マンション売却時の相場動向を知ろう!査定価格の相場を調べる方法を紹介

不動産会社の選び方

マンションを中古売却する際、多くの方が「いくらで売れそうか?」ということが最も気になる点だと思います。今回は中古マンションを売却する前に押さえておきたい相場動向について不動産会社スマートアンドカンパニーが解説していきます。
記事では以下の内容がわかります。

  • マンションの相場動向を調べる3つの方法
  • 売却査定の2つの方法
  • マンション売却は買取と仲介どちらがいいか

マンション売却前に相場動向を把握することが大切


中古マンションは、売れてみないといくらで売れるかはわかりません。売却額は購入者との価格交渉で決まるからです。
売却前の時点で所持している物件の正確な売却額を知ることは出来ませんが、「相場の価格」であれば自分で調べて把握することが可能です。マンションを中古売却するなら相場価格の把握は必須です。
近隣の似たような物件や、相場よりも高すぎるとなかなか売れませんし、逆に相場よりも安く売却してしまうと損をしてしまいます。自分で相場を調べて価格のイメージを持つことは、中古売却を成功させるためにとても大切なことなのです。

売却相場は常に動いている

不動産の査定相場価格は、常に動いています。景気の良し悪しや都市開発の有無などでも大きく変わります。一般的に、株価と土地価格は連動していて、株価が上昇すると土地の価格が上がります。新築マンションは土地を購入して建設するため土地の価格が上昇すると販売価格も高騰するのです。中古マンションの価格も新築マンションが上がると遅れる形で上昇します。

首都圏の都区部における中古マンションの成約データの推移を見てみましょう。

件数㎡単価(万円)価格(万円)
2010年10,51457.333,423
2011年10,24155.723,278
2012年11,59254.203,237
2013年13,98257.663,390
2014年13,25062.243,581
2015年13,76767.403,816
2016年15,29070.904,035
2017年15,69173.784,238
2018年15,43976.364,479

レインズデータライブラリー「年報マーケットウォッチ」
首都圏住宅・土地の売買1.基本指標 表1中古マンション より抜粋

2010年~2018年の8年間で、成約件数は1.5倍ほどになり、㎡単価も20万円近く上昇していることがわかります。

エリアによって相場価格は違う

エリアによっても相場価格は大きく異なります。例えば、全体の価格相場は上昇していても人気のないエリアはそれほど上昇しない、あるいは全体の相場の上昇が落ち着いても人気エリアだけは高騰しているなど、エリアによっても異なる場合があります。


首都圏のエリア毎の中古マンションの成約価格データを見てみましょう。

地域年月件数㎡単価価格
都心3区(千代田,中央,港)2019/02215110.176,074
2019/07209116.496,756
2020/02235116.866,808

城東地区 (台東,江東,江戸川,墨田,葛飾,足立,荒川)

2019/0241960.223,768
2019/0737558.913,618
2020/0244763.083,965

城南地区(品川,大田,目黒,世田谷)

2019/0234180.875,003
2019/0734081.354,908
2020/0237778.534,830

城西地区(新宿,渋谷,杉並,中野)

2019/0223789.815,043
2019/0723390.434,820
2020/0226093.025,039

城北地区(文京,豊島,北,板橋,練馬)

2019/0227468.494,069
2019/0725165.263,725
2020/0228369.334,060

埼玉県 さいたま市

2019/0211740.782,838
2019/07 8645.323,132
2020/02 9544.843,142

千葉県 総武地区(市川,船橋,鎌ヶ谷,浦安,習志野,八千代)

2019/0215631.332,226
2019/0712733.272,286
2020/0215436.292,655

千葉県 常磐地区(松戸,柏市,我孫子,流山,野田)

2019/02 9029.752,165
2019/07 8028.532,061
2020/0210426.061,801

神奈川県 横浜市

2019/0239243.432,952
2019/0739444.303,039
2020/0245346.783,101

神奈川県 川崎市

2019/0222554.413,752
2019/0718055.383,832
2020/0220452.303,629

レインズ月例速報2020(令和2)年02月度Ⅰ.中古マンションレポート 3.地域別概況 (1)成約状況 より抜粋

都心3区と城東地区の成約価格の㎡単価では、同じ東京都内で距離は近いですが、倍近くの開きがあるのがわかります。また、1年前のデータとの比較で見てみるとほとんどのエリアで前年より㎡単価が上昇していますが、東京城南エリアと川崎エリアでは若干の下落がみられます。

