不動産投資の銀行融資が厳しい現状に!その動向と投資で損をしないためにするべきこと

不動産投資の知識

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2018年に起きた「かぼちゃの馬車事件」が引き金となり、現在不動産投資用物件を購入する際の銀行融資が厳しい現状になったことはご存知でしょうか。

今回は、銀行融資が厳しくなった詳しい動向と今後不動産投資で損をしないために今すぐどのような行動を起こすべきかご紹介します。

不動産投資物件の融資姿勢が変化するきっかけとなるかぼちゃの馬車事件

2018年に起った「かぼちゃの馬車事件」をご存知でしょうか。シェアハウスの不動産投資において家賃保証が支払われないことが問題となった事件です。まずはこの問題を詳しくご説明していきます。

どのようなシェアハウスなのか?

問題となったシェアハウスは、共用部分や専有部分が非常に狭いシェアハウスでした。シェアハウスというと、共用部分には住人たちがくつろぐことのできる広いリビングがあるような空間を想像することでしょう。しかし、このシェアハウスは、共用部分は狭い台所、洗濯機、シャワールーム、トイレのみでした。

また、リビングがないというだけでなく、専有部分も5畳ないくらいでかなり狭いことが特徴的です。ベットを置いたらもう空間は残らないようなイメージですよね。

共同ハウスに対して定められている基準をギリギリ守っているような状態の建物ということがよくわかります。

この建物は、都内に多数建設されていました。ただ、都内といっても家賃が比較的安い場所です。これらの家賃は、5万円以下という安さだったようです。しかし、この価格は近くのワンルームでユニットバスの物件の家賃と同じ程度だと言われています。

家賃が近隣の他の物件と比べて安いというわけではありませんが、布団や家電など暮らすのに必要なものが部屋の中に用意されていました。また、電気、水道、ガス、ネット代、仲介手数料、敷金礼金がかからないという特徴がありました。上京してきてお金のない若者には魅力的な物件でしょう。実際に部屋の仕様は女性が好みそうなおしゃれなものにしていて、若い女性をターゲットとしていたようです。

また、こちらのシェアハウスは、所得の高い人に対して「30年間の家賃保証があり、利回りも高い」と営業をして、スマートデイズという家賃保証や管理全体を行う会社を間に挟んだサブリース契約となっていました。

サブリース契約とは

この契約は、家賃保証会社が不動産投資家のオーナーから部屋を一括で借り上げます。そして、入居者に対し家賃保証会社から部屋を貸すような形となります。入居者からもらった家賃の80〜90%がオーナーに支払われます。例えば、入居者が見つからず空室となっている場合にも家賃の80〜90%はオーナーに支払われるため、オーナーは空室のときのリスクを減らすことができます。

他にも、物件の管理は家賃保証会社が行うため、対応や清掃などの手間をなくすこともできます。

ただ、シェアハウスの場合には、長く住み続ける入居者が少なく、退去する人も多いことから、家賃の70%くらいがオーナーに支払われる場合が多いといわれています。

家賃の70%でも、家賃6万円のとき4.2万円がオーナーに支払われるためリスクも少なく損も少ない非常にメリットのある契約のように感じます。

しかし、家賃保証会社は家賃減額請求権を持っています。そのため、月に保証される額が減っていってしまう場合もあるのです。

かぼちゃの馬車事件では、家賃保証会社であるスマートデイズがこの家賃の保証額を大きく値下げし家賃保証を停止させたことで問題になりました。

どのようなビジネス形態だったのか?

かぼちゃの馬車のシェアハウスのオーナーである不動産投資家は、最初は家賃保証会社であるスマートデイズから、実際に入居者が支払う家賃の額よりも多額の家賃保証を受け取ることができるという説明を受けていました。なぜそのようなことが可能だったのでしょうか。

スマートデイズが不動産投資家に行っていた説明は、シェアハウスの入居者に仕事を紹介して、紹介先の企業から収益を得ることができるということ、また入居者が収入をもっと増やすためのスキルアップセミナーを紹介し、そのサービスを利用した際にセミナーを実施した提携会社から仲介手数料を得ることで高い家賃保証が実現できると説明していました。

地方から出てきたばかりの若い女性は、お金がないだけでなく安定した職がないというケースも多くあります。安定した職がない場合、東京に出てきても部屋を借りることができません。そこに目を向けて、初期費用が少なく家賃が安い上に生活に必要な物が揃っていて仕事も紹介してもらえるという上京したての女性にとって魅力に感じるようなシェアハウスを作り、家賃だけでなく提携先の企業からも安定した収益を得るという新しいビジネス形態でした。

