中古マンションの売却を検討している場合、一番気になるのは、お金のことですよね。ここでは、知らないと損する、中古マンション売却査定のポイントを二つ紹介します。一つは、査定依頼する時に役立つ「査定額の算出方法の違い」について。二つめは、実際購入する際に知っておきたい「住宅ローン特約」についてです。
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査定額の算出方法の違い
売却物件が中古マンションでも一戸建てでも、売却までの流れは基本的に同じです。しかし、「査定額」に関しては違います。中古マンションだと数社に査定依頼しても、結果は大体同じですが、一戸建ての場合には、500万円以上の差がでることもしばしば。
その理由は、査定の方法が違うから。中古マンションの査定額というのは、一般的に「取引事例比較法」という方式で算出している業者がほとんど。一方、一戸建てでは「取引事例比較法」や「原価法」、「原価法+積算法」と色々な査定方法があり、業者によって算出方式が異なるので、「査定額」にも違いが出てくるのです。
例えば、中古マンションの場合、2,500万円で売却されていた取引事例があれば、それに近い査定額になります。
しかし、一戸建ての場合、A社は「原価法+積算法」、B社は「取引事例比較法」、C社は「原価法」というように、それぞれ方式が異なれば、査定額が数百万円も違ってくることもあります。ですので、一戸建ての査定をする場合は、最低でも5社以上に査定依頼する事が望ましいと言えます。
住宅ローン特約
中古マンションを購入する場合、売買契約が締結してから住宅ローンに正式に申し込みます。ほとんどの人が、事前に住宅ローンの仮審査を受けていますが、本審査の段階になって「やっぱり貸せません」ということは珍しくありません。そうなると買い手としてはキャンセルせざるおえません。
通常であれば、売買契約後のキャンセルは、手付金を没収されてしまいます。2,000万円の中古マンションだとした場合、価格の1割~2割が相場とされているので、200万円~400万円が没収されることになります。そういった際に、特例として住宅ローンの承認がおりなかった場合に限り、一定の期間内であれば、違約金なしでキャンセルができる制度が「住宅ローン特約」です。中古住宅の売買では、ほとんど「住宅ローン特約」がついています。
しかし、「提携銀行の住宅ローンに限り」住宅ローン特約が適用されるという場合には、注意が必要です。提携銀行とは、不動産業者が提携している金融機関のこと。提携している銀行だからといって、審査を甘くしてくれるというわけではありせんが、審査に必要な書類の提出など、業者がダイレクトで行ってくれるので、自分で銀行とやりとりする手間が省けるというメリットがあります。また、不動産業者と銀行の信頼関係があるので、比較的低い金利で借りられる傾向にあります。
最近ではどの金融機関でも、住宅ローンの金利は下がっています。提携銀行の住宅ローンも、もちろん金利は低い傾向にはありますが、ネット銀行等の方がさらに超低金利。そのため、不動産業者の提携住宅ローンを使わず、自分たちで選んだ金融機関の住宅ローンを利用する人が増えています。
住宅は高い買い物です。金利のわずかな差でも長期的に大きな差になるので、少しでも低金利の商品を選びたいと思うのは当然です。しかし、提携銀行に限って住宅ローン控除が適用されるという場合は、もし審査に通らなかった場合は、手付金を没収されてしまうことになります。契約時にはたくさんの書類に目を通さなければならないので、面倒に思うかもしれませんが、「提携銀行に限って」の決まりがあるかどうか、再度確認しましょう。
査定額の算出方法の違いも、住宅ローン特約という制度も、知らないと大きく損をしてしまう可能性があります。しっかり勉強して、後々大きなトラブルにならないようにしたいですね。