中古マンション売却査定のポイント(247)不動産会社の選び方

不動産会社の選び方

初めて中古マンションを売却しようとする方の中には、知り合いが買ってくれるという方もいらっしゃるかもしれませんが、そういう場合は運が良いです。
大半の場合は一から売却先を探さなければならないことと思います。
そんな時の強い味方が「不動産会社」です。
今回の記事を読めば、不動産会社が何をする会社か、実際に中古マンション売却を検討する時にどうすれば良いかがおわかりいただけると思います。
ではさっそくみてみましょう。

不動産会社とは?

 

仲介するには免許が必要


不動産会社という会社は何をする会社なのでしょうか?
不動産業という括りで見ますと、中古マンションなどの不動産売買、賃貸、管理、貸しビルの大家さん、駐車場賃貸まで含まれます。
その中でも売買に関係する業務としては、中古マンションなど不動産の販売(=分譲)、売買や賃貸の仲介(=媒介)が挙げられます。
この売買に関係する業務を行うために、宅地建物取引業(以下宅建業と略します)の免許が必要です。
ところで、皆さんは不動産会社の広告やホームページをご覧になったことはありますね。
会社名の側に、「国土交通大臣(1)第〇〇〇〇号」「東京都知事(1)第〇〇〇〇号」などと書かれているのはご存知でしょうか?
実はこの表記が宅建業の免許を受けている証です。
不動産会社が1つの都道府県のみに事務所を構えている場合は都道府県知事から、2以上の都道府県に事務所を構えている場合は国土交通大臣からの免許を受けることになっています。カッコの中の数字は免許を更新した回数を表していて、初めて免許を受けたら(1)、以後は更新を重ねる度に数字が増えます。
ちなみに都道府県知事免許の業者でも、全国の不動産の取引をすることが可能です。
今後皆さんが中古マンションの売却査定を依頼する時は、宅建業の免許にも注目してみてください。

主な仕事


ここからは、不動産会社の中でも宅建業を中心に営む会社の、普段の仕事にスポットを当ててみます。
「不動産会社って、宣伝とか、中古マンションの現地案内とかがメインの仕事じゃないの?」
とお考えの方、確かにそれも仕事のうちです。
ですがそれは自分が買主(賃貸なら借主)の立場から見た不動産会社の姿です。
実際、自分の中古マンションを売却することにした場合、不動産会社はどういう仕事をしているのでしょう?

①当事者(売主、代理人など)へのヒアリング
②現地にて中古マンションの環境調査
③法務局、市区役所、町村役場、都道府県庁への調査
④ライフラインの調査
⑤関係各所への調査
⑥売却価格の査定
⑦媒介契約の締結
⑧宣伝活動
⑨問い合わせがあったお客さんへ現地の中古マンションに案内
⑩買う人が決まったら銀行へ融資問い合わせ
11買主に重要事項説明
12司法書士に登記依頼、売買契約立会い

大まかにはこのような順序で売却が進んでいきます。
ところで、宅建業の免許を受けた不動産会社が法律で義務付けられた業務は、上記の①〜12のうちどれでしょう?
…正解は、11番です。
重要事項説明が宅建業者のまさにメインの業務であり、調査は重要事項説明を行うために必要な手段なのです。
ちなみに不動産会社が収入を得る糧は、仲介がうまくいった場合に得られる成功報酬です。
重要事項説明だけが義務化されているとはいえ、収入を確実に得るためにはそのほかの業務も決して手は抜けません。
おざなりな調査は売却価格の査定も、ひいては重要事項説明もそれなりの内容にしかならず、売買契約時に無用なトラブルを招く原因になりかねないからです。
ここまで不動産会社の仕事について見てきました。

不動産会社と価格査定

 

不動産会社は約12万社!


