新築マンションの売却査定から売るまでのコツ

新築マンションの売却査定から売るまでのコツについて考えてみましょう。

新築マンションとは何でしょうか?


そもそも、新築マンションとはどのようなものを指すのでしょうか。
『住宅の品質確保の促進に関する法律』いわゆる『品確法』の2条2項に、『「新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ居住の用を供したことのないもの(建設工事の完了から起算して1年を経過したものを除く。)をいう。』とあり、建てられてから1年以内でしかも、未入居の物件となります。
つまり、極わずかな期間でさえ、居住されていない物件に対してのみ、『新築』として売却できるマンションとなるのです。

新築マンションの売却とはどういうことか


では、新築マンションを購入したにも関わらず、一度も入居せず売却する背景とはどのようなものでしょうか?
一般に新築マンションは、完成の約1年前にモデルルーム等で販売され、購入契約を結びます。マンションの中でも、タワーマンションといわれる部類のマンションでは、竣工の2・3年前に購入契約を結ぶものが多い様です。つまり、購入契約を結んでから、実際の居住までに1年、長ければ3年という歳月を必要とします。
そのため、実際にそのマンションに居住するまでの間に、結婚や離婚、家族構成の変化、相続、転勤、転職、失業…等、今の時代何が起こるかわかりません。運悪くそうした事態に遭遇し、せっかく購入し居住を予定したマンションに入居出来ないという状況が発生してしまう場合があります。幸いまだ、購入したマンションが竣工前であれば、売買契約の解約が可能でしょうが、マンションがすでに竣工済みで、解約が困難であったり、解約することによる損害が大きい場合、そのまま購入し売却の選択をすることとなります。勿論、中には、もともと、投資目的で、転売を考えていたという場合もあるかもしれません。
こうした様々な事情が、新築マンションの売却の背景と考えられます。
その他に、新築マンションの売却の中には、それを手掛けたディベロッパーが売れ残してしまった、という物件もあります。
大まかにいうとこれらが、新築マンション売却の背景であると考えられます。
さて、現実的に考えると、新築マンションの売却となった場合、ほとんどの場合住宅ローンがまだ完済されずに残っている事でしょう。この場合、買い替えローンまたは住み替えローンを利用することとなります。但し、ローン返済を滞らせている場合は、競売という形の売買となってしまいます。
買い替えローンや住み替えローンは、複数の金融機関で行われているサービスで、これを利用すれば、新たに購入する住宅のローンに現在のローンを組み入れることで住み替えが可能になります。但し、この方法では弁済額が増えますので、その後の弁済計画を見直す必要がありますのでそのあたりは慎重にご検討ください。

新築マンションの売却にかかる費用


新築マンションの売却にかかる費用について考えてみましょう。一般に、新築マンションの売却には、
(不動産会社に支払う仲介手数料(売却価格×3%+6万円+消費税)が発生します。
幸運にも、不動産価格が上昇し、売却価格が購入価格を上回り、査定価格よりだいぶ高く売れることもあります。その場合、売却益の金額によっては、譲渡所得税がかかりますのでご注意ください。
また、残念ながら、売却損が出てしまう場合もあるでしょう。その場合、確定申告をすれば、源泉税徴収額の還付を受けることが可能です。その為、どちらにしても、確定申告をなさって下さい。
では、次に、新築マンションの売却を考えた時、新築マンションの価値はどのようなも のなのでしょうか。考えてみましょう。 

