最近,「土地 相続 生前 死後」などのキーワードでこちらのページを検索してくださる方が多いので、今回は相続に関連して,「不動産の生前贈与のメリット・デメリット」の情報をまとめてみました。
Contents
不動産の生前贈与のメリット・デメリット
はじめに
土地・家屋・マンションなどの不動産を所有していて,これを子供たちに引き継ぎたい,という場合,どのような方法があるのでしょうか。
この点,不動産を所有したまま死亡した場合,死後,その不動産の所有権は当然に相続人に相続されます。
また,生きている間に,特定の不動産を特定の人物に贈与することも可能です(生前に財産を贈与するという意味で,ここでは『生前贈与』と言います。)。
それでは,不動産を承継させる場合,『相続』と『生前贈与』,どちらが良いのでしょうか。
今回は,『不動産の生前贈与』のメリット・デメリットを見ていきましょう。
『生前贈与』のメリット
(1) 相続人間の遺産を巡る争いを予防することができること
「自分の家族に限って遺産を巡る争いが起きる訳はない」と思っていらっしゃる方は多いと思います。
ですが,遺産分割調停や遺産の範囲に関する裁判などの件数は想像以上に多く,相続人間に争いが生じた結果,家族の仲が分断されることはままあります。
生前贈与の場合には,自分が生きている間に,各相続人に対して,自分の意向を明確に伝えておくことが可能ですので,死後の相続人間の争いを回避することが可能です。
(2) 特定の不動産を特定の相続人に確実に承継させることが可能となること
例えば,妻と同居している自宅は,確実に妻に相続させたいと思っていても,自宅以外に目ぼしい相続財産がない,という場合には問題が発生します。
妻以外の相続人が相続放棄をするなどすれば良いのですが,どうしても他の相続人が譲らない場合,結局は自宅を売却して売買代金を分けることになったり,妻が自宅を単独で相続するために他の相続人に代償金を支払う必要があります。
また,自宅を妻と他の相続人の共有とした場合にも,他の相続人から妻に対して賃料相当額の金員を請求したり,いざ処分しようとする時に意見が更に揉めたりすることもあり得ます。
この点,自宅は妻に譲るという遺言を作っておくことも1つの方法ですが,独自に作成する遺言は案外不備が多いものです。
生前に不動産を贈与しておけば,自分の目の黒いうちに自分の采配で確実に不動産を承継させることが可能です。
ですので,特定の不動産を特定の相続人に確実に承継させたい,という場合には,生前贈与のメリットがあるでしょう(また,そもそも不動産を承継させたい相手が法定相続人でない場合には,特に生前贈与が有効でしょう。)。
(3) 節税効果が見込める場合があること
相続財産が一定の金額(基礎控除額)を超えた場合には,『相続税』が発生します。
生前贈与で財産を減らしておけば,相続の際の相続税も当然目減りします。
ただし,生前贈与の場合には,贈与を受けた側に贈与税がかかりますので,相続税と贈与税のどちらが得なのか,しっかりと見極めることが大切です。
また,生前贈与の場合には,『相続時精算課税制度』という,贈与時の贈与税が軽減される制度(2500万円までは贈与税は0円・2500万円を超える一律20%となる)があります。
『相続時精算課税制度』は課税の繰り延べですので,将来相続が発生した時には相続税がかかる制度ですが,①相続が発生した時に相続税がかからない(基礎控除額の範囲内)程度の財産しかない人や,②対象となる不動産が収益物件で,相続までに賃料収入を得るメリットが十分にある物件,③相続時までに値上がりが見込まれる物件の場合には,制度を利用するメリットはあるでしょう。
(ただし,一度この制度を利用すると,以後,贈与者からの暦年贈与(※1人当たり年間110万円の贈与が非課税となる制度)は受けられないことや,一度利用した場合に後から利用を止めることができない,という点には注意が必要です。)
『生前贈与』のデメリット
(1) 市場価値によっては,税金が高くなること
『相続時精算課税制度』は,相続が発生した時の相続税の計算上,生前贈与した不動産の価額は贈与時の時価を基準として算出されますので,相続時までに市場価値が下がった場合には,結果的に支払う税金が高くなる可能性があります。
(2) 不動産取得に係る費用が発生すること
不動産の所有権を取得した場合,「登記」が必要になります。
そして「登記」の際には「登録免許税」という税金がかかりますが,「登録免許税」は不動産の取得原因によって異なります。
この点,登録免許税は,その不動産の固定資産税評価額を基準に計算されますが,生前贈与の場合は2%,相続の場合には0.4%ですので,不動産の価値が高額になればなるほど,相続に比較して生前贈与の場合の負担は大きくなります。
さらに,不動産の所有権を取得した場合には,「不動産取得税」がかかります。
この点,生前贈与によって不動産を取得した場合の不動産取得税は土地・住宅の場合には固定資産税評価額の概ね3%かかりますが(※軽減措置等あり),相続によって不動産を取得した場合には,不動産取得税はかかりません。
ですので,生前贈与によって特定の不動産を特定の相続人に承継させる場合には,これらの費用についても注意が必要です。
最後に
以上のように,生前贈与にはメリットもデメリットもあります。
生前贈与を行う場合に重要なのは,それぞれを十分に理解した上で行うということです。
税金制度は複雑ですので,素人考えで安易に生前贈与をしてしまった場合,後から思わぬ支払の必要が生じる可能性があります。
また,生前贈与を選択する場合,税務署が生前贈与と認めるか(単なる名義貸しではないのか)という問題が別途生じます。
生前贈与を行う場合には,必ず税理士などの専門家に相談するようにしましょう。
今回は,土地・建物・マンションなどの不動産の生前贈与について簡単にお話しましたが,生前贈与を成功させる以前に,安心安全な以下のリンクのサイトを利用して,自分の不動産の価値の分かる営業マンと出会うことも大切です。
生前贈与をするにせよ,相続するにせよ,すぐに売却しなくても問題ありません。
ぜひとも,自分の持っている不動産の価値をチェックしてみてください。
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また,不動産の生前贈与については,以下のサイトでも詳しくご説明していますので,是非ご参照ください。
【関連記事】>>>不動産の相続、生前と死後はどちらの方が良いの?
