遺産相続の遺留分についての基礎知識

遺産相続の基礎知識

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遺留分


 遺留分という言葉は何回か出てきましたよね。相続人に最低限に保証された財産のことをいいます。
 被相続人が遺言書で、財産の処分について記載しているわけですが、その内容が、法で定められた相続人の相続する権利がある財産にまで、侵害していたり、もしくは、まったくなかったりする場合もあります。しかし、どんなに被相続人が、好きに財産を処分しようとしても、全部は勝手にはできません。法で遺留分というものが定められています。
 ですので、法で定められた相続人は、ある程度の相続分は保証されているわけです。ただし、遺留分を認められている相続人は決まっています。誰にでも遺留分があるわけではありません。遺留分が認められている人は、被相続人の配偶者と子、、子がいない場合はその代襲者、そして、直系尊属です。ですので、兄弟姉妹に関しては、遺留分がありません。遺留分の割合は、相続財産の2分の1、ただし、法で決められた相続人となる人が直系尊属だけの場合は、相続財産の3分の1となります。
 また、被相続人が亡くなる前に、相続人に、マンションなどの不動産や金銭などを与えていた場合、その財産は、相続財産のうちのものとカウントされます。
 つまり、相続財産を計算し、遺留分を100万円請求できたとしても、被相続人から、生前に100万円以上の財産をもらっていた場合、遺留分として扱われ、請求はできなくなるのです。注意が必要です。
 この被相続人が亡くなる前に与えた財産が、被相続人が亡くなり、相続が開始された日から1年間さかのぼった期間に該当する場合は、無条件で、相続財産のうちとカウントされてしまいます。1年よりも前であったとしても、遺留分に該当するということをわかっておこなったのであれば、相続財産のうちとしてカウントされてしまいます。
 この相続に関するテーマを扱ったドラマはたくさんありますよね。ですので、相続に関する詳しい数字は知らなくても、なんとなく相続に関する知識はみなさんお持ちではないでしょうか?マンションなどが相続財産の場合、昔は、有無も言わさず、長男が、、、みたいなこともあったり、長男以外は、それを認める判を押す。。こういうことを聞いたことはあるのではないでしょうか? 遺留分に対して請求があった場合、マンションを売却しないと、払えないということになることもあるでしょう。。残された家族が困らないように、、被相続人には、生前になんとかしていてほしいものです。

遺留分の減殺請求


 遺留分は、相続人に、一定の相続財産を確保するための制度であることは、お話ししたとおりです。離婚するときにも、話し合いで決着がつかず、裁判にまで発展してしまった場合、財産がある方が、相手方に財産の分与することを認めていますよね。そうでないと、もし子供を養育しなければならない方が、職にもついていなくて、一銭ももらわなかったら、たちまち生活は成り立たなくなってしまいます。日本では、まだまだ出産や育児で仕事をやめなければならない女性も多く、そんなときに離婚となってしまうと、残された母子は、生活が成り立たなくなってしまいます。シングルマザーの家庭の所得が低いということは、ニュースでも取り上げられていますよね。
 同じように、もし、夫が急に亡くなり、相続開始されたとき、遺言書が見つかって、そこには、愛人にすべての財産を譲るという内容が書かれたら、残された妻と子はは、生活ができなくなってしまうかもしれません。
 財産は、被相続人の財産であるため、民法では、被相続人の意思を尊重しています。しかし、上記のような場合も起こるわけで、法で、残された家族が困らないように、守る制度があるのです。
 ですので、遺言書に、財産分与がいっさいなかったとしても、その法で定められている範囲で、財産を取り戻すことができるようになっており、この請求を、遺留分の減殺請求といいます。
 当然、減殺請求をされた人が、相応分を返さなければなりません。それこそ、マンション1棟を譲り受けたのであれば、相応する金銭を返すことができなければ、マンションを売却してでも、返す必要があるのです。
 減殺請求は、返してほしいという意思表示をすることで、請求が可能となっています。
 しかし、相手が応じない場合もあるでしょうから、そういった場合は、やはり家庭裁判所に依頼し、調停をおこなってもらい、解決することとなります。
 遺留分の請求は、請求するという行動をとらないで、そのままになってしまうため、遺留分が侵害されたなら、減殺請求をしなければ、財産は取り戻すことはできません。

遺留分の請求期限


 遺留分については、上記で説明したとおりですが、遺留分の減殺請求を行うことができる期間が決まっています。
 民法の第1042条に規定があり、減殺の請求権は、相続の開始以降に、遺留分を侵害しているなどの事実を知ったときから1年間請求しないと、時効によって、請求する権利が消滅しますと書かれています。また、相続開始から10年経過したときも、同じように権利が消滅してしまいます。
 被相続人が、法で定められた相続人以外に、財産を与え、本来財産を受け取れる範囲を侵害しているとしましょう。このことを知ったら、知ったときから1年の間に減殺請求をしないと、請求権利がなくなってしまうということです。
 時効という言葉は、何回か出てきましたが、時間の経過することによって、効力がなくなってしまうことをいいます。
 つまり、減殺請求を、相続財産が侵害されていることを知って1年経ったら、もう請求はできなくなるとういことです。また、相続開始から10年経過したときも、請求できる権利が消滅することになります。
 知った時から1年の期限によって権利が消滅することを消滅時効といいます。また、相続が開始されてから10年経過したことによって権利が消滅することは、除斥期間といいます。
ですので、権利がある場合は、そのままにしておかないで、すみやかに手続きをおこなう必要があります。
 相続が開始されたときに、愛人の存在を知ったのなら、金銭の問題だけでなく、心の衝撃も大変なことかと思います。ですので、専門家にすぐに相談することをおすすめいたします。

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