分譲マンションは購入後、大きな資産としての価値を持っています。売却して利益を得るのではなく、マンションを貸して継続的に収入を得た方がいいケースもあります。
この記事では不動産会社であるスマートアンドカンパニーが、「マンションを売却するのではなく、貸したい」「転勤などの理由から一時的にマンション を貸しに出したい」という方向けに、分譲マンションを賃貸に出すポイントをまとめました。
今回の記事では、以下を知ることができます。
・マンションを貸したい時の手順
・住宅ローンが残っているマンションを貸したい時
・マンションを貸すときにかかる費用
・マンションを貸す場合に必要な確定申告の手順
Contents
マンションを貸したいとき不動産会社探しの前に決めておくこと
マンションを貸す時の賃貸方法を決めておく
マンションを貸し出す方法は3種類あります。
決められた期間だけ貸し出すことができる「定期借家契約」、空き家になった場合にも保証がある「サブリース」、期間・家賃補償がない通常の賃貸である「普通借家契約」です。それぞれメリット・デメリットとともに、詳しく解説していきます。
決められた期間だけマンションを貸したい
通常の賃貸契約(普通借家契約)では、貸主側からは契約を打ち切ることはできませんが、例えば、「転勤の間だけ住まいを誰かに貸したい」という場合には、1年間といった短い期間だけ契約したいというケースがあります。
そのような期間限定で住まいを賃貸に出すことを“リロケーション”とも呼びますが、このように決められた期間だけ貸し出すことを「定期借家契約」と言います。
多くの賃貸借契約で用いられる「普通借家契約」の場合、一般的に2年間の契約更新とされていますが、「定期借家契約」の場合には、1年未満での契約も可能になります。
空き家のままにしておくと、ローンと転勤先での家賃とで支払いが「2重苦」となってしまいますが、もし貸し出すことができたなら、不労所得を産む金の卵となります。経済的には大きなメリットです。
また、期間を限定して賃貸すると決めてあるため、転勤が終了して元の家に戻る際にも、「借主が退居してくれなくて困る」ということにはなりません。契約期間が満了したら、そこで終了になります。更新されることはないのです。
しかしながら、「定期借家契約」という特殊な条件下で借主を探すため、家賃相場を2〜3割ほど安く設定されることが多いようです。また、管理会社に払う手数料も通常5〜10%のところ、「定期借家契約」の場合には、10〜15%と上乗せされてしまうようです。収益がやや下がってしまいますが、1年未満の転勤が決まっている場合には、非常に重宝する方法です。
空室になった場合の家賃の保証が欲しい
空室になった場合にも家賃補償があるのが「サブリース」(一括借り上げ)という方法です。
賃貸契約において、最も恐れるリスクは空室です。入居所がいなければ収入も低下してしまいますから、入居者が見つからないとやきもきしてしまいます。
しかしサブリースを利用すれば、家賃補償があるため、入居者がいなくても収入が途切れることはありません。賃貸オーナーにとっては非常にありがたい契約方法です。毎月一定の借り上げ家賃収入を得られることは非常に魅力的です。不動産会社には賃貸管理業務も委託しているので、賃貸オーナーは賃貸経営が非常に楽になるというメリットもあります。
しかしながら、デメリットも多く含まれていますので注意してください。サブリースの場合には、敷金、礼金、更新料などの家賃以外の収入や、借り上げ家賃以上の家賃などは、契約している不動産会社の取り分となってしまいます。そのため、普通借家契約よりも収入があがりません。サブリースを行う場合には、募集家賃に対して、90%の借り上げで契約が結べるとベターです。最初の契約で妥協して、80〜85%の借り上げにしては収益もあがりません。
また、将来的に建物の修繕が必要になった場合にも、オーナー側が探した割安な修繕業者ではなく、サブリース契約を行っている不動産会社と関連のある業者が請け負うなど、選択肢がない場合もあり、割高な業者であっても修繕を頼まないといけないなど、不利益を被る可能性もあります。
また、いくら家賃補償があると言っても、長期的に安定した賃貸経営を続けるためには、入居者は必須です。入居者がみつからず家賃を下げることになっては収益も上がりません。サブリース契約の際には、客付け営業力を持つ不動産会社であることは重要なポイントです。
