益になると誤認させるような表示や、著しく事実と異なる表示などを規制しています。
「じゃあ、このマンション売却のチラシの内容は、信じていいのね」
実はそうとも言い切れないところがあります。
マンション売却のチラシを見る上で、注意していただきたい点を1つ、お伝えしたいと思います。
それは、「売り主を募集する公告」です。
「このマンション限定で、買いたいと希望されるお客様がいます!」などと書かれたチラシをご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
広告に載せる物件については、虚偽記載等、誇大広告を禁止するべく厳しい規制が設けられていますが、売り主の募集に関しては、特に具体的な規制があるわけではないのでグレーな部分があります。
チラシに事実と異なる表記をするのは、もちろん違反行為です。実際に買いたいと言っている客が居ないのに、「居る」という事は出来ないはずです。
でも、「あのマンションを買いたい」というお客様が、実際に存在していたという事実はあったとしても、それがいつの時点の情報なのかはわかりません。
マンションを売却したい顧客の情報を集めたいがために、頻繁にこの手のチラシを配布する業者も多くいます。実際のところ多くの手応えがあるので、印刷のコストを掛けて、このようなチラシを業者は作成するのでしょう。
マンションをすぐにでも売却したい人は、「自分のマンションを買ってくれる顧客を掴んでいるなら安心だ。このチラシの不動産会社に依頼の電話をしてみよう」と思ってしまいがちです。
しかしながら、このような売り主募集の公告についての情報には確証がありませんので、鵜呑みにしてしまうには注意が必要です。