ここからは、実際に中古マンションを売却する場合について見ていきます。
不動産の場合は一から売却先を探さなければならないケースが多いため、不動産会社に依頼する前提で話を進めていきます。
まずは不動産会社を探さなければなりません。
不動産仲介会社は平成29年現在、およそ12万3,000社あります。
不動産会社によって、得意としている不動産、苦手としている不動産、この地域は得意ではないなどありますが、これらは大きく5つに分けることができます。

①分譲会社系の仲介会社
②財閥系、大手
③マンション特化型
④地域密着型
⑤不動産の売却に特化した仲介業者
とは言え、1つのジャンルあたり2万4,000社あるわけです。
「これでは全然探す気が起きない…」
という嘆きが聞こえそうです。忙しい現代人なら尚更です。ですが「一括査定サイト」というものがあなたの味方になってくれます。

一括査定サイトで売却査定


通常、中古マンションなど不動産の売却は、価格査定を依頼した不動産会社にそのまま媒介契約を依頼する流れです。
以前は専任媒介といって、ほかの不動産会社と媒介契約を結べない、依頼人を囲い込むタイプの媒介契約が多かったのですが、不動産取引の情報が広まった現在、複数の会社と媒介契約が可能な一般媒介を選ぶ人が増えてきました。
複数の不動産会社と一般媒介契約を締結するには、売却査定の時点から複数の不動産会社とコンタクトを取る必要があります。
そこで先程も触れた「一括査定サイト」の出番です。
売却査定を依頼したい中古マンションの情報を入力すると、自動的に複数の会社を選んでくれるシステムです。最近ではスマートフォン用のサイトもあるので、外出先でも簡単に依頼できます。
一括査定サイト自体、イエウール、イエイなど運営会社も複数あるため、万が一あなたのお眼鏡にかなわない不動産会社があってもまた売却依頼できます。
筆者のオススメは、不動産会社5ジャンルから2、3社ずつ選んで売却査定を依頼することです。各会社の売り文句などからジャンルを推測するしかないのですが、初めての中古マンション売却査定においては、ニュートラルな立場で業者を選ぶことが重要と思います。

業者選びの心構え


ところで、無事一括査定サイト経由で不動産会社とコンタクトを取れたとして、実際に中古マンションの売却を仲介してもらう会社を選ぶ時は何に気をつけたら良いでしょう?
ここで、一般的な業者選びの心構えをお伝えします。
①会社名だけで選ばない:あなたの中古マンションを実際に調査するのは会社ではなく、個々の営業マンです。営業マンの力量が案外売却につながるかどうかの鍵を握ることも。
②営業マンにはノルマがある:不動産会社の営業マンには仲介手数料のノルマが課されており、顧客の意向よりもノルマを優先することもあり得ます。
③宅地建物取引士の資格はあるか:せっかく担当してくれた営業マンを気に入っても、その営業マンが資格を持っていない場合は、重要事項説明は別の人が担当になってしまいます。それでもいいという場合はともかく、全て同じ人に担当してもらいたい場合は注意が必要でしょう。
④わからないことは正直に言っているか:初めての中古マンション売却においては、不動産会社は不動産のことなら全部網羅していると思いがちですが、耐震のことなどは土地家屋調査士などの専門家に頼ることもあります。そのことを正直に言えない業者は注意が必要でしょう。
その他、返信メールに誤字脱字が多いなどもポイントとしてあげられるかと思います。もちろん、1-1で触れた宅建業の免許を持っているかも重要です。

まとめ


今回の記事では不動産会社についてご紹介しました。
初めての中古マンション売却となると、購入の時とはまた違う心構えが必要ですが、売却査定を依頼する不動産会社の仕事について知っておくと、落ち着いて売却活動に入れるのではないでしょうか?

