相続した空き家を借り上げてもらえる?空き家借り上げ制度とは?

相続した不動産売却のポイント

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相続した、もしくは相続予定の古い空き家をどうにかしたいと悩む相続人の方は非常に多いです。

今回はそんな方に向けて不動産会社のスマートアンドカンパニーが、空き家借り上げ制度について解説します。

借り上げ制度を利用しない方がいい空き家のケースもありますし、どんなに古い空き家でも売り抜けるたった1つの方法もご紹介しています。

ぜひ最後まで読み進めてみてください。

空き家の借り上げ制度とは?

 

空き家を借り上げてサブリースする仕組み

空き家借り上げ制度は、空き家となった住宅を事業者が借り上げ、事業者が貸主となって賃貸に出すサブリース制度です。

空き家の借り上げ制度には以下のような特徴があります。

・事業者と所有者との賃貸契約は定期借家契約で結ばれ、あらかじめ決められた期間で契約が終了する

・貸し出すために必要な改修費用は事業者負担で行われる場合が多い

・入居者の管理業務は事業者が行う

・空き家の所有者は、事業者から手数料や管理料などが控除された賃料を受取る

 

借り上げ制度を運営しているのは?

民間の事業者もありますが提供エリアは限定的です。ここでは収益を目的としない2法人についてご紹介しておきます。

 

一般社団法人 移住・住みかえ支援機構(略称:JTI)

2006年にハウスメーカーなどが中心となって設立された社団法人です。国のサポートを受けてマイホームや空き家の借り上げを行っています。借り上げ事業は協賛企業からの基金や事業の収益によって運営されていますが、万が一の場合に備えて、高齢者住宅財団に国の予算で債務補償基金が設定されています。

全国に複数の窓口を設置していますので広いエリアの空き家で利用が可能です。

 

特定非営利活動法人 空家・空地管理センター

管理されていない「放置空き家」をなくす事を目的に2013年に設立されたNPO法人です。空き家借り上げ制度(AKARI)の運営以外にも、各地方自治体と連携して空き家の管理代行や活用支援業務を行っています。

ほぼ全国に空き家の相談窓口はありますが、実際に借り上げ制度を行っているのは首都圏エリアの一部に限られています。

 

空き家借り上げ制度のメリットとデメリット

借り上げ制度のメリット

①空き家を定期的に管理する手間から解放される

空き家を適切に管理するには手間もコストもかかります。借り上げ制度で貸し出す事が出来れば、空き家を管理する必要はなくなります。

 

②固定資産税が家賃収入から支払える

定期的な家賃収入が入るため、固定資産税など空き家の所有に必要な費用を賄うことができます。

 

➂投資負担が少なくて済む

貸し出すための初期の投資負担が少なく済みます。

通常空き家を賃貸に出す場合には入居者のターゲットにあわせた改修が必要となります。間取りや水回りをフルリノベーションした場合、初期費用はかなりの額になるでしょう。一方空き家の借り上げ制度ではリノベーション費用は事業者の負担で行われるのが一般的です。JTIの場合、耐震基準に適合するように修繕する必要はありますが、所有者が行うのは必要最低限の修繕でよいとされています。

 

④賃貸管理の煩わしさがない

事業者が空き家を借り上げて転貸するため、入居者とのやりとりは事業者が間に入って行います。そのため一般的な賃貸経営のように家賃の未払い督促や入居者からのクレーム対応などをする必要がありません。

 

⑤将来自分で利用する事もできる

定期借家契約のため、決められた期間で契約が終了します。将来的に自分で利用したくなった場合でも、入居者に立ち退いてもらったり、立ち退き料を請求されたりといった煩わしさがありません。

空き家借り上げ制度のデメリット

①家賃が相場よりもかなり低くなる

保証される賃料は、周辺地域の家賃相場や建物の状況などから判断して査定されます。所有者が受け取れるのは、賃料から諸経費や空き家の引当金などが控除された後の金額になります。事業者が初期の修繕費を負担している場合は引かれる金額が多くなるため、手取りはさらに少なくなります。

 

②賃貸需要がない空き家は制度を利用出来ない可能性がある

公的な事業者であってもまったく収益が出ないと判断されれば借り上げてもらえない場合もあります。賃貸需要が見込めるエリアかどうかがポイントとなるでしょう。

 

借り上げ制度が利用出来るのはどんな空き家?