新築マンションの価値


 マンションに限らず、私たちは、一般的に、新しい物、まだ誰も使用していないものを好みます。聞くところによると、こうした趣向は日本人特有のようです。
つまり、新しい物に価値を見出す土壌が確かにあります。もちろん、このことはマンションにも当てはまります。そのため新築マンション売却は、不動産業界では、『新築プレミアム』とよばれる価値が付加され、通常の中古物件の販売価格を10~20%も高く査定されるようです。個人的に考えても、誰も入居したことがないマンションというものは魅力的です。やはり、新品は、気持ちがいいものであることは間違えないでしょう。こうした感覚的なことだけではなく、新築マンションの売却となると、もう一つ見逃せない利点があります。それは、通常の新築マンションを購入する場合、モデルルームを見て購入を検討しなくてはなりません。しかし、新築マンションの売却では、実際に購入し入居希望するマンションを内覧でき、その上、そのマンション全体の様子及びその部屋からの景色やマンションの佇まい等も内覧しながら実物で確認できます。これは、購入する側からすると非常に検討しやすいマンションと言えるのではないでしょうか。
したがって、新築マンションを売却するということは、メリットが非常に多く売却しやすい条件を備えた物件と言えるのです。是非、この価値を自覚して、新築マンションの売却に臨んでいただきたいと思います。
では、そうしたいわゆる、『新築プレミアム』を持っているマンションを、どの様に売却するのが良いのか、について考えてみましょう。

新築マンションの売却価格の決め方


新築にしろ中古にしろ、マンションを売却するには、売却価格を決めなければなりません。理想を言えば、自分たちが希望した価格で売却できるのが一番良いと思いますが。マンションに限らず物の売買は、相手あってのものです。こちらの希望がそう簡単に通るものではありません。
ではどのように売却価格を決めればよいでしょうか。もちろん単純に、売却を依頼する仲介業者にお任せする方法もあるかもしれませんが、大きな金額が動くことなので、悔いのないよう一般的には、まず、自分なりの売却希望価格を設定するところから行うとよいでしょう。
希望売却額の設定とは、自分たちで、理想の売却価格と最低限の売却価格ラインを設定します。この理想の売却価格は、“夢”ですので、自由に思い描いて売却価格を決めてください。一方、最低限の売却価格のラインですが、これは、売却後の資金繰り等を考えた上で譲れない最低価格(ボーダーラインの価格)を設定することとなります。
次に、現実的な、相場価格を知ることが必要となります。
もし、売却を考えている、新築マンションが、相場より安い価格で売り出せば、すぐに売却終了となるでしょうが、本来獲得できる金額を獲得できない訳で、損をしてしまっていると言わざるをえません。また、相場より高い売却価格を設定すれば、問い合わせすら入らない状態に陥り売却は難航することでしょう。
さらに、悩ましいのは、一度売却価格を発表してしまえば、そう簡単に売却価格の修正が出来ないのが普通です。その為、どうしても相場価格をつかむ必要があります。相場をつかむということは非常に重要と言えます。ではどのように、相場価格を調べればよいのでしょうか? 最も手軽にすぐわかる方法は、インターネットの不動産情報や、郵便受けに投函されるチラシ、近所の受不動産会社に貼られているチラシなどで売却予定の新築マンションと似たような条件のマンションがいくらでで売られているかを調べることです。この場合の似たような条件とは、「最寄駅、最寄駅からの距離、広さ、築年数、間取り」です。もし広さが異なる場合は、平米単価や坪単価を参考に計算してみてください。そうすることで大まかな相場がつかめます。しかし、この金額は、売主の希望価格ですので、掲載価格そのままで売却されることは少ないようで、大概広告売却価格から10%低い金額で売却が成立するようです。
では、実際の売却が成立した成約価格は、どのように調べればよいでしょうか。実は、国土交通省の『不動産取引価格情報検索』サイトで調べることが出来ます。しかし、残念ながら、登録データ量が充分ではない為、売却予定のマンションの条件にピッタリと適合するデータがない場合もあります。ですから、見つかれば、実勢価格(実際の売買価格)の貴重な参考になります。ぜひお試しください。
余談ですが、基準地価は毎年7月1日から調査され9月中旬に発表されます。これは実勢価格に影響が出ることが多いのでこの時期をまたいだ売却となる時は、少し気にしてみてもいいかもしれません。
こうした基礎情報を得た上で、一括査定サイトの利用をし、この売却予定のマンションの査定を依頼してみてください。そこでは、この新築マンションの情報を入力して査定を行うため、より正確な査定価格が把握できます。また、複数の業者が真剣に査定し、同時に、それぞれの不動産業者が独自の査定価格を提示してくれます。そのため、査定価格を比較検討するには、非常に有効な方法といえるでしょう。
こうした方法で査定し相場をつかみ、より具体的な売却価格の設定が出来るようになるでしょう。