日本の都市部近辺に暮らしていると、どこかでマンションが毎年のように建設されています。マンションが建つほどの土地がどこにあったのだろうと驚かされるほどです。
ところで、これから中古マンションの売却査定をお願いしようとしている方の中には、
「自分のところのマンションは3階建なのに、1本道を挟んだところのマンションはなぜ8階建なんだろう?」
「このマンションは中古なのにあまり値崩れしていないのはなぜだろう?」
「同じ施工会社で似たような時期にできた中古マンションなのに、どうして価格に差があるのだろう?」
等々、ちょっと気になる方もいらっしゃるかもしれませんね。
その疑問は、すべて「用途地域」が関係しているとしたらどうでしょう?
そこで今回の記事では「用途地域」について見ていきます。
売却査定にあたって、ご存知ない方はもちろん、マンション購入時に調べた方は復習のつもりで読んでみてください。

都市計画と市街化区域

 

都市計画の経緯


用途地域のお話に入る前に、これから皆さんが売却査定を依頼される予定の中古マンションはのある場所を思い浮かべてください。
ほとんどが市街地と呼ばれるところにあると思います。
市街地には城下町のような昔からの市街地もあれば、郊外型のニュータウンのような住宅街、再開発で改めて発展した駅前の街など様々あります。
これは都市計画に基づいたものなのです。
というのも、計画がなければ皆それぞれ好き勝手に建物を建ててしまい、かといってライフラインが未整備のまま病院など必要な施設は作られず無秩序な街になってしまうからです。
実際、高度経済成長期にはこういった街が生まれてしまいました。
その反省から都市計画法が制定され、人口動向を睨んだ計画的な街づくりがなされるようになりました。
既に賑わっている街や、これから産業が栄えそうな地域を「市街化区域」として都会的な街づくりを進め、それ以外の農地や、自然保全のため開発を控える地域を「市街化調整区域」と定め、メリハリのある国土利用を目指し、現在に至っています。
この市街化区域と市街化調整区域を合わせて「都市計画区域」と呼びます。都市計画区域の日本の国土に占める割合は約25%と言われています。ですがその都市計画区域の中で市街化区域はわずか27%、約143万ヘクタールしかありません。
これだけの区域内に日本の人口の9割が暮らしているのです。中古・新築含め、マンションのほとんどは市街化区域にあるのも納得ですね。

市街化区域


次に、市街化区域について見ていきます。
もう一度売却査定を考えておられる中古マンションの、今度は周りの様子を思い浮かべてください。周囲の環境はいかがでしょうか?
商店街やショッピングモールが近くにあるでしょうか?
交通の便は?
大きな公園がありますか?
町工場が見える場所かもしれませんね。
同じ町内にあるのに、川沿いと高台ではまるっきり印象が違うところもあります。幹線道路沿いは路面店や大きなマンションが立ち並んでいますが、一本奥の通りは閑静な住宅街であることも多いですね。
これは、区域ごとに作って良いサイズの建物や施設が決まっているからです。この区域を「用途地域」と呼びます。
用途地域を決めておかないとどうなるか?例えばあなたのマンションの隣に大きな工場やパチンコ店ができたらお互い不便を感じてしまうでしょう。
このように、市街化区域では用途地域を決めて住みやすい都市づくりを目指しています。基本的には大きく分けて、住居地域・商業地域・工業地域で住み分けられています。
では、次の章で用途地域について詳しく見てみましょう

用途地域と中古マンション

 

住居地域・商業地域・工業地域


さらに細かく分けると、用途地域は全部で12種類あります。
・住居地域:第一種・第二種低層住居専用地域(閑静な住宅街)、第一種・第二種中高層住居専用地域(高さのあるマンションの建築可)、第一種・第二種住居地域(スーパーやホテルなど、商業的な建物と住居が混ざり合うエリア)、準住居地域(幹線道路沿いの、倉庫・車庫・物流センターとマンションが混ざり合うエリア)
・商業地域:近隣商業地域(小規模な駅前の商店街)、商業地域(都市部ターミナル駅の、大きな商業施設が建ち並ぶエリア)
・工業地域:準工業地域(町工場・商店・マンションなど住宅が混ざり合うエリア)、工業地域(主に工業用として利用されるエリア。マンションなど住宅は建てられるが、病院や学校は建設不可)、工業専用地域(危険性の高い工場など、工業に特化したエリアで、住宅の建築は不可)
このように、明確に住居・商業・工業と分かれているわけではなく、なだらかに街並みが変わっていくように用途地域が決められていることがわかりますね。
皆さんがお持ちの中古マンションの環境が、この用途地域でほぼ決まっていることがお分かりいただけたかと思います。

