中古マンション売却査定のポイント(211) 任意売却時に気を付けること

トラブル・特殊な物件の売却

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中古マンションを任意売却する時に気を付けること

 

中古マンションを購入した時、住宅ローンを組んで購入したけれど、ローンが払えなくなった、といった場合、中古マンションを売却することになります。売却にも大きく分けて2通りありますが、1つは任意売却といって、売主が自分で不動産業者とやり取りをして売却する方法です。もう1つは競売といって、法的手段を使って売買される方法です。

競売の場合は、法的手段なため、売主は何もできないのですが、任意売却は自分で動けるのでいい面も悪い面もあります。では中古マンションを任意売却するときに気を付けなければならないことを取り上げていきます。

気を付けて!中古マンションを任意売却する時には悪徳業者もいる!

 

中古マンションは競売と任意売却、どちらが高く売れるか、という話なのですが、任意売却の方が高く売れると聞く方も多いかもしれません。そういった情報が定着しているようですが、そうではありません。ローンの残額が大きければ大きいほど、売却額が高いに越したことはないので、「任意売却の方が高く売れますよ」と言われたら、心が動きそうになりますが、そういう決まりはどこにもありません。また競売は裁判所の執行官が問題などを整理して処理した状態で引き渡してくれるということもあり、購入する方も安心して購入できるようになりました。そのため、競売でもいい価格で売却されているのです。

競売は裁判所が執り行うので、不動産競売物件情報サイトというところで物件を見ることができますので、どのくらいの値段なのかを見ることができます。

任意売却の怖いところは、お金がなくて中古マンションを売却しようとしているにもかかわらず、売却前に仲介手数料や、コンサルティング料など名前を付けて前金を取ろうとする悪徳な不動産業者もいるというところです。売却前にお金が発生することはまずありませんので、そういう業者に出会ったら、不動産業者を変更することを考えましょう。

中古マンションを売却する場合、競売の方がいいの?

 

競売物件は上記でも書きましたが、サイトでみることができます。なので、自分が住んでいる周辺の物件がどのくらいの売却額で出ているのかを見ることができます。競売は任意物件のように詐欺にあうことはないので、安心して売却できます。また、競売による売却期間はおよそ1~1.5年と言われています。その間は住み続けることができ、生計を立て直すチャンスにもなります。

もしかしたら、任意売却にしてもらいたくて、査定額を高く出す不動産業者もいるかもしれませんので、査定をしてもらった時の査定額が高いからという理由だけで選択するのは少し危険な気がします。競売でも高く売れることがある、ということを覚えておくとよいでしょう。

任意売却時の不動産会社の選び方

 

任意売却でなくても、中古マンション等を売却する時に利用してほしいのが、一括査定サイトです。複数の不動産会社に査定してもらうのが良いでしょう。その際、競売の価格と、そうでない売却額の相場を調べておくと、どちらがいいのか考えることもできます。また、どうしても裁判所に任せる競売にすることに抵抗があるならなおさら、悪徳な不動産会社につかまらないように、自分で調べておく必要があります。査定額を元に売却額が決まるため、査定額が高い方がよいのですが、あまりにも高すぎる、といった場合には少し様子を見た方が良いかもしれません。

訪問査定をしてもらい、自分たちの疑問にも丁寧に答えてくれる不動産会社が安心かと思われます。物件情報だけの査定よりも訪問査定の方が不動産業者の対応も見られますし、合う、合わないがあります。どんなに査定額が良くても対応が悪ければ気持ちよく売却できなくなる可能性があります。売却する時は不動産会社とのやり取りも増えますので、査定額だけで決めないことをおすすめします。

ここまでの査定額なら、というラインを決めておくと考えやすくなると思います。売却してもローンの残りは返済しなければなりません。そのため査定額は高い方が良いのですが、残りの返済をどうやってするかの目途を立てておくことも大事なのではないでしょうか。収入の面から考えて返済ができるかどうか、といったところを明確にしておけば、査定額に揺さぶられることもなくなると思います。

任意売却でよく言われる話

 

中古マンションを競売ではなく任意売却すると、引越代がでる、と言われることがありますが、そのような決まりはなく、債権者との話し合いできまるため、出ない場合もあります。思いのほか高く売れた場合出る可能性もありますが、必ず出るとは限らないため、もし不動産会社から「引越代が出ますよ」と言われてもそれは詐欺だと思ったほうがよいでしょう。

引越代に関しては、ローンの残額や売却額、他の債権者がいるかどうかなどにもよりますので、出せるかどうかははっきりしません。話し合いで決まりますので、わからないものを出せる、とはっきり言ってくる業者は注意が必要です。

中古マンションを任意売却すると、ローンの残額を減らすことができますが、これを不動産会社が、「うちならローンの残額減らせますよ」といった言い回しをするところがありますが、これは間違っています。売主自身が交渉することもできることなので、不動産会社が「うちだけ」というような言い方をしているのは違います。

実際に800万円の残債が残っていた場合、800万円の不良債権ということになります。そのため、満額の回収は不可能に近いと考えられ、サービサーがその不良債権を安く買います。500万円で800万円の不良債権を買うと、銀行側は300万円の損失となります。売主側がこのようなやり取りがあることは知らないので、実際に返す金額が減っている、という状態になっていることが起こるのです。そのため、売主側が中古マンションを売却し、その差額を返済に充ててもまだ残債が残っていたとしても、その残債の減額交渉はそれほど難しいことではないということになります。

競売と価格があまり変わらないなら任意売却のメリットはあるの?

 

中古マンションの売却で競売の方が高く売れる場合もあると書きましたが、そうすると自分で色々するよりは競売の方がいいのではないか、と思うかもしれません。任意売却のメリットは購入する人を指定することができます。リースバックといって購入する人から賃貸のように家賃を払い住み続けることができる可能性があります。リースバックをしてくれる買い取り人を見つけておくことが前提となりますが、そういったことができるということを知っておきましょう。競売だとオークション形式で誰が購入するかわからないため、購入してくれた人がリースバックしてくれる人とは限りません。

また、リースバックの利点として同じ家に住み続けられることですが、今度はその所有者に家賃として支払わなければならなくなります。ローンの返済ができなくなったために中古マンションを売却したはずですが、リースバックの目的は家賃を払い続け、数年後に買い戻す、ということです。ですので、家賃がどのくらいになるのかは話し合いになるとは思いますが、決して楽なことはなく、収入と照らし合わせて売却した中古マンションのリースバックが可能かどうかも見極める必要があります。

今となっては任意売却のメリットと言えば、このリースバックできる人が探せる、ということ以外にないのではないと思われます。また、自己破産や債権者が複数いる場合は任意売却には向いていません。自己破産では借金を返せません、ということなので帳消しになります。そうすると売却額は関係なくなるため、そのことよりも今後の生計の立て直しを優先することができます。債権者が複数いる場合は、話し合いがなかなか進まないことが予想されます。そうすると、競売による売却の方がスムーズに事が進みます。

自分の状況にもよりますが、任意売却か競売かはよく考えて選ぶようにしましょう。

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