新築マンションの売却の方法


いよいよ売却について考え行きます。
そもそも、不動産の売却方法はどのような物があるでしょうか?
大きく分けると2つあります。
一つは個人で売る、つまり仲介業者に依頼しない方法です。
もう一つは、仲介業者に依頼する方法です。
個人で売る方法は、一般的ではありませんが、可能ではあります。個人間の売買であれば法律違反ではありません。ただし、営利目的の取引と判断された場合や、利ザヤを稼ぐための転売や、短期間に何度も売買を行うことはできません。しかし、一般にはこの方法は、選択されません。なぜなら、この方法は仲介手数料の節約以外にはメリットがなく、デメリットだらけであるためです。
デメリットの第一は、売却相手を自分で見つけなくてはならなく、ネット掲載、広告配布等の手続きも自分でしなくてはなりません。第2のデメリットは、売却マンションに対するありとあらゆる問い合わせに、自分で対応しなくてはならないことです。第3のデメリットは、マンションの販売及びそのため活動においてすべてのトラブルに対し自分で対応しなくてはならないことです。そして第4のデメリットは.マンション売却に関するの契約や重要事項説明書などの必要書類を自分で作成し対応しなくてはならないこです。特に、トラブル対応や契約書類等の手続きは、素人には時間がかかり、手間がかかってしまい大きな負担となることでしょう。また、売却後に問題が発生した場合など、対応するのはとても大変であることは否めません。その為、よほどの理由がない限りは、個人売却の手段を選択しないのが一般的です。
次に、『仲介業者に売却を依頼する』を考えましょう。これには、以下のような方法があります。

1.不動産業者の買取での売却
2.仲介での売却
  2-1.専属選任媒介契約
  2-2.専任媒介契約
  2-3.一般媒介契約

『不動産業者の買取での売却』は、不動産業者や買取専門の業者に直接買い取ってもらう方法であり、転勤等で何らかの時間的制約があるときに向いています。通常の場合、自社でリフォーム工事などを施し、買取価格より高値で販売し利益を出すようにする方法です。そのため、当然売却価格は低い物となります。
しかし、新築マンションであれば、リフォームの必要すらないので、買取業者にとっての新築マンションは、のどから手が出る程手に入れたい物件の一つとなるのでしょう。ですので、新築プレミアムのあるマンションにこの方法はお勧めいたしません。
次に、『仲介での売却』です。仲介での売却は、上記のように『専属選任媒介契約』、『専任媒介契約』、『一般媒介契約』、の3種類あります。
それぞれの特色をご紹介しましょう。
『専属選任媒介契約』は、他の不動産会社以外に売却を依頼することも、自分で見つけてきた購入希望者に売却することも出来ない契約です。
それに対し、『専任媒介契約』は、他の不動産会社以外に売却を依頼できないが、自分で見つけてきた購入希望者には売却することが出来る契約です。 そして、『一般媒介契約』は、他の不動産会社に売却を依頼でき、なおかつ、自分で見つけてきた購入希望者にも売却することが出来る契約です。
『新築プレミアム』のある新築マンションの売却ならば、是非、『一般媒介契約』で売却を考えてください。
そのほうが、高値で売れる可能性が高いのです。

では、『一般媒介契約』で売却するとした場合どのような手順での売却を考えればよいでしょうか?
複数の不動産業者と『一般媒介契約』をするには、インターネットの不動産一括サイトの利用が最適です。一括査定サイトでは、最大6社の不動産会社から査定してもらうことができます。この際、査定額はあまり気にせず、この6社の不動産会社に競争させて売却する方法を選択してください。何しろ、新築プレミアムがありますので、かなりの高い金額で売れます。査定以上の金額で売却できる可能性も十分にあります。新築マンションですので、翌日や翌々日にはネット上に売却物件としてアップされ、1ヶ月以内に買い手が現れることが多くあります新築。しかし、決して焦って決めないでください、優良物件と言っていいで条件です、3か月間は粘ってより高い金額が出てくるのを待ってみることをお勧めいたします。
そして是非、新築マンションの利点を生かした納得いく売却を実現させてください。