外国籍の方が日本で中古マンションを売却する場合に必要となる書類について不動産会社スマートアンドカンパニーが解説します。記事を読めば以下の内容がわかります。
・取得に時間のかかる書類と取得方法
日本に住んでいる外国籍の方が、買い替えのために中古のマンションを査定に出し、売却することは、そう珍しいことではありません。外国籍の方による中古マンションの売買は、日常的に行われていることではありますが、手続きにおいては、日本国籍の方と同じようにとういわけにはいかない部分もあります。ポイントとなることについてみていきたいと思います。
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外国籍の方がマンションを売却するのは大変?必要な書類一覧
中古のマンションを売却する際の登記に必要な書類は次の5つです。
- 権利証または登記識別情報通知書
- 司法書士が作成する委任状
- 固定資産税評価証明書
- 住民票
- 印鑑証明書
5つの書類は外国籍の方だから必要というわけではなく、日本国籍の方が売却する際にも必要なものです。ですが、外国籍の方には、入手するのが大変な書類があります。
それは、「住民票」と「印鑑証明書」です。
入手するのに半年以上もかかり、引き渡しが大幅に遅れてしまった・・・という例もあるようです。 高い査定額が出て、しかも査定額通りに売却できた!と喜んでいたのに、引き渡しに時間がかかり過ぎて、買主の方とトラブルになってしまった!!なんてこと、絶対に避けたいですよね・・・。
外国籍の方の場合、この2つの書類を入手するのに時間がかかるということを始めから頭に入れ、中古マンションの売却査定の依頼をしたら、念のため売却に必要な書類を用意する準備も始めておくとよいかもしれません。
外国籍の方は住民票と印鑑証明の取得が大変!取得できないときの対策はある?
入手に時間のかかる住民票と印鑑証明書、どのように取得するのでしょうか?入手の仕方は、在留資格などによって変わります。3つにわけて、それぞれご説明していきます。
日本国内に住所を有する外国籍の方
日本国内に住所がある外国籍の方は以下のような方たちが当てはまります。
- 中長期在留者
- 特別永住者
- 一時庇護許可者
- 仮滞在許可者
- 出生又は国籍喪失による経過滞在者
それぞれどういう方たちのことなのかご説明します。
中長期在留者とは、日本に在留資格をもって、3か月以上在留する外国籍の方のことです。
特別永住者とは、「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」によって定められ、在留することになった外国籍の方。永住者とは異なり、第二次世界大戦終戦前から日本に居住している在日韓国人・朝鮮人・台湾人およびその子孫が日本で引き続き生活することができる資格となります。今後は総数が減っていく傾向にあるとみられています。
一時庇護許可者とは、船舶等に乗っている外国籍の方で、難民の可能性がある場合などの要件を満たすときに一時庇護のための上陸の許可を受けた方のことです。仮滞在許可者とは、難民認定申請を行い、一定の要件を満たした場合、仮に日本に滞在することが許可されます。出生又は国籍喪失による経過滞在者とは、外国籍になった理由が、出生や日本国籍喪失にある方のことです。
これらの方々は観光などの短期滞在者等を除いて合法的に3か月を超えて在留する外国籍の方で、市区町村区域内に住所を有している方たちといえます。この中で中古マンションを保有し、売却に向けて査定を依頼したり、販売活動をしていたりするのは、中長期在留者、特別永住者、出生又は国籍喪失による経過滞在者に当てはまる方が多いかもしれませんね。
日本に在留資格を持って3か月以上滞在できる外国籍の方は、日本国籍の方と同様に住民登録をすることができます。平成25年に住民基本台帳法が改正され、住民票の作成ができるようになりました。そのため、住民登録がされている外国籍の方は、住居地を届け出た市区町村の窓口へ住民票の申請を行えば、外国人用の住民票をすぐに取得することが可能です。ただ、ご自身に住民票があるということに気が付いていない外国籍の方が意外と多く「住民票ってあるの?」と戸惑われる方もいるようです。
そして住民登録ができている外国籍の方であれば、その住居を届け出た市区町村に印鑑を登録することができます。印鑑登録をしてあれば、印鑑証明書もすぐに取得することが可能です。
しかし、外国籍の方はサイン文化である場合が多く、印鑑を使うということにあまり馴染みがありません。そのため、印鑑登録をしているという外国籍の方は、かなり少数であるといえます。印鑑登録をしていない場合は、まずは印鑑を作った後で市区町村に登録する手続きが必要です。ですから少々時間がかかってしまうことになるかもしれません。
日本に入国している住所を有しない外国籍の方