現在、順調に見える会社でも10年後20年後にはわかりません。先々を見越して、いつでも管理会社を変更できるのか?を念頭に不動産会社選びを行いましょう。サブリース契約においては、トラブルになったこともいくつか散文されます。大きなトラブルを招かないためには、契約書や約款はくまなく読み込んでおくことだと思います。
期間・家賃補償がない通常の賃貸にする
通常、多くの場合用いられるのが、「普通借家契約」です。
シンプルに、借りた人から家賃として収入を得るというものです。契約期間は、一般的に2年ごとの更新とされていますが、正当な事由がない限りは家主である賃貸オーナー側からは更新を拒絶することはできません。契約を解除できる正当な理由というのは、社会通念上妥当と認められた理由に限ります。
先述した定期借家契約の場合は、賃貸する期間を定めて、契約満了したら以後更新はできませんので、退居してほしい際にもトラブルは起こりにくくなります。もし将来的に住む予定があるという場合には、定期借家契約をお勧めします。
普通借家契約の場合には、賃貸借期間には制限はありません。2000年3月1日以前の契約までは20年の上限がありましたが、以降の契約は期間無制限となりました。貸した相手が住み続けたいと思う場合には、ずっと住むことができます。メリットとして賃貸オーナーは、家賃の増減を求めることが可能です。社会情勢や、周辺相場の変動などがあった場合には賃料の増減額請求を行うことができます。普通借家契約は、立ち退きを求められない点で賃貸オーナーにはやや不利な面が多くみられます。入居者保護の立場からなっている契約とも言えます。
マンションを貸すとき不動産会社にどこまで依頼するか決めておく
次に、マンションを人に貸すときにどこまでを不動産会社に頼むべきなのか、検討しましょう。
以下の2点を不動産会社に依頼する場合には、費用がかかりますから、事前にいくらかかるのか知っておくと安心です。
仲介のみ依頼
賃貸オーナーが、賃借人を探す際には不動産会社に仲介を依頼することになります。この仲介料はどうしてもかかってしまう費用と言えます。仲介料とは手続きや交渉を行った報酬として支払われるものです。一般的には家賃の一か月分程度とされています。多くの場合には、賃借人からいただいた礼金をそのまま不動産会社に渡し、仲介料とします。
家賃の入金確認・クレーム対応も依頼する
人に貸している間に心配されるのは、家賃の入金確認とクレーム対応です。普段、会社員や違う仕事を持っている場合に、家賃が入金されたか毎月確認することはなかなか大変です。
また、住まいに関するクレームを直接言われても、不動産のプロでない限り対処に困ってしまいます。
不動産会社に、家賃の入金確認とクレーム対応を依頼することもできます。これらの対応を任せると、家賃の5%ほどのコストがかかりますが、賃貸オーナーや賃借人双方のためにも、不動産会社という管理のプロの手を借りたほうが良いでしょう。
マンションを貸すときに依頼する不動産会社を探す
マンションの賃貸方法と、どこまで管理を不動産会社にお任せすするのか、決まったら基礎知識は持っていることになりますので、いざ不動産会社探しを行いましょう。
分譲マンションの貸し出しを行う際には、不動産会社に依頼することになります。以下の手順で自分に合った不動産会社探しを進めてみて下さい。
複数社を比較するために査定を取る
不動産会社は、CMで有名な大手の会社から、地元で長く信頼を築いてきた不動産会社までさまざまあります。
不動産会社によって、費用や賃料なども一律ではありません。よりよい条件で賃貸に出せるように、まずは「マンション貸す.com 」で分譲マンションの無料査定をとる必要があります。
査定に必要な時間は、60秒です。
サブリース契約の場合には、複数社査定を取って契約を決めないと、年間60万円以上の収入差が出てしまう可能性もあります。不動産会社選びは、必ず複数社に査定を取って、比較検討することをお勧めします。
一番好条件の不動産会社と契約を交わす
「マンション 貸す.com」で一括査定を取った中から、一番好条件の不動産会社と契約を交わします。この時、「良さそうな不動産会社が複数あり一つに絞れない」という場合には、複数社契約を交わすことも可能です。
賃借人を探してくれる不動産会社とかわす契約を、媒介契約と言いますが、契約には以下の3種類あります。
一般媒介契約
貸主が複数の不動産仲介業者に仲介を依頼することができる契約手段です。貸主自ら住んでくれる人を探して賃貸契約を結んでも構いません。