空き家刈り上げ制度を利用するための空き家の条件

・抵当権が設定されていないこと

ローンを完済して抵当権が抹消されている空き家が該当します。抵当権が設定されている空き家の場合は、競売にかけられてしまう可能性があるため制度を利用することができません。

 

・破産や税金の滞納がないこと、空き家に関する支払いが滞っていないこと

抵当権と同様の理由から、破産や税金の滞納などがある場合は制度を利用することができません。

 

・共同所有の場合に共有者全員が制度の利用に同意している

共有名義の物件を賃貸する場合は、民法上は過半数の同意があれば契約が可能となっています。しかし全ての名義人の同意が得られない場合はトラブルになる可能性があるため、共有名義人全員の同意が必要となっています。

 

・耐震基準を満たしていること

JTIの空き家借り上げ制度の場合には、新耐震基準を満たしている住宅である必要があります。ただし仮に基準に達していない場合は耐震補強工事を行えば制度を利用する事が可能です。

 

・法令などに違反していないこと

JTIの場合は法令に違反している空き家は対象外となります。築40年以上の相続空き家は、現法に合致しない状態になっている場合も多くあります。例えば、検査済証がない、増築したために違法物件となっていたなど、建築基準法に適合していない空き家は利用する事ができません。

空き家の借り上げ制度に向いている空き家の例

・ある程度賃貸需要の見込めるエリアにある

立地の良い空き家は賃貸需要がある可能性が高いので向いているでしょう。

 

・受取る賃料は少なくても安定的な収入が欲しい

空き家の借り上げ制度で受け取れる賃料はそれほど多くはありませんので、多くの賃料収入を期待したい人には不向きです。固定資産税分くらいは賃料で賄えればいい、少しでも毎月安定した収入があればいいという方に向いています。

 

・将来的に売却したり、自分か家族が利用したりする可能性がある

相続した実家に思い入れがあり、しばらく手放したくない場合もあるでしょう。すぐにどうするか決められないが、空き家の放置はできないのでとりあえずしばらく誰かに借りてもらいたいという方に向いています。借り上げ制度はあらかじめ賃貸期間が決まっていますので、契約が終われば自分で利用する事も出来ますし、売却もできます。もちろん賃貸を続けたい場合は再度契約し直せば継続も可能です。

築40年以上の相続空き家は借り上げ制度を利用しないほうがいい

借り上げ制度を利用すると特別控除の適用ができなくなる

相続した空き家が築40年以上で将来的に売却を考えている方は、借り上げ制度を利用しない方がいい場合があります。相続空き家を人に貸してしまうと税制上の優遇が受けられないケースがあるからです。

 

通常、空き家を売却して利益が出た場合には、利益に譲渡所得税が課税されます。

相続で取得した旧耐震基準の空き家を相続後3年以内に売却した場合は、利益が出ても3000万円までを控除することができる特別控除があるのです。

 

特別控除の特例が適用されるには以下の条件を満たす必要があります。

・昭和56年5月31日以前に建築されている建物(旧耐震基準)

・相続した後、事業で使用したり、人に貸したりしていないこと

・売却金額が1億円を超えない

 

築年数が40年以上にもなる相続空き家は、自分で購入した物件と違って取得した時の価格が不明の場合も多いでしょう。取得価格が不明の場合は多くの場合売却価格の5%が取得費として計算されます。そのためそれほど高い売却額でなくても譲渡益が出てしまい、譲渡所得税が課税されてしまう可能性があります。

相続空き家の特別控除が適用されれば、利益が出ても3,000万円までは課税される事はありません。ただし、一度でも人に貸してしまうと、適用することができませんので、条件に当てはまる相続空き家は借り上げ制度を利用せずに売却した方がいいでしょう。

古い相続空き家でも売却できる 1週間で現金化できた例

築40年を超える古い空き家は売却したくてもできないのではないか。と悩む相続人の方は非常に多いです。

たしかに築年数が古い物件は、老朽化が激しいだけでなく様々な問題を抱えていたり、買主がローンを組むことができなかったりするので買い手が見つかりづらいですが、売り抜ける方法が1つだけあります

方法は、買取業者に買い取ってもらうということです。この方法であれば、最短1週間で空き家を手放し現金化することが可能となります。

古い空き家は、個人が遺した私物が室内に大量に残っていたり、壊れている部分があったり、現在の建築基準法に適合していない物件であったり、新たに建物を建築できない土地であったりなど、様々な問題を抱えているケースが多いです。