不動産の生前贈与と相続税
はじめに
生前贈与とは,故人が生きている間に所有する不動産を贈与することです。
たまに「生前相続」という言葉を耳にしますが,相続とは,死亡と同時に発生するものですので,故人の生前に財産を相続するということはあり得ません。
ですので,生前相続と言えば,通常は生前贈与のことを意味します。
『生前贈与』と税金
土地,家屋,マンションなどの不動産を所有している場合,相続ではなく,生前に贈与した方が税金が安くなる,ということを耳にしたことがある方もいると思いますが,それは本当なのでしょうか。
ここでは,不動産を生前贈与した場合の税金の制度について見ていきます。
(1) 相続時精算課税制度について
『相続時精算課税制度』は,原則として60歳以上の父母又は祖父母から,20歳以上の子又は孫に対して財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。
この制度では,贈与額の総額から2500万円までが非課税になり,それを超えた分について一律20%の贈与税が課税されることになります。 その後,実際に贈与者が死亡して相続が開始した際,生前に贈与された財産を相続財産に加算して相続税を計算し,算出した相続税から贈与時に支払済みの贈与税を差し引いて,最終的な相続税を割り出すことになります。
ここで注意すべきなのは,相続時精算課税では,贈与時点では贈与税を節税することはできますが,結局は贈与者が死亡した際,贈与された財産も相続財産に加えた上で相続税が算出されますので,税金の支払がなくなるわけではなく,基本的には,根本的な節税対策にはならない,ということです。
(2) 相続時精算課税制度のメリットについて
それでは,相続時精算課税制度を利用するメリットは全くないのかと言えば,場合によっては制度を利用するメリットもあります。
ここでは,相続時精算課税制度を使うメリットについて簡単にお話します。
① 将来,相続税がかからないことが見込まれる場合
例えば,ある女性が現金1000万円と2000万円のマンションを持っているとしましょう。
夫とは既に離婚しており,子供は1人しかいません。
今回,女性は老人ホームに入居することになり,マンションを子供に譲ろうと考えているというケースです。
このまま女性が死亡した場合,女性の財産は現金1000万円と2000万円のマンションの合計3000万円ですが,この場合,基礎控除額を下回りますので,女性の遺産を相続する場合には相続税はかかりません。
相続と基礎控除については
【関連記事】>>>マンション売却のための基礎知識
よって,女性が子供にマンションを生前贈与して相続時精算課税制度を利用すれば,結局相続税はかかりませんから,かなりの節税効果が見込まれるのです。
② 不動産の市場価値の高騰が見込まれる場合
次に,将来的に所有する不動産の市場価値が高騰することが見込まれる場合も,相続時精算課税制度を利用することで節税が期待できます。
というのは,相続時精算課税制度を利用した場合の相続税の計算の際には,生前贈与した不動産の価額は,「贈与時の時価」を基準として算出されます。
例えば,贈与時には2000万円の市場価値しかなかった不動産が相続時には3000万円にあがっていたとしても,相続税の計算において,2000万円で評価できるのです。
ですので,当該不動産について,贈与時の市場価値が低く,相続時の市場価値が高騰している時には,結果的に支払う税金が安くなる可能性があります。
③ 収益物件の場合
更に,贈与する不動産が収益物件であるという場合には,相続時精算課税制度を利用して生前に贈与しておくメリットがあります。
例えば,贈与する不動産が賃貸マンションで,家賃収入が相当見込まれる場合です。
親から子に賃貸マンションを生前に贈与しておけば,贈与後に得られる家賃収入は,贈与後は全て子が取得できます。
親が所有したままでは,そこから得られる家賃収入も親に蓄積され,結局は相続時に相続税が発生しますので,長期的な観点からみれば,節税が見込まれることがままあります。
(3) 相続時精算課税制度を利用する際の注意点について
以上のように,相続時精算課税制度を利用するメリットがあり,制度を利用するとしても,以下の点に注意が必要です。
① 110万円の暦年課税が使えなくなる
贈与税は,1人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。
よって,1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。これを暦年課税制度と言います。
相続時精算課税制度を利用すると,それ以降,暦年課税制度が適用されなくなりますので,仮に1000万円分の財産を生前相続時精算課税制度を利用して贈与を受けたとして,それ以降,贈与者が20年生きたとすれば,結局,毎年110万円分の贈与を受けていた方が節税できた,という事態が生じるのです。
② 一度申告すると,撤回はできない
相続時精算課税制度を利用する場合,税務署への申告が必要です。
そして,一度申告すると,それ以降,撤回はできません。
ですので,途中でやっぱりやめたい,と思っても時すでに遅し,となりますので,制度を利用するかどうかは,慎重に判断する必要があります。
最後に
以上,簡単に生前贈与を受ける場合の相続時精算課税制度についてご説明しました。
相続時精算課税制度にはメリットもありますが,デメリットもあります。
制度を利用するかどうかは,事前に税理士などの専門家によく相談し,十分に検討するべきでしょう。
今回は,相続時精算課税制度について簡単にお話しましたが,生前贈与をするか相続をするかということ以前に,安心安全な以下のリンクのサイトを利用して,自分の不動産の価値の分かる営業マンと出会うことも大切です。
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生前贈与に関する話は以下のサイトにもまとめられていますので,是非参照してください。
【関連記事】>>>~マンション売却のための税金の基礎知識~(34)
【関連記事】>>>不動産の相続、生前と死後はどちらの方が良いの?
不動産の相続~相続人が複数いる場合
はじめに
ある男性が死んでしまったとしましょう。
男性の妻Aは生きており,二人の息子B,Cがいます。
男性の自宅は男性名義になっており,生前,妻Aと二人暮らしでした。
男性は遺言を書いていませんでした。
こんな事例の場合,自宅の土地・建物の所有権はどうなるのでしょうか。
相続について
ある人が財産を残したまま死亡した場合,その財産は当然に相続人に相続されます。
今回のケースでは,相続人は妻A,息子B,息子C,の3人です。
相続する割合(法定相続分)は,妻Aが2分の1,息子2人はそれぞれ4分の1ずつです。
ですが,法定相続分は相続人間の話合い(遺産分割協議)で変更することが可能です。
生前,男性は自宅で妻Aと二人で生活していたということですから,男性の遺志としては当然妻Aに自宅を相続させたいでしょうし,妻Aとしても自宅を相続したいでしょう。
この時,他の相続人である息子B,息子Cがそれに同意すれば自宅は妻Aが単独で相続できます。
ですが,息子らが「自分達も自宅を相続したい」と言って譲らなかった場合はどうなるでしょう。
不動産を相続した場合の権利関係
民法898条は,「相続人が数人あるときは,相続財産は,その共有に属する」と定めていますから,遺産分割協議がまとまらない場合には,男性が残した自宅の土地・建物は,妻A,息子B,息子Cの共有となります。
ところで,こんな時,息子B・息子Cは妻Aに対して,「自分たちが共有している土地・建物を1人で使用しているのだから,賃料相当額を支払って欲しい。」と言えるのでしょうか。