一般媒介契約では、入居希望者を見つけた不動産会社に仲介手数料が入り、他の不動産会社には報酬が支払われないことにもなるため、不動産会社同士の競争を促すことができます。賃貸オーナー目線で言えば、不動産会社が競争して物件情報を詳細に載せるなどすると、結果早く賃借人を見つけることができるというメリットがあります。物件探しをしている人にとっても、同じ物件を様々な角度から検討することができ双方にメリットがある契約方法です。
専任媒介契約
専任媒介契約では、貸主は複数の不動産会社に依頼することはできません。ただし貸主自ら入居者を見つけることは認められています。
不動産会社としては、賃貸オーナーが知り合いに物件を貸してしまえば報酬はなくなってしまいますが、一般媒介契約のようによその不動産会社に顧客を取られてしまう心配はなくなります。そのため熱心に営業を行ってくれる可能性も高まります。
専属専任媒介契約
専任媒介契約と同様に、貸主は他の不動産会社には依頼することはできません。また自分で入居者を探すこともできません。
全面的に不動産会社にまかせて入居者を探してもらう契約です。不動産会社としては、報酬を確実に手にできるメリットが最大限あります。競合する必要がないので、熱心に販促活動を行ってくれればよいですが、1社としか契約しない上に賃貸オーナー自身が入居者を探すこともできませんから、入居者が見つからず空き室が埋まらない場合には困ります。
賃貸オーナーとしては、上記3つの契約方法を選ぶことができますが、賃貸物件の実情、ほとんどが一般媒介契約を行い複数社と契約します。
早く空き室が埋まることが収益につながりますから、複数社と契約を結ぶことはより安全な対策です。
入居希望者が見つかったら最終判断をする
入居希望者が見つかったら最後の手順に移ります。入居審査を行い、入居希望者と契約手続きを行います。そしてお部屋の引き渡しを行うことにつながります。契約手続きを進める際に、入居が決まった人はどんな人なのか確認することができます。
家主が行う入居審査として、申し込み書の内容から、年収や勤続年数、勤務先などを知ることができます。申し込み書から「家賃の支払い能力があるか?」を推し量りましょう。
人柄も重要です。不動産会社の担当者に、お部屋探し中から申し込みまでの入居予定者の行動におかしな点はないか確認しましょう。
さらに連帯保証人には保証人になることを意思確認を行います。これらの入居審査を済ませたうえで、最終判断を下します。
不動産会社には、いつまでに返答を行えばよいのか確認をしておきましょう。もしも入居を断る場合には、入居申し込み書類はすみやかに入居希望者に返却してください。個人情報の取り扱いは慎重に行います。
入居を認める場合には、物件の情報を伝えます。物件情報とは、所在地などの表示、貸主、登記記録、用途や利用制限、電気・ガス・水道の契約会社や契約アンペアなど、住宅設備や付帯設備、そして敷金、礼金、契約期間、更新時期、損害補償、仲介手数料などの契約条件全般の話に至るまで入居者に伝えます。
その後、契約書面にて契約締結。敷金などの契約金を入居者から支払ってもらいましょう。契約時に提出してもらう連帯保証人の印鑑証明などがあったら合わせて受け取ります。各種書類に署名捺印をいただいたら、契約は完了です。
契約ができたら、次に、鍵を渡し、部屋の引き渡しを行います。
引き渡し前には、居室に不具合がないか、もう一度チェックします。もし室内に汚れがあったり、設備に不具合がある場合には、すぐ対処できるようならば対処します。入居予定日に間に合わないようであれば、入居者に伝え、修理業者の手配は入居後になるという旨を伝えます。
電気、ガス、水道などのライフラインが使用できないとなると生活に支障がでてしまいますから、各ライフラインの連絡先はあらかじめ伝えておきましょう。また、分譲マンションを賃貸に出す場合には、入居するより前に、管理組合に届け出が必要なケースが多いです。
入居者には、引っ越しの予定を確認しておきましょう。「搬入はいつなのか?トラックは何tで何台か?引っ越し業者は?」など、一週間前までには管理人さんに伝えておきたいです。もし連絡を怠ると、引っ越し当日にエレベーターの使用ができないこともありますから注意してください。
入居者決定から入居までの流れはおおむね以上のよう流れになります。これらの契約から鍵を渡し、部屋の明け渡しを行ったところから、賃貸オーナーとしての一歩がはじまります。
住宅ローンを借りていてもマンションを貸すことができる?
