親子間で中古マンションを破格で売買すると贈与税がかかるかも!贈与税の回避方法を解説!
「みなし贈与」の注意点
1.みなし贈与とは
通常、中古マンションを売却する場合には、贈与税の心配をする必要はありません。
しかしながら、当人同士に贈与の感覚がなくても、税務署に贈与と思われてしまった場合には、あとから“みなし贈与”として高額な税金を請求されることもあります。
当初から贈与している自覚があれば、贈与税を支払いますし、いくら払うかの心づもりができます。しかしながら、当人同士に贈与をしている自覚がないながらも、税務署の判断で、実質的には贈与によって利益を受けたとみなされれば、贈与税を請求されます。後から贈与税の支払いを命じられても、寝耳に水でしょうし、大金を急に支払えと言われても困ってしまいます。
しかも、みなし贈与とされて請求される贈与税は、高額になる可能性もあります。
通常の贈与は、贈与ずる側とされる側の同意のもとに行われます。
みなし贈与になる可能性があるのは、贈与する側が売却し、される側は購入するという形をとる場合です。
中古マンションですと、本来の査定金額よりも安く売買すると、経済的な利益があるとみなされ、みなし贈与とされます。
このように、みなし贈与とは、親が肩代わりした贈与税まで課税対象としてきます。
絶対に脱税させない執念を感じますね!
2.中古マンション売却で、みなし贈与となるのはどんな場合か
中古マンションなど不動産を売却した場合に、みなし贈与となりそうなのは、以下のパターンです。
定額譲受…通常の査定金額よりも安い金額で取引することを、定額譲受と言います。中古マンション売却でみなし贈与とされる場合には定額譲受が該当します。
名義変更…金銭の授受はなしに、中古マンションの名義を変更した場合
贈与税の肩代わり…親から子へ中古マンションを贈与し、贈与税を支払ったとしますが、実際には子ではなく親が変わって贈与税を支払っていた場合には、その肩代わりした贈与税に相当する金額が課税対象になる。
3.みなし贈与にされるのはどんな取引か
税務署がみなし贈与か?と厳しくチェックしているのは以下の3つです。
・親子や親族間での取引
・関係会社との取引
・会社の代表者とその会社との取引
もしも中古マンション売却を贈与とみなされてしまうと、贈与税ではなく、会社がからんでくると法人税が発生したり、会社から個人への贈与は所得税が発生する場合があります。
いずれも、適正な、査定金額に沿った売却金額で中古マンション売買しているのであれば問題ありません。
上記のような間柄で取引をどうしてもしなければならない場合には、税務署に目を付けられる可能性も頭に入れておき、よりクリーンな取引を心がけて下さい。
中古マンション売却で贈与税を回避する方法!
1.回避の方法はクリーンな取引をすること
以上で、中古マンションを売却する場合に、贈与税が発生する可能性を述べました。
注意点は、「税務署は、親族間の中古マンションなどの不動産売買厳しくチェックしている。」という点です。そのため、贈与税を回避するすべは無いと言っていいでしょう。
贈与税は所得税や相続税などに比べると、高くつく税金です。ですが、みなし贈与と発覚し、あとから追徴されると、最初から贈与税を払っている場合の倍近くもの贈与税を請求される場合もあるのです。
ですので、回避する方法は、もはや一択しかありません。親族間であっても、通常の査定価格で中古マンションを売却し、子が購入。贈与税も子が支払うこと、です。
2.贈与税は免れられない
一般的な方法で中古マンションを売買していたら、贈与税はかかりません。所得税はかかりますが、様々な控除が受けることができます。
ですが、贈与となると、高額な贈与税が発生してしまいます。査定金額よりも安い金額での親族間取引は、税務署が目を光らせているので、ご注意ください。
税務署は申告をしなくても中古マンション等不動産の取引を知っています。なぜなら、登記簿謄本の移動情報などから中古マンション売却取引を見て取れるのです。
疑わしい取引があった場合にはマークされますし、逃れられません。
どうしても、親族間取引など、疑われるかもしれない取引をしなければならない場合には、税務調査されても潔白を証明できるように、不動産鑑定士に中古マンションの鑑定評価を出してもらうと安心です。不動産鑑定士は国家資格ですし、鑑定評価書も有料ですので、しっかりと仕事を全うしてもらえます。信頼できる資料をよういしておくと良いでしょう。あとから追及される、みなし贈与とされないためにも用意しておきましょう。
贈与税にするか相続税にするか
その中古マンションは、親や親族が生前に子に贈与されないといけないものでしょうか?
贈与税は相続税に比べて課税金額が高いです。親や親族が死後、中古マンションを相続した場合に、子が代わって居住する場合には、何百万円か相続税を払うことになります。しかしながら、相続した中古マンションを売却する場合には、3000万円の特別控除など受けられる条件がそろっていたら、相続税がかからない場合もあります。
例えば、土地と建物の評価額併せて3000万円の中古マンションがあるとします。これを親から子へ贈与した場合の贈与税は以下です。
(3000万円-控除110万円)×税率45%-控除265万円=1035万円
相続税はこれよりもかかりませんし、中古マンションを相続して、3年以内に売却すれば居住用財産の売却の場合にも所得税の控除を各種選ぶことができます。
端的に言うと、贈与税よりも相続税の方がはるかに安いです。
様々な事情があり、生前に贈与されたい想いもあると思いますが、贈与か相続どちらを選択するかは慎重に考えましょう。
まとめ
以上、中古マンション売却時に贈与税が発生する例と回避の方法を考察してみました。
贈与税を回避する方法は一般的な査定金額でクリーンな取引をすることですし、節税することも難しいということがわかりました。
最も、安全なのは、親族間であっても一般的な取引方法で、中古マンションを売却することです。
まずは相場を知ることで、みなし贈与と思われるような中古マンション売買を回避できます。インターネットの無料一括査定サイトなどを利用し複数社に査定を依頼すると、中古マンションの相場を簡単に知ることができます。
査定金額は各社様々な見積もり額を出してきますから、最低いくらなのか、最高でもいくらつくのかを知ることができます。しかしながら、一般的には、中古マンションはより高く売りたいと思う人の方が多いので、不動産業者も極力高い査定金額を出してくるでしょう。親族間で査定金額でも最安値で取引したい場合には、業者との意思疎通がうまくいかない場合があります。
このような場合にも、数多くの不動産業者や仲介業者に査定を聞いてみる、というのも一つの手ですね。中には、安い査定金額を出してくる業者が見つかるかもしれません。通常の中古マンション売却では選択しないでしょうが、親族間取引をしたい場合には有効です。
今では、インターネットを介して、多くの不動産業者に足を運ばなくても査定を依頼することができます。気軽にできますが、中古マンションの買い手が重視するポイントはすべて抑えて査定しますから、査定結果の精度は高いです。一社だけに頼るよりも複数社に頼んだ方が、業者を比較して絞り込めますから取引の安全度も上がります。
「親族間で取引したいのだけど…」と相談してみてもいいですね。より親身に対応してくれる不動産業者や仲介業者が見つかりますよ!