マンションが建てられる用途地域


少し触れましたが、マンションを建築できる用途地域を見てみましょう。
基本的には工業専用地域以外のすべての用途地域で建築可能です。
細かく見ますと、低層住居地域では建てられる建物の高さなどに厳しい制限があるため、2〜3階建の中古マンションがほとんどですが、中高層住居地域では4〜5階建マンションが建築可能です。その他のエリアではもう少し高層の建物の建築が可能です。
ところで、大都市ではタワーマンションが建ち並んでいますね。これは、都市部に住む人を増やして職場へ通いやすくするため「高層住居誘導地区」に指定されていることがあります。
高層住居誘導地区は、第一種・第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域に指定されます。

用途地域と価格査定


前章までは用途地域とマンション建築の関係について見てみました。
では、用途地域の違いは中古マンションの売却査定に影響するのでしょうか?
少し話はそれますが、中古マンションが建つ前の土地の状態の場合、様々な建物が建てられる用途地域ほど利用価値が高くなり、土地の売却価格も高く査定される傾向にあります。
例えば第一種中高層住居専用地域のようなマンション建設の可能なゾーンの広い土地は、割と高値の売却査定になります。マンションは床が立体的に積みあがるため、戸建分譲よりも土地面積当たりの販売額が大きくなります。そのためマンションの開発用地のような広い土地は周辺相場よりも単価が高くなる傾向にあるのです。
では既に建築が終わった状態である中古マンションについてはいかがでしょうか?
中古マンションの場合は土地と建物が一体となる不動産と考えます。
その場合は、建物がその土地のある用途地域などとマッチした利用方法となっているかが、売却査定においては重要になります。
割と大規模なマンションは低層住居地域と工業専用地域以外のすべての用途地域で建築可能ですが、どこに建っていても住居用として有効活用されているかがポイントになってきます。
中古マンションの場合はそのマンションの空室率などが影響します。ほぼ満室ですと価格が高め、空室が目立つと安めに査定されるのはそのためです。
とはいえ、これだけで中古マンションの売却査定が決まる訳ではなく、築年数など様々な要因で売却価格が決まるのはご存知の通りです。

まとめ


用途地域は、中古マンションが建つ自治体のホームページで確認できます。
もしこれから中古マンションの売却査定を考えておられるなら、用途地域の描かれた地図を見ながら「一括査定サイト」を利用してみてはいかがでしょうか?
一度に複数社の売却査定を受けられますし、サイトによっては地図に載っている中古マンションを選んでクリック・タップする事で売却査定額を表示できるものもあります。
これなら、同時期に建った中古マンションを、用途地域で比較することも可能です。
ワンランク上の賢い売却査定を目指してみませんか?

中古マンションの売却査定を依頼するにあたって、「瑕疵担保責任」という言葉を目にすることがあります。
「瑕疵ってどう読むの?」
という方も、初めて中古マンションを売却される方の中にはいらっしゃるかもしれませんね。
この記事では、そんな「瑕疵ビギナー」の方が中古マンション売却査定時に気をつけたいことをまとめてご紹介していきます。
瑕疵を知ることで、あなたの中古マンションを売却査定してもらう際に気をつけなければならないことも見えてきます。

瑕疵ってなんだろう?