結論から言えば,遺産分割協議前に息子らがこのような主張をしてきた場合には,妻Aは賃料相当額の支払をする必要はありません。
男性が死亡して相続が生じた後も,遺産分割により自宅の所有関係が最終的に確定するまでは,引き続き妻Aに無償で使用させるとの合意があったと推認されるからです。
それでは,遺産分割協議により,妻A,息子B,息子Cが自宅を共有すると決まった後ではどうでしょう。
そのようなケースでは,残念ながら,息子B,息子Cから妻Aに対して賃料相当額が請求されると,自宅を一人で使用している妻Aは他の共有者である息子らに賃料相当額を支払わなければならない可能性があります。
また,自宅を共有するとなった場合,将来的に問題が生じる可能性があります。
例えば,自宅が雨漏りしていて修繕が必要であるという場合には妻A一人の判断でできますが,小規模な修繕を超えて改築をする場合や妻Aが老人ホームに入居することになり,自宅を売却したい,となった場合には,息子B,息子Cの同意が必要となります。
もともと,相続時に自宅を妻Aの単独所有とすることを認めなかった息子らですから,後に問題が起こった時にスムーズに対応できるとは限りません。
更に,例えば息子Bが妻Aよりも先に死亡してしまったとしたら,息子Bの自宅に対する持分権は息子Bの相続人に更に相続され,共有者がどんどん増えてしまうことになり,権利関係も複雑になってきます。
遺産分割について
不動産を共有とした場合,上記のようなトラブルが発生しますから,可能な限り,相続時に相続人間で話し合い,きっちりと遺産分割をしておくべきでしょう。
ここでは遺産分割について,簡単にご説明します。
(1) 遺産分割の方法
遺産分割には,①現物分割,②換価分割,③代償分割,の3種類の方法があります。
①現物分割とは,不動産を現状の状態のまま取得者を決める方法,②換価分割とは,不動産を売却して代金を分ける方法,③代償分割とは,相続人の一部の者が不動産を取得して,他の相続人に代償金を支払う方法,です。
(2) 今回のケースについて
①については,今回のケースはそもそも妻Aが自宅の土地・建物を単独で所有したいのですから,難しいでしょう。
①が有効なのは,例えば広い土地があったとして,それを分筆してそれぞれ相続人同士で分けることが出来るケースなどです。
今回のようなケースでは③の方法がよく取られますが,男性が自宅以外の金融資産をほとんど残さずに死亡し,妻Aに資力がない場合には実際には息子らに代償金を支払う方法がなく,自宅を売却する②の方法によらざるを得ないことも少なくありません。
そうなると,結局,妻Aは自宅を手放すことを余儀なくされます。
最後に
それでは,今回のケースではどうすれば良かったのでしょう。
1つは,男性が「自宅は妻Aに相続させる」という遺言を作っておくことが考えられます。
ただ,遺言は案外不備が多く,死後,その有効性を争われることが少なくありません。
ですので,遺言を作成する場合には,必ず事前に弁護士などの専門家に相談してください。
また,男性に自宅以外の目ぼしい財産がなく,唯一の財産が自宅だけという場合には,自宅を妻Aに相続させては,息子B,息子Cの遺留分(相続人に認められている最低限の取り分)を侵害し,後々,息子らから妻Aに対して遺留分を侵害されたと主張される可能性があります。 そこで,個人的には,このようなケースでは,男性は生前『公正証書遺言の作成』+『遺留分放棄』の手続を取っておくべきであると考えます。
公正証書遺言は,公証役場に行けば簡単に作成できます。
そこで,「妻Aに自宅を相続させる」という公正証書遺言を作成した後,息子らを言い含めて,裁判所に対して遺留分放棄の手続きを取らせるのです。
民法上,息子らに対して,事前に相続放棄をさせることはできませんが,このような手続を取っておけば,確実に自宅の土地・建物を妻に遺すことが出来ます。
息子らと断絶関係にあって,生前,遺留分放棄の手続を取らせることができないという場合にはこの方法を取ることが出来ませんが,そうでなければ,生前,父親から直接自宅について妻に相続させたいと説得されれば,息子らも案外納得できるものです。
自分の死後,家族の間で万が一にも相続についての紛争が生じないように,是非,余裕がある時に不動産の処遇について考えてみてください。
公正証書遺言については,以下のサイトで詳しく説明していますので,ご参照ください。
【関連記事】>>>マンション売却のための税金の基礎知識~(38)
今回は,自宅の土地・建物などの不動産の相続について簡単にお話しましたが,安心安全な以下のリンクのサイトを利用して,自分の不動産の価値の分かる営業マンと出会うことも大切です。
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【関連記事】>>>兄弟がいる場合の不動産相続はどうなるの?
不動産の共同相続
はじめに
ある人が死亡した時,相続が発生します。
相続人の範囲及びその順位は法律で決まっており,配偶者は必ず相続人になります。
そして,相続人になるのは,配偶者に加えて,子供がいる時は子供,子供がいない時は直系尊属(親,祖父母),直系尊属が既に死亡している時は兄弟姉妹です。
生涯独身のまま死亡したり,結婚していても配偶者に先立たれ子供もいない場合は珍しくありませんが,その場合には,親や兄弟姉妹が相続人になりますし,親も兄弟姉妹も既に死亡している時は兄弟姉妹の子が相続人になりますので,全く相続人がいないままに死亡するというケースはそれほど多くはありません。
特に,ひと昔前は,兄弟姉妹が多いことが多かったため,戸籍をたどっていけば,兄弟姉妹は死んでいてもその子がまだ生きていて相続人になることがままあります。
他方,全くの天涯孤独のままで死亡する人もいます。
その場合には,利害関係人などの申し立てにより家庭裁判所が相続財産管理人を選任し,選任された相続財産管理人が故人の負債等を清算し,残った財産を国家に帰属させることになります。
複数の子供が相続人の場合
ここで,ある男性が死亡したケースを考えてみましょう。
男性の妻は既に死亡している,あるいは離婚しており,配偶者はいません。
男性には3人の子供がいるという場合,その3人の子が今回相続人となります。
男性の財産は,いくばくかの預貯金と,生前住んでいた一軒家です。
この場合,一軒家はどのように相続したら良いのでしょうか。
相続が発生してから遺産分割協議がまとまるまでは,法律上,一軒家の土地・家屋は当然に相続人全員の共有となります。
ですので,3人の子供は,この土地・家屋を今後どうするのか相談して決めることになります。
遺産をどのように分配するのか,相続人間で話し合うことを「遺産分割協議」と言います。
(1) 売却する場合(『換価分割』)
子供たちは3人共独立して別の場所に住んでいる,という場合に最も多いのが,一軒家の土地と家屋を売却した上で売買代金を3人で分配する,という方法です。
相続により,一軒家の土地・家屋の所有権は3人の子供に移転していますから,3人は土地・家屋を自由に処分することができます。
土地と家屋をまとめて売却しても良いですし,家屋に資産価値がなければ,これを取り壊した上で土地を売却することもできます。
このように,相続した不動産を売却して得た代金を相続人で分ける遺産分割の方法を『換価分割』といいます。
(2) 売却しない場合
これに対し,子供のうちの1人が残った一軒家が欲しいと思った場合はどうしたら良いでしょう。
これを機に地元に帰ろうと思いつくこともありますし,古民家を改装してお店を開きたい,と考えることもあり得ます。
この場合,この土地・家屋の所有はどうなるのでしょうか。
これも,基本的には,相続人間の話し合いで自由に決めることができます。