住宅ローンを借りていても手続きをすれば賃貸住宅として人に貸すことは可能です。
手続きしないでこっそり行うと契約違反となってしまいますから、賃貸に出したい場合には必ず融資を受けている金融機関に相談してください。
主な融資先として、銀行などの民間の禁輸機関と住宅金融支援機構が挙げられます。それぞれの対処法について解説していきます。
融資先が銀行などの民間の金融機関
住宅ローン返済中にマンションを貸すには、条件が2つあります。
1つは住宅ローンを借り入れた当初は想像もしなかった不測の事態に陥った場合のみです。例えば、転職や転勤が挙げられます。また、病気になってしまったなども当てはまります。このような予測できない環境の変化が必要条件です。
もう1つは、不測の事態が起こる前と同じく、ローン残高を返済できることが条件に挙げられます。
以上の2つをクリアしているならば、銀行から住宅ローンの融資を受けている場合には、賃貸住宅向けローンへの借り入れとするよう対応されます。
賃貸住宅向けローンは、通常の住宅ローンよりも金利が高くなります。
なお、住宅ローンから賃貸住宅向けローンに切り替える際には手数料がかかりますが、おおむね1万円前後のようです。手数料のほかにも、印紙税や抵当権の設定費用など、各種費用がかかります。
場合によって、10万円単位の費用が発生することもあるようですから、取引をしている銀行に確認してみてください。また、住宅ローン控除を受けていた方は、分譲マンションを賃貸マンションとすることで、控除を受けることはできなくなります。
条件を満たさずに、銀行に報告せずに賃貸に出してしまうと、契約違反となり一括返済を求められる場合もありますから注意してください。
融資先が住宅金融支援機構
住宅金融支援機構から融資を受けている場合には、民間の金融機関の賃貸住宅向けローンへの借り換えを行います。銀行からの融資と異なりやや条件は多く、ハードルは高めです。
まず、第一条件として、不測の事態が理由で賃貸に出したい場合。これは銀行と同じです。住宅金融支援機構の場合には、その他に、融資を受ける本人の代わりに分譲マンションを管理する人間を自分で選定しなければいけません。また、ローンの返済を続けていくためには、金融機関へ事前に相談し、融資住宅留守管理承認申請書を提出します。そのうえで、家主が居住できない期間は3年以内でなければいけないという縛りもあります。住宅金融支援機構を利用して住宅ローンを組んでいる方は、慎重に借り換えを行ってください。
フラット35で住宅ローンを組んでいる場合
もしも住宅ローンをフラット35で融資を受けている場合には、賃貸住宅向けローンへの借り換えはせずに賃貸に出すことができます。
条件は、海外赴任や、転職、転勤によるものに限られます。勤務先が発行する、証拠となるような書類の提出と、今後も返済が滞らないことが必須要件です。
マンションを貸すときにかかる経費は?
仲介手数料と管理委託費用
分譲マンションを賃貸に出す場合にはまず仲介手数料と管理委託費用がかかります。
仲介手数料は、入居者が決まった際に支払うお金のことです。管理委託費用とは、賃貸管理を委託する際に支払うお金です。
「賃貸管理を委託する」と一口に言ってもこの言葉に多くの管理項目が含まれています。
例えば、賃料の集金や空き室になれば入居者の募集。そして共有部分の管理や、入居者からクレームがあれば賃貸オーナーに代わって対応します。これらの業務を賃貸オーナーが自ら行ってもかまいませんが、不動産業務は様々ですから、普段の仕事と並行して管理を続けることは簡単ではありません。不動産経営につまずいてしまいかねませんから、不動産業務は不動産屋さんに管理を委託することが無難です。
管理委託費用は、管理委託方式によって行うと、毎月一定額を管理会社に支払われる仕組みになります。毎月の家賃から管理手数料を引いた金額が収益として残るのです。
管理手数料は、相場は家賃の5%と言われています。不動産会社と契約する際には、手数料のパーセンテージを確認しましょう。しかし、管理会社によって、サービスに違いがあります。パーセンテージが安い会社でも、別途システム手数用や更新事務手数料が必要になる場合もあります。管理会社を選ぶ際には、家賃×%で計算される手数料以外に必要な経費が無いかの確認、別途費用がかかる場合はどのような場合か、契約したサービスはどのような業務が含まれるのかを確認してみて下さい。
部屋の整備でかかる費用
マンションを貸すとかかる維持費用は上記以外には以下が述べられます。
クリーニング費用