瑕疵は、「かし」と読みます。
それぞれの漢字の意味について少し触れますと…
・瑕(か):物の表面についた傷のこと。中国に「白璧(はくへき)の微瑕(びか)」という言葉がありますが、要は「玉にきず」の意味と同じで、ほぼパーフェクトだが1点だけ欠点があるという意味の故事です。ここから瑕というのは欠点という意味を持ちます。
・疵(し):きず、欠点。厳密に言えば、体に付いたきずという事です。
二つの漢字を合わせると、「身体的・物質的に付いたキズや欠点」ということになろうかと思います。漢字は二字で色々な意味を込められるので便利だと改めて感じます。
…話が逸れてしまいました。瑕疵は法律用語ですので、普段の生活では滅多に使うことはありませんが、法律または当事者の予想する完全性が欠けていることを表す言葉だと思ってください。

中古マンション売却と瑕疵の種類


このサイトをご覧になっている皆さんが今お持ちの中古マンションを購入した時は、周辺の環境や建物の状態など、かなりの時間を費やして検討されたのではないでしょうか。
中古マンションの売却査定を依頼するにあたり、まずはその時のことを思い出してみましょう。
「Aマンションは立地が良いけれど、建物にヒビが入っている」
「Bマンションは新しくて気持ちいいけれど、近くに工場があって騒音が気になる」
「Cマンションはこの間殺人事件があったってニュースになっていたから候補から外そう」
「Dマンションは海沿いで日当たり抜群だけど、台風や津波が心配」
など、購入を見送ったマンションには何かしらの悪条件があったはずです。
この購入を見送る原因となった悪条件が、不動産取引における「瑕疵」なのです。
瑕疵には大きく分けて4種類あります。以下で説明していきます。

物理的瑕疵


最近では部屋のリノベーションによって築年数の古い中古マンションも人気のため、購入時にマンション外壁を確認する方も多いです。
中古マンションは鉄筋コンクリート造(RC造)のものがほとんどのため、建物の鉄筋がサビない限りは非常に長持ちするのが特徴ですが、万が一外壁にヒビが入っていると、雨水が染み込んでいないか心配される方もいらっしゃいます。鉄筋のサビは耐震強度の問題になるため、せっかく手に入れたマンションが壊れて住めなくなるリスクを回避するのも当然です。
このように、中古マンションの建物自体にある欠点のことを「物理的瑕疵」と言い、上記の例ではAマンションに当たります。
中古マンションではなかなかありませんが、建物の雨漏り、土壌汚染、地中の障害物なども含まれます。

環境的瑕疵


上記のBマンションのように、近くの工場からの騒音や異臭が気になり、ストレスフルな生活が予想されることがあります。
また、鉄道や幹線道路沿いで振動が伝わってきたり、季節によっては隣の建物の日陰になってしまうなどの事情も考えられます。
さらに、暴力団事務所・新興宗教の道場・テロリストのアジトができたために落ち着かない暮らしに陥ってしまうこともあるかもしれません。
このように、中古マンション自体ではなく周りの環境の問題のことを「環境的瑕疵」と言います。

心理的瑕疵


最近、事故物件に住み続ける芸人さんが話題です。
事故物件とは、過去に自殺や殺人事件、火災などがあった不動産のことです。通常はCマンションの例のように、事故物件は住むのを避けられる傾向にあります。
そこまでいかなくても、近所で空き巣や痴漢が入った、中古マンションに車が突っ込んできたなど世間を賑わした事件があったため、気分的に住みにくい状況に陥ることがあります。
このことを「心理的瑕疵」と言います。

法律的瑕疵


2011年の東日本大震災をきっかけに、海沿いの地域を中心に各地で津波災害警戒地域を指定する動きがありました。現に筆者の知り合いで、持っていた中古マンションが津波災害警戒地域に指定されたために、その中古マンションを売却した方がいらっしゃいます。
Dマンションのように、台風や津波の災害を警戒する地域に自治体から指定されたりする場合、それ以外にも法律で建築条件が制限されている場所に立つ中古マンションの場合、活発な不動産取引にブレーキがかかることがあります。これが「法律的瑕疵」です。