① 『代償分割』による遺産分割
一軒家の土地・家屋を引き継ぎたい子供が,その他の相続人2人に対して「代償金」を支払うことにより,土地・家屋の所有権を単独で取得する,という方法が『代償分割』です。
相続人間の遺産分割協議は,基本的には相続人同士の話合いで自由に財産の処分を決められますから,他の2人が納得するのであれば,例えば,不動産以外の預貯金は残りの2人で分配し,土地・家屋は欲しい子供が相続する,という方法も可能ですし,プラスアルファの金銭を支払って土地・家屋の所有権を得るという方法も可能です。
② 3人の相続人の共有とする
1人の子供が土地・家屋を単独で所有することについて他の相続人が納得しない場合や,単独所有したい相続人が代償金が支払えない場合などは,一軒家の土地・家屋を相続人全員の共有とする方法もあります。
ただし,共有とした場合に,後々1人だけが一軒家の利用をした場合,他の共有者から家賃相当額を支払うように請求されるでしょう。
また,その後,更に共有者が死亡してその相続人らに相続が発生すると,土地・家屋はもともとの共有者と死亡した共有者の相続人らとの共有となり,権利関係が複雑になってしまします。
その時点で,家屋を立て替える必要が生じたり,土地・家屋を売却したい,と思っても,共有者間の意思疎通は更に困難となるでしょう。
ですので,相続した不動産をとりあえず共有とすれば一時的に問題は片付きますが,後々,更に問題が生じるおそれがあることは念頭に入れておいた方がよさそうです。
③ 『現物分割』する
広大な土地がある場合などは,土地を分筆して分割する方法を『現物分割』と言います。
ただ,今回のように,一軒家の場合には現実的ではないでしょう。
最後に
遺産分割協議に期限はありません。
売却出来ないような田舎の土地・家屋を残して死亡した場合,相続人間で話し合いがまとまらず,結果として放置されることがよくあります。
ですが,放置したとしても,土地・家屋は相続人全員の共有とされますので固定資産税等の税金はかかります。
また,管理を怠った結果,例えば家屋が倒れて誰かがけがをした,という場合には,賠償責任が生じます。
ですので,土地や家屋を共同で相続したけれども相続人間で話し合いがまとまらない,という場合には,弁護士などの専門家に相談し,必ず相続人間で何らかの決着をつけることをお勧めします。
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土地の相続~単独相続の場合
はじめに
もしもあなたが土地を相続したという時,この土地をどうしたら良いでしょう。
従前からその土地を誰かに貸していた,という場合にはまた話は違ってきますから,今回は,全く利用されていない更地を想定して,相続後のその活用方法についてお話します。
土地の活用方法について
(1) 売却する
一番分かりやすいのは,売却してしまうことでしょう。
特に,相続した土地が自分の住居から離れていて,なかなか目が行き届かないというケースの場合には,売却して現金化してしまえば後顧の憂いがありません。
更地のまま放置していては無駄に固定資産税がかかるばかりですので,特に土地活用の途がない場合には売却することをお勧めします。
(2) 駐車場にする
更地を駐車場に整備して貸し出す,というのは,初期投資が少ないというメリットがあります。
極端なことを言えば,土のままであれば,即日貸し出すことも可能です。
アスファルトで舗装してたり,コインパーキングの設備を入れるとしても,初期費用はたかが知れています。
初期費用をよりかけられる,というのであれば,立体型駐車場を建設するのも良いでしょう。
駐車場としての需要が高い地域であれば,駐車可能台数が増えればそれだけ利益も得られるでしょう。
(3) アパート・マンションを建てて賃貸する
更地にアパートやマンションを建てて賃料収入を得る,という活用方法があります。
この場合,一番重要なのは,信用できる建築会社を選ぶことです。
希望と異なる建物ができた,欠陥が見つかった,後々のフォローがなかった,などという問題が発生しても,その時には既に建物を取り壊すこともできず,後の祭りです。
また,建てた後の空室リスクなども十分に理解した上で建てないと,結局莫大な負債だけが残ってしまうことになりかねません。
アパート・マンション経営はうまく回れば定期的な収入が見込める半面,リスクも高いことを十分に理解してから踏み切ることが大切です。
(4) オフィスビルを建てて賃貸する
これはアパート・マンションを建てる場合とほぼ同じです。
交通の便などを十分に考慮した上で,オフィスにテナントが入るかどうかしっかりと見極めてから踏み切ることが大切です。
(5) コンビニを経営する
コンビニはフランチャイズの中でも人気があります。
フランチャイズはシステムが確立していますので,比較的低リスクで開業できるというメリットがありますが,成功が保証されているわけではありません。
近年,フランチャイザーとのトラブルも増えていますので,事前にしっかりとフランチャイズ契約を理解した上で,踏み切ることが大切です。
(6) 土地信託
土地は有効活用したいが,どうすれば良いのか分からない,という場合には,土地信託を考えても良いでしょう。
土地信託とは,土地の所有者が信託銀行などに不動産を一定期間託して,土地を管理・運用してもらう制度です。
ただし,ある程度利益を見込める土地でないと信託会社も受けませんし,事業リスクがあることも事前に覚悟しておく必要があります。
賃貸のデメリットについて
上記で,「駐車場にして賃貸する」,「アパート・マンションを建てて賃貸する」という方法について簡単に説明しました。
確かに,賃貸経営は定期的な収入が見込めるというメリットがある一方で,空室リスクなど様々なリスクが潜んでいます。
ここでは,「不法占拠者」についてのリスクをお話します。
(1) 「不法占拠者」とは
「不法占拠者」とは,正当な権利・根拠がなく土地や建物を占拠している人です。
駐車場や部屋を貸してもいないのに勝手に車を停めている場合や部屋に住み着いている場合はもちろん,一旦は賃貸借契約を結んで駐車場や部屋を貸していたものの,賃料を支払わないため賃貸借契約を解除しても立ち退かない場合も不法占拠者となります。
(2) 自力救済の禁止
駐車場などで「無断駐車はレッカーで移動します」などという看板を立ててあるのをよく目にします。
無断駐車をしている車両をレッカーで移動する,あるいは賃料を支払わず契約を解除したのに部屋に居座っている元借主の荷物を強制的に別の場所に移動する,ということは可能でしょうか。
結論から言えば,これらの行為は民法の定める「自力救済の禁止」に抵触する恐れが高く,反対に相手側から訴えられる可能性があります。
ですので,相手が無権限で駐車場や部屋を占拠している,という場合であっても,正当に退去させるためには,所有者側で裁判を起こして追い出さなければなりません。
賃料も取れない上,裁判費用まで負担しなければ不法占拠者を追い出すことが出来ないというのは,非常に腹立たしいものです(※法律上,賃貸借契約解除前に支払っていなかった分の賃料+契約解除後退去するまでの賃料相当額の損害賠償を請求することはもちろん可能ですが,現実的に支払われる可能性は限りなく低い)。
賃貸経営をされるのであれば,事前に空室リスクなどは十分に理解されて方も多いでしょうが,それに加えて,上記のような思わぬ負担が発生する可能性があることも,ぜひ頭に入れておいていただきたいと思います。
今回は,土地を相続した場合の活用方法について簡単にお話しましたが,土地活用を成功させる以前に,安心安全な以下のリンクのサイトを利用して,自分の不動産の価値の分かる営業マンと出会うことも大切です。
将来,土地を相続する予定のある方でも,すぐに売却しなくても問題ありません。