通常売却する時は、残置物を処分したり、空き家を取り壊したりする等して、問題を解決してから売却する必要があります。なので売却するために数百万円の費用がかかってしまうのです。

買取業者の買取であれば、業者によってはそのままの状態で買い取ってもらうことができますので、費用や手間をかけずに空き家を売ることが叶います。

ちなみに弊社スマートアンドカンパニーでは、1都3県の処分に困っている相続物件の買取を強化しております。

どのような問題を抱えている物件でも、条件が合えばそのままの状態で買取しておりますのでぜひ一度ご安心くださいませ。


大手不動産会社よりも丁寧、親切なご対応を心がけておりますので、ご相談だけや買取価格をちょっと知りたいというだけでもお気軽にご連絡いただけましたら幸いでございます。

株式会社スマートアンドカンパニー
☎︎080-3218-0911
✉️harada@smartand.co.jp
担当:原田(執行役員)24時間以内にご対応いたします!
 
 

JTI空き家借上げ制度の概要と実状について

主な2つの借り上げ制度

JTIの空き家借り上げ制度は「マイホーム借り上げ制度」「おまかせ借り上げ制度」などがあります。

 

「マイホーム借り上げ制度」

マイホーム借り上げ制度は、戸建てやマンションなど幅広い住宅を対象としています。利用者には50歳以上の年齢制限がありますが、相続空き家の場合は特例が適用されるため利用者の年齢制限はありません。

利用者の安全のために耐震基準を満たした住宅である事が求められます。そのため、利用にはJTIが指定する業者の耐震診断を受ける必要があります。診断費用と、診断結果で耐震工事が必要とされた場合の工事費用は所有者が負担します。

ただし耐震補強以外については、大規模なリフォームは行う必要がなく必要最低限の改修をすれば借り上げてもらえます。入居者が改修したい場合は入居者の負担でリフォームすることになります。

入居者が退居して空室になった場合には、空室時保証賃料が所有者に支払われます。

 

「おまかせ借り上げ制度」

耐震工事の費用負担が原因で進まなかった空き家の活用をより促進させるために出来た制度です。

年齢制限はありませんが、戸建て住宅のみが対象でマンションは利用できません。「マイホーム借り上げ制度」と同様に耐震基準を満たす住宅が借り上げ対象ですが、大きく異なるのは、耐震工事の初期費用を所有者が負担しなくて良いという点です。耐震の改修工事を行う場合には、上限500万円までの費用を所有者に代わってJTIが負担します。ただし改修費用は家賃の一部から回収されることになりますので、受取る家賃収入はその分低くなります。10年以上の定期借家契約となり、中途解約はできません。

JTI借り上げ制度の実情

JTIの空き家借り上げ制度は公的なバックアップもあり、とても魅力的な制度です。にもかかわらず現在のところあまり利用が進んでいないのが実情です。周知活動がそれほど活発ではないせいもあるかもしれませんが、以下に挙げるようなデメリットも要因の一つと考えられます。

 

①空室家賃保証額は毎年見直される

空室家賃保証は、最初の入居者が退居した後で受け取れるものです。最初の入居者が決まるまでは賃料収入を得る事ができません。また、空室家賃保証料は毎年見直されますので、制度利用時に決められた査定額が空室時に受け取れるとは限りません。

 

②一般の検索サイトと併用できない

JTIと契約した場合は、一般の賃貸物件検索サイトで入居者を募集することができません。広く入居者を募集することが出来ないため、入居者が決まるまでに時間が掛かってしまいます。

 

➂残置物は自分で処分する必要がある

空き家に荷物や不要な家具がある場合は借り手が入居するまでに所有者が自分で処分する必要があります。

 

まとめ

今回の記事のポイントをまとめると以下となります。

・空き家借り上げ制度は空き家をサブリースする制度で、提供事業者は複数あり、社団法人、NPO法人、民間業者によって運営されている

・立地や建物の状態など条件によって、借り上げ制度を利用出来ない空き家もある

・築40年以上の相続空き家は、賃貸してしまうと売却後に税制の優遇が受けられなくなる

・売却が難しい空き家は、買取業者に依頼したほうがいい

 

 

 

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