中古マンション売却査定のポイント(66)中古マンション妥当市場価格

「いつか持ち家に住みたい」


そう思ってマンションを購入したあなた。年月が経ち、家族が増え手狭になったり、転勤が決まったりして、住み慣れた我が家を手放すことになった…。
もしくは亡くなった親族から相続したマンション一部屋を、相続税対策で売らなければならなくなった…。
などなど、中古マンションを売却するきっかけになる出来事は様々ですが、そこで誰もがこう考えるはずです。
「1日でも早く」「少しでも高く」売却したい、と。
一方で、こんな話も聞いたことはありませんか?
「価格が高すぎたのか、なかなか売れない」
「売りに出して1年近く、やっと売却できた」

どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?そもそも中古マンションの売却査定の価格は、どのように算出されるのでしょうか?
不動産業者は、「一括査定サイト」等で売主の物件情報を得て、物件に関する調査を行います。売主と協議して、マンションの売出し価格を決定するためです。
「不動産には2つとして同じものはない」と言われているのをご存知でしょうか?
分譲マンションですと部屋タイプが数種類用意されているのが普通ですし、新築で同時期に入居した、同じような家族構成の世帯でも、生活スタイルが違えば同じマンション内でも違う雰囲気の部屋になるのを感じる方も多いことでしょう。

さらに中古マンションには新築マンションのような定価が存在しませんので、売出し価格を決めるのに妥当な市場価格を判定する必要が出てくるのです。不動産業者は、この「妥当な市場価格を判定すること」を価格査定と呼んでいます。そして、価格査定の結果、業者が「この物件の妥当な市場価格はこうなります」と売主に助言する価格が「査定価格」なのです。

ちなみに査定価格は、査定した時点からおおむね3ヶ月以内に売却できるとした時の価格です。
ここでよくあるのが、売主が希望している売却価格と、業者が伝えてきた査定価格が食い違うことです。
売主からすれば、手に入れた価格よりあまり変わらないか、できれば高く(都心部の中古マンションでない限り難しいでしょうが)売却したいでしょう。ですが業者は近隣や需給圏内の似た地域、または同じマンション内での売買事例から、個別の要因(家族構成・リフォームの有無・ペットの飼育・日当たりなど)を比較して価格を提案することが多いです。この価格査定のやり方を「比較方式」と言い、中古マンションではよく利用されています。
査定価格と自分の希望が食い違う場合は、自分が納得いくまで業者と話し合って、信頼関係を築けた業者に媒介をお願いできると良いですね。