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不動産の相続と税金について
はじめに
(1) 相続税とは
相続税とは,相続や遺贈によって取得した財産の価額の合計額が基礎控除額を超える場合に,超える部分(課税遺産総額)に対して課税される税金です。
相続税の対象となる遺産総額は,現金・預貯金・株式などの「プラスの遺産」から,住宅ローン・税金・未払の光熱費などの「マイナスの遺産」を差し引いたもので,そこから『基礎控除額』(遺産総額から一律に差し引くことのできるもの)を差し引いた後に,残った金額に対して相続税が課税されます。
(2) 基礎控除額について
相続税の基礎控除額は,『3000万円+600万円×法定相続人の数』です。
ですので,例えば,妻と子供2人がいる男性が1億円の資産を残して死亡したとしましょう。
法定相続人は妻と子供2人の合計3人ですので,基礎控除額は『3000万円+600万円×3=4800万円』の4800万円となります(ですので,1億円から4800万円を差し引いた,5200万円が課税遺産総額として,課税の対象となります。)。
(3) 相続税の税率について
相続税の税率は一律ではありません。
相続する遺産総額が1000万円以下なら10%,1000万円超から3000万円以下なら15%,3000万円超から5000万円以下なら20%といったように,相続する遺産総額によって税率は変わり,最大(6億円超)ではなんと55%にもなります。
(4) 相続税の計算方法
相続税の計算方法について,上記の例でご説明します。
課税遺産総額は5800万円ですので,妻と子らが法定相続分どおりに相続すると,妻が2分の1の2900万円,こども2人がそれぞれ1450万円ずつ相続することになります。
そして,相続する遺産の金額によって,更に控除があるところ,課税遺産総額が1000万円超から3000万円以下の場合は50万円が控除されますので,結局,①妻は「2900万円×15%-50万円=385万円」の385万円,②子供らはそれぞれ「1450万円×15%-50万円=167万5000円」の167万5000円が,それぞれ支払うべき相続税となります。
(もちろん,基礎控除分の4800万円については,妻が2400万円,子らがそれぞれ1200万円ずつ相続することになり,この部分については相続税はかかりません。)
(4) 不動産を相続した場合
それでは,土地,家屋,マンションなどの不動産を相続した場合,不動産は相続税の算出にあたり,どのように評価されるのでしょうか。
不動産を相続した場合,基本的に,相続した土地が路線価が定められている市街地にあれば『路線価方式』(路線価をその土地の形状等に応じた補正率で補正した後,土地の面積を乗じて計算する方法),路線価が定められていない市街地以外であれば『倍率方式』(土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算する方法)により評価されることになります(※路線価図・評価倍率表とその見方は国税庁のHPで確認可能です。)。
※土地の評価については,以下のサイトにもまとめてありますので,是非ご参照ください。
【関連記事】>>>不動産相続で知っておきたい、評価額に関する基礎知識
また,家屋の場合は「固定資産税評価額」を基準に,マンションの場合は土地と建物を分けてマンション全体の相続税評価額を計算した上,それに持分割合を乗じてマンション各戸の評価額を計算することになります。
相続税を支払えない場合
(1) 相続税の支払期限
相続税の申告期限は,被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です(例えば,1月5日に亡くなり,その日に死亡の事実がすぐに分かったのであれば,11月5日が申告期限となります。)。
申告期限までに申告をしなかった場合や,実際に取得した遺産よりも過少申告した場合には,本来の相続税のほか,加算税や延滞税がかかることがあります。
(2) 申告期間内に支払ができない場合
上記で見たように,相続税はかなり高額になります。
相続税を含む国税は,金銭で一括納付することが原則です。
遺産が現金や預貯金で残っている場合には問題ありませんが,土地やマンションなどの不動産を多く相続した場合に,相続税を支払うだけの現金が準備できないことがままあります。
そんな時は,相続税の「延納」,つまり納付できない金額を限度として,担保を提供することにより,年賦で納付することも可能です(※ただし,延納期間中は利子税の納付が必要です。)。
(3) 延納の条件
延納の条件ですが,①相続税額が10万円を超えること,②金銭で納付することが困難で,その納付を困難とする金額の範囲内であること,③延納税額+利子税に相当する担保を提供すること(※延納税額が100万円以下+延納期間が3年以下であれば担保は不要),④相続税の納付期限までに担保提供書類を添付した延納申請書を税務署長に提出すること,の要件を全て満たす必要があります。
(4) 延納しても支払えない場合
ところで,延納の許可を受け,相続税を延納したとして,その後,延納条件を履行することが困難となった場合どうすれば良いのでしょうか。
この場合には,申告期限から10年以内に限り,分納期限が到来していない税額部分について,延納から「物納」への変更を行うことが可能です。
物納を申請できる財産は,相続財産のうち,①不動産,船舶,国債証券,地方債証券,上場株式等,②非上場株式等,③動産,の順位で所在が日本国内にあることが必要です(ですので,例えば,海外に所有している土地を物納することはできません。)。
物納できる財産は,各種の条件があり(例えば,不動産であれば担保権が設定されているものは不可等)ますが,相続税が支払えない場合の手段として念頭に入れておいていただければと思います。
最後に
相続税の計算は複雑怪奇で,各種の控除制度もあり,非常に入り組んでいます。
税金の控除については,以下のサイトでも詳しく説明していますので,ご参照ください。
【関連記事】>>>マンション売却のための税金の基礎知識~(37)
万が一にも申告漏れがないように,また,使える控除を見逃して損をすることがないように,かならず税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
今回は,不動産を相続した場合の相続税について簡単にお話しましたが,まずは,安心安全な以下のリンクのサイトを利用して,自分の不動産の価値の分かる営業マンと出会うことも大切です。
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【関連記事】>>>不動産やマンション売却査定サイトはイエイが無料で良い理由!
また,相続税については,以下のサイトでも詳しくご説明していますので,是非ご参照ください。
【関連記事】>>>マンション売却のための税金の基礎知識~(26)
【関連記事】>>>不動産の相続税が払えない…延納はできるの?
DINKSと不動産の相続
はじめに
ある人が死亡した時(死亡した人を「被相続人」といいます。),相続が発生します。
相続人の範囲は民法で決まっています。
被相続人の配偶者は常に相続人になりますが,配偶者の他には被相続人の子,両親,祖父母,兄弟姉妹,兄弟姉妹の子,などが相続人になります。
近年,DINKS(double income, no kids)も増えていますので,今回は,DINKSの夫婦の一方が死亡した時の相続についてお話しましょう。
※相続人の範囲などは,以下のサイトを参照してください。
【関連記事】>>>兄弟がいる場合の不動産相続はどうなるの?