しかし、実際このビジネス形態はうまくいっていなかったようです。

なぜなら部屋の狭い上に立地がいいわけではないのに、家賃が相場より高かったため入居者が埋まらない状態が続いたといいます。

入居者がいないため、入居者に対して仕事を紹介するビジネスもうまくいかず、ほとんど利益は出ていなかったようです。

そのため不動産投資家に対して行っていたビジネス形態は表向きの説明で実際とは異なっていました。

実際は、シェアハウスを建築する際の建築会社からのリベートを元に家賃保証を支払うというビジネス形態にしていたようです。

では、ここで詳しいビジネスの形態についてご説明していきたいと思います。

まず、スマートデイズは利回りがよく収益を得ることができることを不動産投資家に対し営業します。この営業でシェアハウスの投資を行うことにした不動産投資家は、土地を購入と建物の建設費用を負担します。この際、依頼する建設会社は、スマートデイズの下請け会社となっていました。この建設会社からスマートデイズは建設費用の半額という多額のリベートを受け取っていたようです。

リベートは他の不動産業者の中でも行われていて、法的に問題はありません。しかし通常は建設費用の5%程度だと言われています。そのため費用の半額という額はあまりにも多過ぎます。しかもその費用は不動産投資家がすべて負担します。リベートする費用を含んだ建設費となるため、土地、建物を合わせて実際の相場の倍に近い額を不動産投資家たちは1億円を超える額を負担していたようです。

スマートデイズはリベートで数千万円の金額を受け取ることができるため、このお金を家賃保証に当てるというビジネススタイルになっていたようです。

1億円を超える融資を銀行から受けることができた理由

不動産投資家たちは、1億円というまとまった金額を一括で支払うことが難しいため、銀行から融資を受けることになります。ただ、1億円という金額の融資の審査は非常に難しい傾向にあります。これらの融資はスルガ銀行が積極的に行っていたといいます。

スルガ銀行では、他の銀行で融資の審査が通らなかった人や、他の銀行では融資をしないような投資物件に対して積極的に融資を行っていました。融資の審査が非常に早いけれど、金利が高いという特徴がありました。

また、普通の銀行だと1億円を超える融資は支店では手続きができなく、本店での手続になります。しかしスルガ銀行は、1億円を超える融資も支店長が決定権を持っていて、支店での手続きが可能でした。

スルガ銀行はスマートデイズと似たビジネススタイルの会社にも積極的にシェアハウスにかかる費用の融資を行っていたようです。

さらに簡単に融資を受けることができた理由はこれだけではありません。不動産投資家の収入や貯金している額を多く申告するといった融資書類の改ざんをスマートデイズが行っていました。

これらのことで、1億円を超える融資の審査が通ったとされています。

なぜ問題が明るみになったのか

問題が明るみになったきっかけは、スマートデイズと同じような形態でビジネスをしていたシェアハウスの会社の経営破綻でした。これを機にスルガ銀行は、シェアハウスへの融資を規制するようになりました。

スマートデイズが行っていたサイクルは、スルガ銀行からの1億円を超える融資を受けることができないと成り立ちません。そのため、都内にたくさん建設されたシェアハウスの買い手が見つからなくなり、キックバック費用も入ってこず家賃保証を支払うことができなくなりました。そのため、このことが問題となり「かぼちゃの馬車事件」として世間に知れ渡りました。

シェアハウスを所有していた不動産投資家のその後とは

シェアハウスで投資をしていた不動産投資家たちはその後どうなったのでしょうか。スマートデイズにより家賃保証が止まってしまったとしても、他の管理会社に変更をしたり、売却したりしてしまえば損害はないのではないかと思いますよね。しかし、そういう訳にはいかないようです。

他の管理会社に依頼をしたとしても、空室を埋めるために家賃の値下げを依頼されることがあります。しかも、かぼちゃの馬車は、相場よりも高い家賃だったため、確実に家賃を値下げすることになるでしょう。そのため、家賃保証として手元に入ってくる額はかなり少ないものになります。

では、売却ではどうでしょうか。不動産投資家たちは、かぼちゃの馬車を高額なキックバックを上乗せされた額で購入しています。そのため、売却したとしても購入したときの半額ほどでしか売却することができないでしょう。

保証会社を変更しても、売却したとしても、ローンの返済をしていくことが難しい状況となるでしょう。

また、実際にかぼちゃの馬車のオーナーとなっていた不動産投資家之話しによると、スマートデイズによる最初の説明では、月100万円のローンの返済ですが、家賃保証が月125万円だったようです。そのため月25万円の利益を得ることができる予定でした。しかし、スマートデイズの経営が怪しくなりだすと、家賃保証は月100万円となりローンの支払い額しか保証してもらえなくなりました。そしてその後家賃保証は完全に止まってしまい0円となります。

そうなると、オーナーたちは毎月のローン返済100万円、固定資産税、保険、修繕費などすべて赤字で負担することになります。

結局オーナーたちも自己破産をせざる負えなくなるのです。

かぼちゃの馬車事件を受けてからの銀行の融資姿勢の動向は?