相場は常に最新をチェック

統計データを見てもわかるように、価格相場は景気動向や需要の有無に敏感で、常に動いています。またエリアによっても相場の価格や動向は全く異なるものとなります。ですから、マンション売却前に所有している物件のエリアやマンション自体の相場を知っておくことが大切です。
相場を知っておくことで適切な売却価格を判断する事ができるでしょう。例えば上向きであれば多少強気で売りだし価格を設定することもできます。下がり気味であれば、設定した売り出し価格から多少値切られる事を覚悟して、最低価格を予め設定して売却に臨むこともできます。

マンション査定価格の相場動向を調べる方法3つ

中古マンションの相場動向を自分で調べる方法を具体的にご紹介していきます。

  1. レインズ統計データ
  2. レインズマーケットインフォメーション
  3. 中古マンション物件検索サイト

地域の平均的な相場や動向を知る方法:レインズ統計データ

国土交通大臣が指定する公益法人である指定流通機構では、全国4つの法人で中古マンションの取引情報を交換するためのネットワークシステム(レインズ)を運営しています。各指定流通機構からはレインズに登録された中古マンションの取引情報に関する統計データが公表されています。各地域の流通機構のホームページから地域の平均的な相場や動向を確認することができます。

統計から確認出来る情報は中古マンションの成約、新規登録、在庫の3つの状況です。

  1. 成約状況
    売却契約が成立したマンションのデータ。実際に売却できたマンションについてのデータがわかります。
  2. 新規登録状況
    新たにレインズに登録されたマンションのデータ。売却するために新たに流通機構に登録された中古マンションのデータがわかります。
  3. 在庫状況
    売り出し中のマンションのデータ。流通機構に登録された後、売却活動中のマンションに関してのデータがわかります。

この3つのデータを見れば、売却するマンションのエリアで過去どれくらいの単価で成約しているのか、売りだし価格と成約価格の差がどれくらいあるかなどのエリアの平均相場価格を知ることができます。

 

  統計データ確認出来る情報
首都圏東日本不動産流通機構月例マーケットウォッチ月毎のサマリーとデータ
季報マーケットウォッチ四半期毎のサマリーとデータ
首都圏不動産流通市場の動向(暦年・年度)市区町村別成約状況、沿線・駅別成約状況、物件属性、立地属性
中部圏中部圏不動産流通機構月例速報マーケットウォッチ月毎のデータ
季報サマリーレポート四半期毎のデータ
年刊市況レポート年度単位の集計データ
中部圏市場動向各県別、土地毎の平均価格、面積データ
近畿圏近畿圏不動産流通機構Real Time Eyes県別の成約データ
マンスリーレポート月毎のデータ
不動産取引動向四半期毎駅別成約状況データ
近畿圏市況レポート(年報)年度単位の集計データ
西日本西日本不動産流通機構月例サマリー(サマリーレポート内)県別の月毎成約データ
季刊サマリー(サマリーレポート内)県別の四半期毎成約データ
年報レポート(サマリーレポート内)県別の年度毎成約データ
県別サマリー(県別等レポート内)西日本と県別の年間集計データ

各機構名をクリックすると流通機構のサイトを確認することができます。

レインズについて詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

マンションのあるエリアの成約価格を調べる方法:レインズマーケットインフォメーション

「REINS Market Information(レインズマーケットインフォメーション)」は、指定流通機構が提供している成約価格に関する取引情報提供サイトです。
過去に売買された中古マンションの成約㎡単価を知ることができます。

駅や町名を指定してかなり詳細にエリアの絞り込み検索ができるようになっています。残念ながらマンション名を指定して検索することはできませんが、同エリアで築年数や間取りの近いマンションがどのくらいの価格で成約しているかを知ることができます。

【検索の絞り込み条件】

  • 地域詳細
  • 沿線
  • 最寄り駅
  • 駅からの距離(徒歩、バスなど)
  • 単価(下限~上限の指定)
  • 専有面積
  • 間取り
  • 築年数
  • 成約時期
  • 用途地域


「レインズマーケットインフォメーション」
●URL:http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do

