不動産の簡易査定について
ライフスタイルの変化に伴い,所有する中古マンションを売却することになった時,まずは何をすべきでしょう。
また,自分が所有している中古マンションだけではなく,高齢の親族などから,所有している中古マンションを売却したいという相談を受けることもあるかと思います。
中古マンションを売却するにあたっては,まずは,不動産会社に中古マンションを査定してもらい,その市場価値を把握する必要があります。
インターネットが普及する前であれば直接不動産会社に赴き,査定を依頼していたのでしょうが,今はインターネットで「マンション」,「売却」といったキーワードを検索すれば,必ず,不動産の査定サイトが出てきます。
そこで,今回は,不動産の一括査定についてご説明します。
インターネットの簡易査定サイトについて
査定を依頼する時は,1つの不動産会社だけではなく,必ず複数の不動産会社に依頼した上で,複数の査定結果を比較・検討するべきです。
インターネットの普及にともない,複数の不動産会社(通常は5~10社程度)に一括して査定を依頼できるサイトが増えていますから,まずは,そのような一括査定ができるサイトを活用しましょう。
ただし,複数の不動産会社による一括査定ができるサイトは,通常は依頼者の氏名や連絡先などを入力する必要があります。
各不動産会社は,その後の売り上げにつながる可能性があるからこそ無料で査定を行っているのですから,査定を依頼すると不動産会社から営業の電話がかかってきます。
ですので,不動産会社から営業の電話がかかってくるのが煩わしいという場合や,そもそも売却するマンションが自己所有ではなく親族のものであるなどといった場合は,一括査定サイトの利用に抵抗があると思います。
そのような場合に役に立つのが匿名でできる査定サイトです。
匿名の査定サイトは,物件の特定をするだけで,市場価値を査定することができ,氏名や連絡先等を入力する必要がありません(ただし,査定結果を伝えるためのメールアドレスは最低限必要です)。
そもそも,中古マンションの査定は,マンションの所在地,築年数,面積などといった売却する不動産の情報さえ分かれば可能で,誰が所有しているのかということは問題になりません。
先ほどもご説明したとおり,査定の際に指名や連絡先等を求めるのは,単に不動産会社のその後の営業のためなのです。
匿名査定とは言っても,査定根拠となるデータ等は氏名等の入力が必要な一括査定サイトと同じですので,その査定精度を比較しても何ら遜色ありません。
また,査定結果についても,早ければ数分で完了します。
ですので,所有する中古マンションの売却を検討はしているものの,不動産会社からの営業電話は避けたい,という場合にはまずは匿名サイトを利用した上で,実際に正式な査定・売却を依頼するかどうか考えてみるのが良いでしょう。
簡易査定サイトのデメリットについて
次に,インターネットの簡易査定サイトのデメリットについて簡単にご説明します。
簡易査定サイトのデメリットは,簡易査定は,対象となる中古マンションの所在地,築年数,面積等からの机上査定ですので,そのマンション固有の特徴などは一切結果に反映されない,ということです。
ですので,その後の内覧によって,室内の汚損等はもちろん,近隣に騒音を出す工場があるなどといったマイナスの周辺環境が判明すれば,実際の市場価値は簡易査定結果からかなり下がります。
ですので,簡易査定サイトによる査定結果はあくまでも参考価格であると理解しておくことが必要です。
また,不動産会社によっては,売却の依頼をとるために,意図的に高い金額の査定結果を出すことがあります。
高い査定結果を出して媒介契約を締結した後,理由をつけて希望売却価格を下げさせようとする不動産会社も中にはいますので,他社と比較してあまりに高い金額を提示する不動産会社とは安易に媒介契約を締結しないように注意が必要でしょう。