融資の条件や手続を厳しくする動向に

かぼちゃの馬車事件をきっかけに投資物件に対しての銀行の融資姿勢は非常に厳しくなったと言われています。ある金融機関の人の話では、今まで投資物件の融資で取引のあった銀行が取引をしなくなったため、今まで付き合ってこなかった不動産業者が融資の話を持ち込んでくることが増えたといいます。

不動産会社は、物件を売却できなければ利益を得ることができないため銀行に融資してもらおうと必死に営業しています。物件を売却するために、不動産会社側が負担をして値上げをすることも多いようです。値下げをすれば、オーナーの利回りが増えるため融資が通りやすくなると考えています。

しかし、それでも銀行側は厳しい姿勢を続け融資の条件をより厳しくしています。

今までは頭金が物件の10%あれば融資していましたが、20%に引き上げるなど不動産業者から持ち込まれる物件が増えるにつれて厳しい条件にしているようです。

さらに融資の手続きも厳重になってきています。ある銀行では、不動産投資家に資金がいくらあるのか預金がいくらあるのかを確認する書類を提出させています。また、貯金をしている通帳も、コピーの提出から原本の提出に変更となりました。通帳のないweb通帳やネット銀行のときは、銀行職員複数人でネット上のページを確認しているといいます。

また、原本の提出を求めない銀行でも、原本の写しで違いがないということを照明する書類の提出が求められているようです。

金融機関全体で融資に対する条件や手続きが厳しくなっている動向が伺えます。

会社を通した不動産投資にも厳しい目を向ける

不動産投資家たちは、個人で複数の物件を所有するのではなく、物件1つに対し1つの会社を通して所有しているケースがあります。

たとえば、個人でA会社B会社を立ち上げて、A会社では物件Aを購入し、その際A銀行から融資を受けています。また、B会社では、物件Bを購入し、その際はB銀行から融資を受けます。このやり方は、違法というわけではありません。しかし、会社を通して融資を受けているため、銀行は1つの会社が持っている資産のみしか把握できず、会社を設立した個人が他の物件を投資していること、個人としての資産はどの程度あるのかを知っておくことができません。そのため、A銀行が融資した物件は、利益を見込める物件だったとしても、B銀行が融資した物件は収益を得ることのできない破産してしまうような物件だったとき、個人が破産したときA銀行へのローンの返済ももちろんできなくなってしまいます。そのため、1つの物件に対し、1つの会社を通して投資する方法は銀行側は非常に問題視しています。

そのため、ある銀行では、この手法で投資している不動産投資家たちに対しては、個人としての資産全体を見せるようにと依頼しているようです。全体を見てみて、収益性のない物件を抱えていたり、あまり信用ができないような不動産投資家に対しては、融資を返済するよう求めたり、金利を上げるなどしているようです。

また、金融庁も銀行に対して、1棟のアパートやマンション、シェアハウスの土地を含めた購入に関する融資について鋭い目を向けているようです。そのため、銀行は余計に不動産投資に対しての融資には厳しい姿勢を取っていることがわかります。

今後の不動産投資の動向はどうなる?今からするべきこととは?

かぼちゃの馬車事件を受けてから、銀行の融資姿勢が極端に悪くなったため、今後新規でアパートやマンションの一棟投資をする人は減少していくでしょう。

融資条件が厳しく金利も高い傾向にあるため、新規に1棟投資をはじめることはあまりおすすめできません。

現在所有しているアパートやマンション投資がうまくいっている場合はいいですが、収益性があまりない場合は今のうちに早く売却してしまうのがいいでしょう。

また、1棟で投資している場合ではなく区分マンションの1部屋での投資を行っている投資家もいることでしょう。

区分マンションの場合は、銀行の融資姿勢はアパートやマンションほど厳しい現状ではありません。なぜなら、不動産投資家向けの区分マンションは、人気の立地のマンションが多い傾向にあります。人気の立地ならば、収益性は高いため、銀行の融資も通りやすい傾向にあるのです。

また、1棟投資よりも融資してもらう価格も少なく、価格が1000万円程度の場合は一括で購入できるケースも多くあります。

そのため、区分マンションは投資家たちが投資のため購入しやすい傾向にあります。

しかし、区分マンションに対する融資姿勢は今後どうなっていくかはわかりません。区分マンションを所有している方は、まだ売却しやすい時期である今売却してしまうのがおすすめです。

少しでも高く売却し、利益を出すためには、まず簡易査定を取ってみて、相性の良い不動産会社を探してみてください。自分の持っている区分マンションの現在の相場を知っておくことも大切です。

簡易査定はイエイで取ってみることがおすすめです。

簡単に一括でさまざまな不動産会社から査定を取ることができますよ。

 

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