近隣のマンションの売出価格を調べる方法:中古マンション物件検索サイト

現在売り出し中のマンションの売却価格を調べる方法です。
不動産流通推進センターの提供する「不動産ジャパン」や不動産会社の各ポータルサイトなどでは、現在売出中のマンションの価格がわかります。
マンション名を指定して検索することができますので、所有のマンション名で検索してみましょう。同じマンション内でどんな部屋がいくらで売りに出ているかは非常に参考になります。
しかし、自分の所持する物件がタイミング良く売り出されているとは限りません。その場合は、次に紹介する中古マンションの売却査定サイトで相場を調べることが簡単でおすすめです。

売却までに時間がある場合は、ご紹介した3つ全ての方法でそれぞれのデータを確認して相場を掴んでおくことをおすすめします。もし時間がない場合は、3の物件検索サイトで同じマンション内の売却価格だけでも確認しておいた方が良いでしょう。

マンションの相場動向が分かったら売却査定を受けよう

売却査定は複数の不動産会社に依頼を

マンションの価格相場が分かったら不動産会社に査定を依頼しましょう。業者によって査定価格にはバラつきがありますので、複数社の見積もりを依頼するのがおすすめです。査定額と相場価格にずれがないか照らし合わせてみると良いでしょう。

自分で不動産会社を調べて何社もまわるのは大変ですが、不動産会社に足を運ばなくても、インターネットで複数の業者に査定してもらうことができる「中古マンション売却一括査定サイト」の利用が手軽で便利です。一括査定サイトには、地域に根差した小さな不動産会社から、安定・安心の大手まで、様々な不動産会社の登録があります。所持しているマンションの条件を入力すれば、複数の業者が査定価格を提示してくれます。業者によって査定価格にはバラつきがありますので、複数社の見積もり査定額を平均した価格を相場としてみると良いでしょう。自分で不動産会社を調べて何社もまわるのは大変ですが、一括査定サイトには、地域に根差した小さな不動産会社から、安定・安心の大手まで、様々な不動産会社の登録があります。複数の不動産会社を知ることで、信頼できる不動産会社と出会う可能性も高まりますので、是非利用してみてください。

一括査定サイト選びは、人気のサイトがわかる一括査定ランキングを是非活用してみてください。

 机上査定と訪問査定について

不動産会社にマンションの中古売却を依頼した場合、不動産会社が物件の価格査定をおこないます。不動産会社の査定には、机上査定と訪問査定の2つの査定方法がありますので、それぞれの査定方法の違いを簡単に説明いたします。

机上査定

不動産会社が、物件に訪問せずに価格を算出する簡易的な査定のことを、机上査定と呼びます。まだマンション売却は検討している段階の方、目安の査定価格を手軽に知りたい方におススメの査定方法です。訪問査定に比べると精度は落ちますが、多くの取引事例や相場を元に算出しますので、ある程度の目安とすることは可能です。不動産会社にわざわざ足を運ばなくても、必要な情報さえ伝えればメールなどで査定を受けることもできます。不動産会社に依頼しなくても「中古マンション売却一括査定サイト」などの一括査定サービスを利用することで、個人的にネットで簡単に机上査定を知ることも出来ます。

訪問査定

訪問査定とは、文字通り、実際に物件に訪問して査定することをさします。間取りや日当たり、物件の周囲の状況など、机上査定では分からないことを目視で一つ一つ確認して査定をおこないます。家の傷み具合などを実際に見て確認することで、リフォームや修繕が必要かどうかについても検討します。

まずは手軽な机上査定から受けてみよう

まだマンションの中古売却を検討しはじめたばかりという方は、簡単に査定価格を知ることが出来る机上査定から受けてみるといいでしょう。依頼する不動産会社がもし決まっているのであれば、その不動産会社に依頼してもいいですし、まだ不動産会社を決めていない方は、不動産一括査定サイトの利用がオススメです。一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼できますので、手軽に複数の査定額を知ることが出来て便利です。複数の不動産会社の査定額を比較することで、所有するマンションの価値を客観的に把握出来ます。相性のいい不動産会社を見つけるのにも便利です。机上査定で本格的に売却をすることを決意した方は、不動産会社に依頼してより精度の高い訪問査定を受けると良いでしょう。

一括査定サイトの使い方について詳しく知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧下さい。

マンションの売却は「仲介」と「買取」どちらを選ぶべき?

