中古マンションを売却して戸建てを購入したい
都心部では戸建てよりマンションが人気です。マンションだと駅に近い、ショッピングモールの近く、など、利便性のことが考えて建てられていることが多いためです。新築マンションではなくても、中古マンションでも人気があります。しかし、せっかく購入した中古マンションでも維持費が必要です。中古マンションの維持費、実は意外に高額なのはご存知でしょうか。中古マンション、購入したけど維持費が高いから戸建てにしたらよかった、と思う方もいらっしゃるほどです。
では、中古マンションを売却して戸建てを購入したい、といった場合に知っておくと便利なマンションと戸建ての維持費の違いなどに注目してみましょう。
新築、中古、供にかかるマンションの維持費
マンションは新築にしても中古にしても維持費がとても高額になります。チラシ等にも掲載されていると思いますが、マンションにかかる維持費は「駐車場」「駐輪場」「修繕費」「管理費」これらがマンション特有の維持費になります。他にも「土地と建物の固定資産税や都市計画税」「建物の火災保険」がありますが、これらは戸建てでもかかる費用になります。ではこのマンション特有の維持費、どの程度かかるのかを見ていきます。
「駐車場」は地域によって値段が違いますが、周辺の月極駐車場よりは安い設定となっていることがほとんどです。5000円~20000円の所が多いです。余談ですが、マンション専用の駐車場がないところもありますので、車を持つ方で中古マンションを購入される方は、敷地内にあるのか、敷地外にあるのかを確認してからの方が良いでしょう。敷地内にあるにしても、空きがない場合もありますので注意してください。また機械式の場合は車高が高くて車種によっては入らない、ということもあります。
「駐輪場」は月額100円~1000円という所が多いです。それも1台、という所が多いですが、実際ファミリー層ですと、子供が2人いれば自転車は3台になることが多いのではないでしょうか。自転車の置き場でトラブルが多いのも事実です。駐輪場代は管理費に含まれていて無料という場合もあります。
「修繕費」は気にしておきたいポイントです。修繕積立金というものがあり、一律のように思えますが、築年数によってこの修繕積立金も上がっていく傾向にあります。マンションによって価格は違いますが、とある都内のファミリータイプのタワーマンションでは、1年目~月6620円、6年目~、と5年ごとに上がっていき、20年目~月32960円となっています。購入時から20年後は約5倍もの違いがあることに気が付きます。確かに、築年数が上がるごとに修繕費用が必要になるのはわかりますが、ここまでとはなかなか想像がつかないのではないでしょうか。中古マンションを購入されるときはこの修繕費の上がり具合も気にした方が良いかもしれません。
「管理費」については、平均ですが、月に15000円ほどかかるところが多いようです。またこの管理費は、40~59階のような高層マンションだとさらに高くなり、24000円ほどになるので、マンションの管理費も安くはありません。
マンション特有の維持費を見てきましたが、駐車場で10000円、駐輪場100円、管理費15000円、修繕積立金13700円という設定だとすると、月に38800円という出費が戸建てよりも余計にかかると思った方が良いでしょう。
戸建てを買うときにかかる初期費用
新築、中古にしてもマンションの維持費が高いことがわかりました。では中古マンションを売却して、戸建てを購入しようと思ったとき、戸建てにかかる初期費用はどのくらいか考えてみましょう。
戸建てにも新築と中古があります。新築の場合は注文住宅だと初期費用が高くなりますので、気にしておかなければなりません。土地を購入するところから始まりますが、土地を購入するときにも仲介手数料がかかります。なので、中古マンションを売却する時にも仲介手数料がかかっていれば、双方にかかってしまうわけです。また、土地購入時は住宅ローンが組めません。土地購入時にローンを組みたいときは、住宅ローンを組むまでの一時的なローンを組む「つなぎ融資」と呼ばれるものにする必要があります。