居住していた分譲マンションを人に貸す場合には、まずはご自身で掃除をしてください。それでも落ちない汚れがある場合には、ハウスクリーニング業者に依頼しましょう。
修繕費用
入居者が退居する際には、修繕が必要な場合があります。その場合かかる修繕費用は賃貸オーナーが負担するケースがほとんどです。
家具、家電の撤去費用
元々使用していた家具や家電を置いておき、「家具・家電付きマンション」として貸すという手段もありますが、夫婦や、ファミリー層の場合にはすでに持っていることも多いです。もし自分でも使わず、賃借人も不要の場合には、処分費用もかかります。海外や遠方への転勤の場合にはトランクルームの利用がオススメです。
固定資産税、都市計画税
利益が出れば所得税も支払う必要があります。
設備が壊れた場合の修理費
備え付けの給湯器、エアコン、網戸、窓ガラス、インターホンなどが挙げられます。
退去後のリフォーム、クリーニング費用
入居者の過失が認められない限りは賃貸オーナーが負担します。
ローン返済の利子と元本
火災保険、地震保険などの建物に係る保険
マンションを貸したら確定申告が必要になる
賃料収入は不動産所得として確定申告する
賃料収入は不動産所得になり、納税義務が発生しますから、確定申告を行いましょう。
不動産所得として計上されるのは、年間賃料収入から経費を引いた金額です。
経費とは、前項の「4. マンションを貸すときにかかる経費は?」で述べた項目に加えて、「住宅ローン利子部分」「減価償却費」「税理士報酬」です。
原価償却費とは不動産などの固定資産は時間の経過や使用によって価値が減少していきますが、取得するための支払い額を、耐用年数に応じて費用計上する会計処理の事をさします。この金額は、不動産会社に算出してもらうか、国税庁の確定申告作成コーナーで計算してみてください。経費として計上して良いのかわからない部分がある場合など不明な点がある場合は税理士に相談しましょう。
また、不動産所得は総合課税と言います。ほかの所得と合算して税金を計算しますから、サラリーマンの場合は給与所得、個人事業主の場合は事業所得と不動産所得を合わせて計算することになります。
確定申告に必要な書類
家賃収入で得た不動産所得を確定申告するためには、以下の書類が必要になります。これらの書類は、確定申告書を作成する際に必要となる数字を導き出す根拠となる資料になりますから非常に重要です。この他にも、通帳などで管理費・修繕積立金が分かるようにしておくと安心です。
確定申告の時期ギリギリに書類を作成したり、必要書類を不動産会社に頼んでもすぐに用意できない場合もあります。中には、不動産を取得した際すでに入手している書類もあるはずです。日ごろから、必要な書類はあらかじめ手元に置いておくようにするなど、確定申告に備えて書類を管理しておきましょう。
以下に、確定申告に必要な書類をまとめておきますので、参考にしてください。
不動産会社から入手するもの
家賃送金明細書
賃貸契約書
不動産売買契約書
売渡精算書(不動産を売買した際の費用明細が分かるもの)
譲渡対価証明書(マンションを土地と建物に按分した際の割合を示すもの)
勤務先から入手するもの
源泉徴収票
修繕をした場合、修繕を請け負った会社から入手するもの
修繕の見積書・請求書・領収書
送付されてくるもの
固定資産通知書
火災保険・地震保険などの証券
確定申告書の作成方法
上記の必要書類を揃えたら、「不動産所得用の青色申告書」と「確定申告書B」を作成します。
ご自宅にパソコンがある場合には、国税庁のホームページにある確定申告書作成コーナーを使えば、画面の案内にそって簡単に書類を作成できます。作成した確定申告書は、マイナンバーカードがあればe-Taxで送信することも可能です。
印刷して郵送することもできますので、状況に合わせて利用してみてください。また、会計ソフトを利用すれば、経費の管理から、確定申告までサポートしてくれるものあります。
書類がすべて揃ったら、確定申告を行いますが、期日はおおむね決まっています。例年収入を得た翌年の2月中旬~4月中旬までとなっています。2020年は新型コロナウィルスの影響で特別に申告期限が一か月延長されました。確定申告の正確な時期は国税庁や税務署のホームページなどで確認しましょう。
まとめ
分譲マンションを賃貸に出す手順とポイントについてまとめました。まずは、賃貸方法はどの方法が目的にあっているのか?不動産会社にはどのあたりまで管理を頼むのか?から検討してみてください。単に賃料をもらって終わりというわけではなく、細かな経費も掛かることがお分かりいただけたと思います。分譲マンションを賃貸に出す際の参考になると幸いです。