DINKS夫婦の相続人
(1) 相続人と法定相続分
DINKS夫婦の一方が死亡すれば,まず,その配偶者が相続人になります。
例えば,妻が先に死亡したとしましょう。
この時,夫だけが相続人になれば,遺産相続の問題はありませんが,民法上,被相続人に子供がいない場合,被相続人の直系尊属も相続人になることとなっています。
直系尊属というのは,自分より前の世代で,直通する系統の親族です(通常は,両親・祖父母です。), ですので,例えば,死亡した妻の祖父母と父親はそれ以前に既に死亡しているけれど,母親は存命という場合,夫と妻の母親が相続人になります。
この場合の法定相続分は,夫が3分の2,妻の母親が3分の1です。
また,妻の両親・祖父母などの直系尊属が妻より前に死亡している時は,妻の兄弟姉妹が相続人になります。
この場合の法定相続分は夫が4分の3,妻の兄弟姉妹が4分の1です。
例えば,妻に妹が2人いる場合,夫は妻の遺産の4分の3を,妻の妹たちはそれぞれ妻の遺産の8分の1ずつを相続することになるのです。 DINKSの場合,夫婦の共有名義でマンションや戸建てなどの自宅を購入することも多いと思いますが,夫婦で生活していたマンションなどの自宅の持分2分の1を遺して妻が死亡した場合,妻の持分の一部は,妻の両親なり兄弟姉妹に相続されてしまうことに注意が必要です。
妻と購入して2人で生活していたマンションが,妻の死亡により,突然,妻以外の人が権利を有することになってしまうのです。
マンションの権利を有する,ということは,「そのマンションを自分も使いたい」,「持分に相当する家賃を支払って欲しい」,といえることですので,後々トラブルになりかねません。
(2) 相続放棄について
このようなトラブルを防ぐためにはどうしたら良いのでしょうか。
日ごろから双方の親族と親しく付き合っており気心が知れている場合には,他の相続人に相続放棄をお願いすることも1つの手でしょう。 相続放棄とは,相続人が相続を放棄する意思表示です。
※相続放棄については、以下のサイトをご参照ください。
【関連記事】>>>マンション売却のための税金の基礎知識~(50)
【関連記事】>>>マンション売却のための税金の基礎知識~(8)
相続放棄をすると,その相続人は最初から相続人ではなかったことになりますので,妻の相続人全員に相続放棄をしてもらえれば,結局,夫が一人で妻の遺産を相続することができるのです。
ただし,妻の両親が相続放棄をすると,妻の兄弟姉妹が次の相続人になりますので,最終的には妻の両親及び兄弟姉妹の全員に相続放棄をしてもらう必要があります。
ですので,相続人のうち一人でも相続放棄に同意をしてくれない場合には,結局,夫が妻の遺産を単独で相続することはできない,ということになります。
相続放棄は相続が発生して初めてできることで,被相続人が死亡する前はすることができませんが,生前,被相続人になり得る両親や兄弟姉妹に,「自分が死んだら相続は放棄して欲しい。」と依頼しておくのは有効でしょう。
(3) 遺言書を作っておく
次に有効なのが,「自分が死亡した場合には,遺産は全て夫に相続させる」という遺言を作っておくことです。
ただし,このような遺言であっても,民法上,相続人には『遺留分』というものが認められていることに注意が必要です。
遺留分とは,法律上,相続人に最低限保証されている相続分です。
遺留分は,兄弟姉妹にはありませんが,直系尊属には認められています。
ですので,例えば,妻の直系尊属がすでに死亡し,夫と妻の兄弟姉妹が法定相続人になる場合には,妻が「夫に全て相続させせる」という遺言を作っておけば,夫が妻の遺産を全て単独で相続できることになります。
他方,夫と妻の母が法定相続人になる場合には,妻が「夫に全て相続させる」という遺言を作っていたとしても,妻の母には遺留分(具体的にはこのケースでは6分の1)が認められ,夫に対して権利を主張できることになります。
もっとも,妻の母が遺留分を取得するためには,妻の母において「遺留分減殺請求」をしなければなりません。
ですので,妻の母が娘の遺志を尊重して,敢えて遺留分減殺請求をしなければ,結局,遺言どおり,夫が妻の遺産を単独で相続することができます。
夫と妻の母がよほど仲が悪くなければ,妻がこのような遺言を遺しておくことは非常に有効です。
また,相続放棄とは異なり,遺留分放棄は相続発生前にもできますので,妻において生前,母親に遺留分放棄の手続きを採ってもらうことができれば,法律上,完全に妻の遺産は夫が単独で相続することができます。
最後に
相続は「争族」と評されるほど,時にはトラブルの元となります。
死後に遺産をどうしたいのか生前から意識して,事前にトラブルを避けるために遺言を作るなどの対応をすることも時には必要です。 2020年には,自筆証書遺言を法務局で預かってくれる新たな制度も始まりますので,遺言書の作成を検討している方は,是非,一度弁護士などの専門家に相談してみることをお勧めします。
今回は,DINKSの夫婦の相続について簡単にお話しましたが,まずは,安心安全な以下のリンクのサイトを利用して,自分の不動産の価値の分かる営業マンと出会うことも大切です。
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【関連記事】>>>不動産やマンション売却査定サイトはイエイが無料で良い理由!