3ヶ月超の在留資格を持った方以外は住民登録ができません。観光などが目的で日本に短期滞在している外国籍の方や不法滞在者などが該当します。この方たちが、所有する中古マンションを売却査定にかけて、売却する場合にはどのような書類が必要になるのか見ていきたいと思います。
住民票の代替書類の取得
まずは住民票について。この方たちは日本には住所がないということになりますので、住民票はありません。そのため住民票の代替書類が必要になります。本国での住所を証明する書類があれば、代替書類として認められます。
・「本国の公証人認証のある住所に関する宣誓供述書」
・「在日当該大使館領事部で認証された宣誓供述書」
・「官公署で発行する住所を証する書面(住民登録証明書)」など
ただ、「官公署で発行する住所を証する書面(住民登録証明書)」は、判断に時間がかかるという理由で、実際に使われることはあまりないようです。
売却査定を依頼した段階で、「本国の公証人認証のある住所に関する宣誓供述書」の準備をはじめておくとよいかもしれませんね。
印鑑証明証の代替書類の取得
印鑑証明書の取得については、住民票がありませんので、印鑑登録もできません。そのため、印鑑証明書を取得することもできません。別の書類で代替する必要が出てきます。
印鑑証明書の代替書類として認められているのは以下2つの書類です。
・当該国の在日大使館または本国の官憲によるサイン証明書
・登記委任状に当該国の在日大使館の認証を受けた書類
登記委任状を前もって司法書士に作成してもらっておき、売主である外国籍の方が自国の在日大使館において認証を受けるという手続きをされる方が比較的多いようです。
海外在住者
海外在住者とは、日本に入国していない外国籍の方です。
住民票と印鑑証明証の代替書類が必要
投資目的で日本のマンションを購入する外国籍の方が増えていると先述しましたが、そういった方々は、この海外在住者にあたるケースが多いのではないでしょうか。海外在住であるからといって、住民票や印鑑証明証が免除になるわけではありません。日本に入国している3ヶ月超の在留資格のない方と同様の代替書類が必要になります。
・「本国の公証人認証のある住所に関する宣誓供述書」
・「在日当該大使館領事部で認証された宣誓供述書」
・「官公署で発行する住所を証する書面(住民登録証明書)」など
・当該国の在日大使館または本国の官憲によるサイン証明書
・登記委任状に当該国の在日大使館の認証を受けた書類
売買契約に本人が立ち会えない場合
マンション売買の契約時に本人が立ち会えない場合は、住民票や印鑑証明証の代替書類以外にも「代理権限委任状」が必要となります。本人の代わりに契約を締結したり、物件を引渡したりする代理人に権限を委任する書類が「代理権限委任状」です。
外国籍の方が安心して高値でマンション売却するためには査定サイトの利用がいい
マンション売却を外国籍の方が行うには手間がかかるということをお伝えしてきましたが、手間がかかるのであればなおさら高値でマンション売却を成功させたいものです。
外国籍の方が高値でマンションを売却するには、『イエウール』などの一括査定サイトを利用するのがおすすめ。一括査定サイトなら、一度に複数の不動産会社からマンションの売却査定額を提示してもらうことが可能です。複数社から査定額を出してもらえれば、自分の所有するマンションの売却相場がわかりますし、一番高い査定額を出してくれたところを選ぶことも可能になります。もちろん査定額が一番高いから良いというわけではありません。対応が丁寧で迅速か、親身になってくれる担当者がいるかなども比較対象になります。一括査定サイトなら、査定額や対応などから総合的に判断し、複数の不動産会社の中から最も信頼できると思った不動産会社へ売却を依頼することができるのです。そのため安心して高値でマンション売却を行うことができます。
当サイトのトップページにて人気の一括査定サイトランキングをご紹介していますので、各サイトの特徴や口コミなどから気になる一括査定サイトを選び、利用してみましょう。ネットから一括査定をスピーディーに申し込むことができますから、時間がない忙しい方でも大丈夫です。一括査定サイトを有効活用し、高値でマンション売却を成功させましょう。
まとめ
観光で訪れる方たちはもちろんのこと、日本に住んでいる外国籍の方も増えました。平成29年度末の在留外国人数は、過去最高を記録しました。グローバル化が進んできている日本ではありますが、外国籍の方が日本でマンションを売却するための手続きは、まだまだ大変です。
外国籍の方がマンションを売却する場合は、取得に時間のかかる住民票と印鑑登録証については早めに準備をしておいた方が良いでしょう。
外国籍の方について | 住民票の取得 | 印鑑登録証の取得 |
①日本に住所を有する場合 (中長期在留者など) | 取得可能 | 取得可能 住民票と同じく役所の窓口で取得 |
② ①以外の場合 | 取得できないため 代替書類が必要 (本国での住所を証明する書類) | 取得できないため |
③海外に在住の場合 | ②と同様 | ②と同様 |