中古マンション売却と瑕疵担保責任


あなたが売却査定を依頼しようとしている中古マンションについて、今一度見直してみましょう。
あなたはこれまで大切に暮らしてきたはずです。
ですが買主の側からは、売主側からは全く違う目線で中古マンションを見ています。
人間は主観的な生き物です。あなたが気にならない点が買主には気になって、売買契約が成立しないことだってあり得ます。
売却活動が上手くいったからと言っても安心はできません。売却後に全く予期せぬ出来事が起こって
「やっぱりマンションをお返しします」
と買主から申し出があるかもしれないのです。
数年前には横浜のマンションの地下に埋まっている杭の本数が設計図より少ないことが明らかになりましたし、昨年も高層建築物の免震ダンパーの数値が偽装されていたことが発覚したのは記憶に新しいところです。鉄筋コンクリート造の中古マンションの内部にある欠陥は、プロでも見抜くことが難しいと言われています。
では、このような予期せぬ瑕疵が見つかった場合、法律ではどのように定められているでしょうか?
民法では隠れた瑕疵が見つかった場合、買主がその瑕疵の存在を知らず、かつ調べ忘れなど不注意な点がない場合に限り、売主に対し損害賠償を請求でき、さらに瑕疵のために契約の目的が達成できない場合は契約解除が請求できると定めています。この売主が負う責任を「瑕疵担保責任」と言います。責任を負う期間は買主が瑕疵の存在を知ってから1年です。

売却査定の時に気をつけること


ですが突発的な瑕疵の責任をいつ取らなければならなくなるかを売却後も気にし続けるのは精神衛生上良くありません。
ましてや個人で中古マンションの一部屋を売却する場合、賠償に応じることができる財力の問題もあります。
そこで、売却査定を依頼する時から契約時まで、売主が気をつけることをまとめました。
・中古マンションの設備や不具合などを把握しておく。普段使っていると慣れから気づきにくいですが、買主目線でチェックすると良いでしょう。
・改めて周辺の環境を確認する。仕事場と自宅の往復ばかりの生活を送る人や、自宅から離れた場所のマンションを売却する予定の方などは特に気をつけてください。
・個人が売主の場合には、売主と買主が合意すれば、瑕疵担保責任の全部または一部を免責することができます。一般的には、一部免責とすることが多く、売主は瑕疵担保責任を売却後3ヵ月負うとするケースが良く見られます。
・瑕疵担保責任保険という保険を利用し、万が一に備えることもできます。
・瑕疵になりそうなポイントを正直に買主に伝える。瑕疵があると高く売却できないのではないかと考えがちですが、後のトラブル防止に役立ちます。
実は瑕疵担保責任の免責特約をしても、売主が瑕疵の存在を知っていながら買主に告知しなかった場合には、売主は瑕疵担保責任を免れることができなくなるのです。
「そうは言っても初めての売却だから不安…」
「いきなり不動産屋に足を運ぶのは気がひける…」
とお考えの方、試しに一括査定サイトを利用してみてはいかがでしょう?
査定サイトでは一度に複数の不動産査定会社から簡易的な査定額を提示されます。その中から気になった業者に本格的な売却査定を依頼すると良いでしょう。
良心的な査定会社ならば、周辺環境の調査を含め、瑕疵担保責任の対策についても親身になって相談に乗ってくれるはずです。

まとめ


今回は中古マンション売却査定と瑕疵担保責任についての記事でした。
「瑕疵が沢山あったら査定額が安くなるかも…」
と不安になるお気持ちはわかります。
ですが何より避けたいことは、売買契約時の無用なトラブルではないでしょうか?
一括査定サイトを上手に活用して、円満な中古マンション売却を目指しましょう。