また,遺留分については,以下のサイトでも詳しくご説明していますので,是非ご参照ください。
【関連記事】>>>マンション売却のための税金の基礎知識~(21)
遺産分割調停について
はじめに
相続人が1人であるという場合には(例えば,子供はいなくて配偶者しかいない,配偶者に先立たれ子供が一人しかいないなど),唯一の相続人が故人の全財産を相続しますから,遺産をめぐる争いは起きません。
また,複数の相続人がいても,生前から故人が遺産の分配について相続人らに言い含めているような場合にも,遺産をめぐる争いはないでしょう。
ですが,残念ながら,相続は時として「争続」と評されるほど,相続人間で揉める可能性があるものであす。
子供のうちの1人だけが大学院まで進学した,1人だけ学生時代に地方で一人暮らしをして仕送りを受けていた,1人だけ故人と同居して面倒を見ていた,自宅を建てる際に資金の援助を受けた・・・など,相続人の中には,法定相続分どおりの相続では不公平ではないか,と考えるケースもままあります。
相続人間の話合いがまとまらない場合,いつまでも遺産を故人名義にしておけませんから,最終的には家庭裁判所に遺産分割の調停又は審判の手続きを申し立てることになります。
そこで,今回は,遺産分割調停の要件についてご説明しましょう。
家庭裁判所の遺産分割調停
(1) はじめに
遺産分割調停は,相続人であれば誰でも申し立てることができます。
相続人の1人が他の相続人全員を相手方として申し立てることができますし,複数の相続人が一緒になって,1人だけ遺産分割協議に納得しない相続人を相手方として申し立てることもできます。
調停手続では,まずは当事者間の合意に向けて話し合いが進められますが,もしも話し合いがまとまらずに調停が不成立となれば,自動的に審判手続きが開始され,裁判官が,遺産に属する物又は権利の種類及び性質その他一切の事情を考慮して,審判をすることになります。
(2) 遺産分割の対象について
遺産分割調停手続きでは,「遺産分割の対象となる遺産」の分割しか扱わず,それ以外の財産については,全相続人の同意がない限り,調停の対象外になります。
遺産分割の対象となるための要件は,以下の5つです。
① 相続により取得した遺産であること
② 相続時に存在したこと
③ 分割時にも存在していること
④ 未分割であること
⑤ 積極財産であること
それでは,一つずつ見ていきましょう。
① 相続により取得した遺産であること
ここで大事なのは,税法上の遺産と民法上の遺産の範囲は異なる,ということです。
例えば,死亡退職金や遺族年金については,税法上の遺産として扱われますが,相続により取得した遺産ではないので,民法上の遺産ではありません。
ですから,死亡退職金や遺族年金などについては,全相続人緒同意がない限り遺産分割調停の対象外となります。
② 相続時に存在すること
相続後に発生したものは遺産ではありません。
例えば,葬儀費用や相続後の家賃,遺産である不動産の管理費用などは相続後に発生したものですので,遺産ではないので,遺産分割調停の対象外となります。
③ 分割時にも存在すること
相続時に存在している遺産が,分割時にも存在していることが必要です。
例えば,相続時には預金が1000万円あったけれど,相続後に引き出されてなくなっていた時には,1000万円については遺産分割調停の対象外になります。
ですから,例えば相続人の1人が,相続発生後に勝手に預金を引き出したという場合には,別途,不当利得返還請求という訴えを起こして争うことになり,遺産分割調停の手続きの中ではそのことについては判断しません。
④ 未分割であること
遺産分割調停は,未分割の遺産について,分割して相続人の誰に何を取得させるのか決める手続きです。
ですので,既に分割されている遺産は遺産分割調停の対象外です。
この点,例えば,現金などの可分債権は法律上当然に分割されて,相続人らは相続分に応じて権利を承継しますので,現金は遺産分割調停の対象となりません(※ただし,預金については,裁判所は不可分債権としていますから,預金は遺産分割調停の対象となります。)。
⑤ 積極財産であること
積極財産とは,現金,預貯金,不動産,有価証券などのプラスの財産です。
反対に住宅ローンや未払の光熱費などのマイナスの財産は,消極財産といいます。
住宅ローンなどの債務は,法律上当然に分割され,相続人らが相続分に応じて承継されますので,遺産分割調停手続きの対象となりません。
最後に
そもそも,遺産分割調停は,故人の遺産を相続人に分配する手続きです。
ですから,既に引き出されてなくなっている預金などをまだあるかのように扱って分配しては,後々のトラブルになりますので,確かに遺産として相続人に分割しても大丈夫なのか,という観点から考える必要があります。
例えば,勝手に預金を引き出した相続人の責任を追及する手続きではありません。
遺産分割調停を申し立てるには,事前に準備しなければならない書類等も多岐に渡りますし,手続きの要件も厳格に決まっています。
手続きを利用する時は,必ず事前に弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
今回は,遺産分割調停の対象について簡単にご説明しましたが,まずは,安心安全な以下のリンクのサイトを利用して,自分の不動産の価値の分かる営業マンと出会うことも大切です。
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ぜひとも,以下のサイトを参照して自分の持っている不動産の価値をチェックしてみてください。
【関連記事】>>>不動産やマンション売却査定サイトはイエイが無料で良い理由!
また,不動産を共同相続した場合については,以下のサイトでも詳しくご説明していますので,是非ご参照ください。
【関連記事】>>>マンション売却のための税金の基礎知識~(6)
【関連記事】>>>マンション売却のための税金の基礎知識~(12)
遺産分割調停と不動産の評価
は
じめに
ある人が,土地・家屋・マンションなどの不動産を遺して死亡したとしましょう。
死亡した人のことを「被相続人」と言います。
被相続人の不動産は,相続人が相続しますが,相続人が複数いる場合,不動産はどのように相続されるのでしょうか。 相続が開始した時,相続人同士で話し合いをします(これを「遺産分割協議」と言います。)。
この時,相続人同士で協議がまとまれば何の問題もありませんが,どうしても協議がまとまらない時には,家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることになるでしょう。
遺産分割協議については,以下のサイトをご参照ください。
【関連記事】>>>不動産の相続でトラブルを防ぐ、遺産分割協議書とは?
相続と遺産分割については,以下のサイトをご参照ください。
【関連記事】>>>マンション売却のための税金の基礎知識~(12)
そこで,今回は,遺産分割調停の場において,不動産がどのように評価されるのか,ということについてお話します。
不動産の時価
(1) 不動産の時価
遺産分割では,遺産の価格は『遺産分割時の時価』で評価されます。
そして,遺産分割調停において不動産の時価を評価する際,必ずこの方法で時価を確定する,という決まった方法はありません。
調停手続では,裁判所が各当事者から事情を聴き,必要に応じて資料等を提出してもらい,事情をよく把握したうえで,各当事者がそれぞれどのような分割方法を希望しているか意向を聴取し,解決案を提示したり,解決のために必要な助言をし,当事者間の合意を目指し話合いが進められますので,まずは,各当事者がどのような方法で不動産の時価を確定するのか話し合うことになります。
通常,調停で取られているのは,
① 国土交通省の地価公示や都道府県地価調査による地価調査標準価格による方法
② 固定資産評価額による方法
③ 路線価価格による方法
④ 不動産業者による査定を参考にする方法
などです。
それぞれの方法について,簡単にみていきましょう。
(2) ① 国土交通省の地価公示や都道府県地価調査による方法
地価公示(公示価格)とは,特定の標準地について,国土交通省が毎年1月1日を基準日として公示している価格です。
また,都道府県地価調査とは,特定の基準地について,各都道府県が毎年7月1日を基準日として公表している価格です。
これらは,いずれも公表されており(※国土交通省のHPにも掲載されています),公の機関が調べた結果という意味で,各当事者も納得しやすいでしょう。