つなぎ融資は、土地購入代金や建物竣工までにかかるお金となるものを借りることになります。また住宅ローンよりも金利が高いため、その分が余計にかかります。一般的な戸建てと新築マンションの初期費用の目安は、戸建てでは物件価格の7~10%かかるのに対し、新築マンションでは物件価格の4%ほどと言われています。戸建ての初期費用がマンションよりもかかるというのは明らかにわかります。
もう一つ戸建ての盲点となるところは、修繕費の目途が立たない、という所です。マンションでは高いとしても始めから設定されているので、いくら準備しておかなければならないかの把握ができますので、計画も立てやすいです。戸建ては自分管理なので、壊れたら修理といったように、突然に大きな出費につながります。そのため、あらかじめ修繕費用としてためておく必要があるでしょう。戸建ての修繕費としては、外壁や庭(あれば)、カーポート、ボイラー、床下のメンテナンスやシロアリ対策などがあります。駐車場や駐輪場代がいらないのは助かります。
もし、買い替える物件が新築注文住宅ではなく、中古住宅だった場合、瑕疵担保保険がついている物件を選ぶことをおすすめします。瑕疵(かし)は不備のことなので、瑕疵が発見されたときに保険で修繕をすることができる、というものです。また瑕疵担保保険のある物件を購入すると、登録免許税、不動産取得税等の減税があるため、初期費用を抑えることが可能になります。新築注文物件にこだわりがないのであれば、こちらの方をおすすめします。
マンションは例え資産といえども、住んでいる以上ずっと払い続けなければならない管理費や修繕積立金。そのことを考えれば、戸建ての方が良いのではないか、と考える方も多いと思います。中古マンションを売却し戸建てに買い替えると決めたら、まずは物件の一括査定を申し込みましょう。
一括査定のメリットとデメリット
中古マンションを売却するうえで大事なのは、どの不動産業者にするかです。例え査定をしてもらって高い査定額が出たとしても、その不動産業者に決める、というのは危険な気がします。査定額と売却額は同じではないため、後々色々な不備を指摘されて売却額が下がってしまうという可能性もあります。出された査定額が正しいものか判断するためにも、まずは売却物件の相場がどのくらいなのかを知っておく必要があります。どの不動産サイトでもよいのですが、物件の地域の似たような間取りや条件の中古マンションがどのくらいで売却されているかを確認します。相場を確認したら、査定時にどのくらいの額が付くか予想がつきます。査定額を元に売却額が決まるので、査定額が高すぎるのは不安になりますが、査定額が低すぎるという場合は、それ以上の売却額が望めないと思いますので、その査定額で納得できない場合は、他の不動産業者を検討した方がよいでしょう。
一括査定のメリットは複数の不動産業者の査定額が比べられる、対応の良し悪し、自分と相性があうか、などがわかります。査定額が低くなるが、スピーディーに売却できる、という不動産業者もあるようですので、査定額だけで決めないで、自分の要望に合わせて対応してもらえるのかがポイントとなると思います。
売却するためには宣伝しなければなりません。レインズに登録されることが最も早く売却物件であることを知らせることができるかと思います。必ずレインズに登録されるには不動産業者と専任媒介契約しなければなりません。一般媒介契約ですと、レインズ登録が必須ではないため、売り手、買い手両方からの仲介手数料が欲しい不動産業者だとレインズ登録をしない可能性もあります。早く売却したい場合は、レインズ登録してもらえる専任媒介契約を選ぶことも必要となります。ただし、その場合は他の良い不動産会社を見つけても、そちらとは契約できなくなってしまいますのでご注意ください。
一括査定のデメリットとしては、複数社対応するために、手間がかかる、ということです。また、優柔不断な場合、情報が多すぎてどこに決めたらいいのかがわからない、ということにもなりかねません。そうすると査定額だけで決めてしまいそうになりそうですが、その迷いを防ぐためにも事前準備が必要となります。ある程度自分で調べておけば、断るところは断ることもできますし、お願いすることもできます。
中古マンションを売却し、戸建てに買い替えるときに、知らなかった、ということにならないように、事前準備をしておきましょう。