執拗に買取を提案してくる業者には注意しよう
マンションを売却する際には、不動産業者に査定を依頼し直接買い取ってもらう方法がありますが、見えないところで不動産業者が不正な働きをしていることがあるからです。
例えば、売り主からマンションを2000万円で購入し、300万円でリフォームをした上で、中古マンションとして2500万円で販売するとします。
これが、正当な取引なら問題ありませんが、悪質な業者の場合、売り主にとって不利な情報を流し査定してくるケースがあります。
1、買取価格500万円を損する具体例
例えば、マンションの売却の査定についてA不動産に相談をしている時、A不動産には、あなたが住んでいる地域で中古マンションを買いたいというBさんがいて、予算は4,500万円とします。
するとA不動産は、「売却相場は4,000万円~4,200万円」だと説明しますが、後日にまたA不動産が「本来の中古マンションの買取の相場は3,500万円程度ですが、今なら4,000万円で買取ることができます」、と交渉してきます。
A不動産はあなたから4,000万円で買取したマンションをBさんに4,500万円で転売しようとするため不当な持ちかけをしてきました。4,000万円であれば、売却相場のため「買取価格」としてはお得感があります。
あなたに対して、「4,500万円の中古マンションの購入希望者Bさん」を仲介しなければならないA不動産は、その情報を隠して不当な利益を得ることになります。
2、買取価格310万円を損する具体例
転勤が決まり、30坪の土地と当時3500万円で購入した築30年の家の売却を考えているとします。
相場では、土地だけなら3000万円で売れると判明しています。
それに対し不動産業者は「土地は問題ありませんが、家は古いので解体費用が400万円かかるため、査定価格の2600万円で購入したいです」、と持ちかけてきました。
何も知識がない場合は、信用して2600万円で買取をお願いしてしまう可能性もあります。
しかし、実際の解体費用は坪数などにもよりますが、木造の場合は1坪3万円程度でできます。
それならば、30坪の土地で実際に必要な解体費用は90万円なので、不動産業者の提示価格である400万円とは310万円もの大きな差額が生じます。
不動産業者は、2600万円と、解体費用の実費90万円の合計、2690万円で手に入れた土地を、3000万円で売却することができます。
家の解体費用などは、悪徳な業者にひっかかってしまうと、相場以上の高額な査定価格を提示されてしまうので注意が必要です。
悪質で詐欺のようですが、法的に罰せられる事はありません。
不動産業者からの情報であれば間違いないだろうと心理的に思うところもありますが、それが必ず正しいとは限りません。
そのため、売却・買取・査定についてはある程度が知識を身につけて判断をしないと、完全に損をしたという話になってしまいます。
特に注意が必要なのは、販売活動の実態もないのに、「買取」を急がせる場合です。このような場合は、もともと中古物件購入を希望している人が裏にいる可能性が高いでしょう。