ただ,公示されているのは特定の標準地・基準地だけですので,相続した土地がいずれからも遠かったり,土地の形が全く異なっているような場合には,この方法だけでは正確な時価を算出できません。
(3) ② 固定資産評価額による場合
この場合,相続人が合意をするのであれば,固定資産評価額そのものを時価とすることもできます。
また,固定資産評価額は,概ね公示価格の70%を目安に決められていると言われていますので,固定資産評価額×0.7で,大抵の不動産価格が算出でき,それを時価とすることなども行われています。
ですが,東京などでは固定資産評価額と実際の市場価格が乖離している場合がありますし(特にマンションや高級住宅地など),そもそも固定資産評価は3年に1回しか評価替えをしませんので,固定資産評価額を基準としては,調停時に正確な時価を反映していないことがありますので,注意が必要です。
特に,不動産は取得せず,代価をもらうという場合には,安易に固定遺産評価額で合意をしないようにしましょう。
(4) ③ 路線価価格による場合
路線価とは,路線(道路)に面している土地1㎡あたりの標準額で,相続税などを算出するための基準となる評価額で,国税庁のHPで誰でも確認することができます。
路線価は,国土交通省が出している公示価格などの概ね80%を目安に決められています。
路線価は固定資産評価額と違い,毎年評価替えされていますので,固定遺産評価額よりも土地の正確な時価を反映していると言えますが,それでも,実際の市場価値と乖離していることがままありますので,注意が必要です。
(5) ④ 不動産業者による査定を参考にする
不動産業者による査定は,実際の取引事例などを参考に行われ,当該不動産の概ねの市場価格を知ることに有用です。
ただ,業者によって査定結果に差が出ることも多いため,この場合には,通常,各当事者がそれぞれ不動産業者から査定書を出して,概ね平均値で合意を得ることが多いでしょう。
なお,調停の場においては,当事者が私的に依頼した不動産鑑定士による鑑定は業者による査定と同程度の価値しか認められません。
ですので,事前に費用をかけるだけ無駄になることが多いので注意が必要です。
最後に
以上,遺産分割調停における不動産の時価の確定方法について簡単にお話しましたが,不動産の時価の評価というのは非常に困難です。
特に,相続した不動産が第三者に貸している状態であったりすれば,それをどのように評価するかという問題もあります。
遺産に不動産が含まれている場合には,まずは弁護士などの専門家に相談した上で,相続人間でどのように分けるのか話し合うことが必要です。
今回は,遺産分割調停における不動産の評価について簡単にお話しましたが,まずは,安心安全な以下のリンクのサイトを利用して,自分の不動産の価値の分かる営業マンと出会うことも大切です。
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【関連記事】>>>マンション売却のための税金の基礎知識~(13)
不動産の相続と遺産分割調停
はじめに
ある人が死亡した時,相続が発生します。
そして,相続人は,死亡した人(「被相続人」といいます。)の遺産をどのように分けるか,話し合いをすることになります。
これを,遺産分割協議と言いますが,遺産分割協議はすんなりとまとまることもあれば,なかなかまとまらないこともあります。
概して相続人が多い場合は,それぞれの思惑もあり,話し合いがつかないことも多いようです。
当事者間で話し合いがつかない場合には,最終的には家庭裁判所の遺産分割の調停又は審判の手続きを利用することになるでしょう。
裁判所の調停と聞けば,とにかく申し立てをすれば裁判所が当事者の話を聞いて,うまく解決してくれるのではないか,という期待を持つ方も多いと思います。
ですが,遺産分割調停は,そもそもその俎上に上がるためにクリアしておかなければいけない問題がいくつかあるのです。
そこで,ここでは,遺産分割調停の前提問題について簡単にまとめてみます。
遺産分割調停の手順
遺産分割調停については,調停手続きに入るためにその前提としてクリアしておかなければいけない問題がありますので,ここではその前提問題をご紹介しましょう。
(1) 相続人の範囲の確定
遺産分割調停は,具体的な判断に入る前提として,まずは相続人の範囲が確定している必要があります。
通常であれば,配偶者や子供たちなどですから,相続人の範囲が問題になることはあまりありません。
ここでよく問題になるのは,被相続人に養子などがいるような場合です。
相続人が,被相続人の死後にその戸籍を確認すると,いつの間にか相続人が生前に養子縁組をしていた,いつの間にか相続人が知らない相手と婚姻していた,というようなことがあります。
相続人が寝耳に水の,全く知らない養子や配偶者はもちろんですが,例えば相続人のうちの一人の配偶者が養子になっているような場合などもよくあります。
そのような場合に,相続人が「そんな養子縁組や婚姻は無効だ」などと主張することがありますが,この場合,そもそも誰が相続人なのか,という相続人の範囲が確定していません(※有効な養子縁組や婚姻であれば,当然,その養子や配偶者も相続人になります。)から,遺産分割調停の手続に進むことはできません。
というのは,遺産分割調停を申し立てられた家庭裁判所は,相続人の範囲については判断しません。
そこで,まずは,別途,養子縁組無効確認の訴えや婚姻無効確認の訴えを提起して相続人の範囲を確定した上で遺産分割調停を申し立てるように,ということで出直しを命じることになります。
(2) 遺言書の有無とその有効性
遺産分割調停においては,既に分割済みの遺産は調停の対象にはなりません。
遺産分割調停の対象となるのは,相続人間に分割されていない遺産です。
ですから,遺言書で分割済みの遺産については遺産分割調停の対象から外れます。
例えば,息子A・息子Bという相続人のいる被相続人が,不動産として賃貸マンション1室と自宅の一戸建てを所有しており,遺言書で賃貸マンションは息子Aに相続させる,という遺言書を残していたとします。
この場合,マンションは遺産分割調停の対象にはならず,調停では自宅の一戸建てとその余の財産の帰趨について判断されることになるのです。
ですから,遺言書の有効性に問題がなく,相続人も特段遺言について争っていない時は問題ありませんが,例えば,息子Bが「その遺言はAが勝手に書いた(あるいは認知症の被相続人に書かせた)ものだ」などという主張をして,遺言書の有効性を争うような場合には,遺産分割調停を申し立てられた家庭裁判所は,遺産分割調停の手続きを進めることができません。
この場合には,まずは,遺言の効力についての訴えを別途提起してその有効性に決着をつけてから,改めて遺産分割調停を申し立てることになります。
(3) 遺産分割協議書の有無・内容
遺言のところでも書きましたが,遺産分割調停においては,既に分割済みの遺産は調停の対象からは外れます。
ですので,遺産分割協議の有効性に問題がある,という場合には,やはり,そのまま遺産分割調停の手続きに進むことができません。
遺産分割協議書は,相続人間で協議の上で作られるものですから,後々,当事者本人から有効性に疑義が呈されることはそれほど多くはありません。
ですが,例えば,相続人Aと相続人Bの間で,遺産の賃貸マンションと一戸建てのうち,賃貸マンションについてはAが相続する,という協議がまとまって協議書が作成された直後にBが死亡した,という場合に,Bの相続人が「協議書を作った時点で既にAは認知症で正常な判断能力がなかった」などと主張されることがあります(なお,前提として,Bが受け取るべき遺産はBが死亡した以上,Bの相続人が受け取ることになります。)。
このような場合にも,やはりそのままでは遺産分割調停の対象に争いがあり,そのままでは手続きに進むことができませんので,別途遺産分割協議書の有効性について訴えを提起してその問題を解決した上で,改めて遺産分割調停を申し立てることになります。
まとめ
調停は,相続人であれば誰でも申し立てることができますが,上記の問題をクリアしていなければ,結局,家庭裁判所から門前払いをされてしまいます。
ですので,手続きを利用する,という時には,必ず事前に弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
今回は,遺産分割調停の前提問題について簡単にお話しましたが,まずは,安心安全な以下のリンクのサイトを利用して,自分の不動産の価値の分かる営業マンと出会うことも大切です。
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