マンション売却での仲介と買取の違い

最後にマンションの売却方法についてお伝えしておきます。マンションの中古売却方法には2種類あります。通常、マンションを中古売却しようと考えた場合、不動産会社に仲介をしてもらうことをイメージされるかもしれません。しかし最近増えてきた売却方法として、仲介の他に「買取」という売却方法もあります。どちらの方法も、不動産会社が対応してくれるという点では変わりませんが、内容は全く異なる売却方法です。
売却方法の知識を深めることで、自分のニーズにあわせてマンションの中古売却をすることが出来ます。

 買取と仲介のメリットとデメリット

マンションを中古売却する場合、不動産会社にマンションの買主を探してもらうことを「仲介」と呼びます。それに対し、不動産会社にマンションを買い取ってもらうことを「買取」と呼びます。仲介と買取の大きな違いは、物件の「買主」です。仲介の買主は、主に個人の方。買取の時の買主は不動産会社です。

それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。
仲介のメリットは、市場価格で売却できるため一般的には買取よりも高値で売却する事ができる点です。市場価格で売却できるということは相場の価格で売却できるということです。デメリットは、いつ売却できるか分からない点でしょう。買い手がつかなければ長期間売却できない可能性もあります。一方の買取は買取業者の提示した査定価格に納得出来ればすぐに売却ができ、現金化できる点がメリットです。ただし、市場の価格よりも2~3割安い価格となってしまいます。

 メリットデメリット
仲介市場の価格で売却できるすぐに売却できるとは限らない
仲介手数料を支払う必要がある
買取すぐに売却できる仲介と比べて売却価格が安くなる
仲介手数料の支払いがない

買取と仲介の違いについては以下の記事も参考にしてみてください。

買取と仲介、どちらを選ぶべき?

少しでも高い価格で売却することを優先するのか、売却までのスピードを重視するのかによって、売却の方針やアプローチの仕方が変わります。マンションを売却する時の条件は、きちんと整理して不動産会社に提示しましょう。買取と仲介で迷った場合におススメなのが、「売却額」か「売却期間」のどちらを重視するかどうかで選ぶ方法です。

売却額を重視するなら仲介

例えば、遺産相続でもらったマンションを現金化したい場合。住居は別にありますので急ぐ必要はないことが多いでしょう。このように、時間は掛かっても、とにかく少しでも高く売却したい場合は、仲介で売却するのがおススメです。仲介は、市場価格で売却できることが多いのに対し、買取は、市場価格の約70%と言われています。高く売るならやはり仲介です。しかし仲介は、売却までに一般的には2~3か月、長いと1年かかるケースもあります。

売却期間を短く手間無く現金化したいなら買取

住居の住み替え等で、まとまったお金がすぐに必要などの事情がある場合は、スピーディーに売却出来る買取も視野に入れるといいれしょう。仲介よりも早く現金化できるため、その後のスケジュールも立てやすいです。しかし、買取を選択した場合の売却額は、市場の7割程度になるということは念頭に置くことをお忘れなく。

また、内覧の対応が面倒な方は、買取を選択するというのも一つの手です。仲介は、多方面への広報で買主を見つけることから、購入希望者が現れるたびにその都度内覧の対応をしなくてはならないからです。買取だと不動産会社の一度のみで済みます。また、家を売りに出したことを人に知られたくない場合も買取がおススメです。仲介は広く広報しますから、持ち家を売却に出したことを知人に知られてしまう可能性があるからです。

売却額が高い仲介と、スピーディーで面倒なことが少ない買取。どちらが自分のニーズに合っているか、様々な角度から比較し、中古売却方法について検討しましょう。
仲介と買取は、売却価格や売却までの期間などで違いがあります。仲介と買取の特徴を知って、最適な売却方法を選びましょう。

まとめ


自分だけのなんとなくの感覚で売却額を予想するのはとても危険です。不動産の価値は景気や地域の状況によっても大きく左右されるからです。マンションの中古売却を検討している方は不動産会社を訪ねる前に、まず最新の相場状況を調べることから始めてみましょう。

  • 中古マンションの価格相場はエリアの最新相場状況を確認することが大切
  • マンションの相場動向を押さえてから不動産会社に査定を依頼する
  • 早く現金化できる買取と、時間はかかるが高く売れる仲介、どちらで売却かは特性をよく比較して検討を