相続した不動産を売却するタイミングはいつがいい?

相続した不動産売却のポイント

不動産売却のタイミングと税金の関係

相続した不動産を売却するときには、期限があるというわけではありません。しかしながら、注意しておきたいのが、不動産を売却するタイミングによって、支払う税金が変わる可能性があるということです。具体的には、以下の4つの項目が変化します。


軽減制度

相続した不動産は早めに売却することで、所得税や住民税が安くなることがあります。これは「相続税の取得費加算の特例」と呼ばれるものですが、相続した不動産を相続申告期限から3年以内に売却したときに発生する制度です。


早めに売却することで取得費を多く設定してもらえます。譲渡所得税としてかかる金額は、譲渡価格から取得費、譲渡費用、特別控除を引いた金額となるので、取得費が高くなると、自然と譲渡所得税が低くなるのです。


しかし、誰もが3年以内に売却すればもらえるということではなく、以下のような条件が必要になります。


・相続、遺贈などで不動産を取得していること
・取得した人物に相続税が課税されていること
・不動産が、相続が発生したときから3年10か月以内に譲渡されていること


これらの条件をクリアしていれば、所得税と住民税を抑えることができます。


譲渡所得税

譲渡所得税は、相続した不動産を売却した際にかかる税金です。これは所有期間の長さで変化します。所有している年数が5年を超えていれば長期譲渡所得となり、所得税が15%、住民税が5%になります。


一方で、所有している年数が5年以下であれば、短期譲渡所得となり、所得税が30%、住民税が9%となります。実際に支払う税金は、所得税の金額×(所得税+住民税)となるため、短期譲渡所得のほうが高くなります。


また、注意しておきたいのが、この所有期間というのは相続してからの期間ではないということです。ここでいう所有期間とは、相続される前の被相続人が取得した日からの所有期間になります。所有期間の長さを計算する際は注意しましょう。


小規模宅地の特例

相続した土地が、相続開始直前までに被相続人が住んでいたり、事業などを行っていたりしていた土地の場合は、相続税を減額してもらえる可能性があります。それが「小規模宅地等の特例」です。こちらも、譲渡所得税と同じく条件をクリアする必要があります。


相続した不動産は、相続人である人物が住み続けるか、事業をするなどして継続して所有することが定められています。この条件をきちんとクリアできれば、小規模宅地の特例を受けることが可能です。


注意点としては、実際に住み続けたり、事業を行ったりしなければならないため、相続人が複数いて協議をする場合、協議中は特例を受けることができません。また、この特例を使えたとしても、遺産分割のような相続人同士で揉めごとが起こってしまうと、特例を使えなくなってしまいます。


固定資産税

固定資産税が変化するのは、相続した家に人が住まない場合です。実際に人が住んでいる場合は固定資産税が約6分の1となっていますが、住まずに空き家にする場合には、6倍になります。固定資産税は1年に1回見直されるため、売却を考えているのであれば、1年以内の固定資産税が増額しないうちに手続きを進めるのが良いでしょう。


不動産を売却するタイミングが違うことで、税金が安くなったり、高くなったりすることがあります。どのタイミングで売却するのが良いかはそれぞれの条件や状況により異なります。上記で紹介した特例などを参考に、考えてみるのが良いでしょう。


生前対策と相続後対策の違い

相続する財産がある場合、生前に相続しておこうと考える人も少なくはありません。生前に相続しておく場合と、亡くなってから相続する場合では、手続きや条件面などでさまざまな違いがあります。また場合によっては、早めに相続しておくことで手続きを進められることもあります。


たとえば、権利関係が複雑になっていたり、人に貸していたりする不動産は、手続きをするのにも時間がかかります。また、相続する場合には物件を調査したり、物件を測量したりすることが多く、これらも手間のかかる作業の一つです。相続を予定しているのであれば、早めに事前準備を行うのが良いでしょう。


さらに、先に居住していた自宅を売却して、マンションに買い替えることで居住用財産の買い替え特例と呼ばれる制度を利用することも可能です。通常、生前の居住地を売却するときには、譲渡所得税が発生します。しかし、売却してまた新たに居住地を購入すれば、この譲渡所得課税を減らすことができます。


不動産を相続する場合、生前に対策するケースがあれば、亡くなってから相続人が対策するケースもあるため、どちらのタイミングが正しいというわけではありません。しかしながら、相続してから売却などを進める場合、さまざまな手続きが必要になるため、事前に準備しておくことで手間が少なくなるはずです。あらかじめ相続相手や相続することが決まっている場合は、早めの準備を検討しても良いでしょう。

不動産売却のタイミングと時期の関係

不動産の売却は売れやすい時期と売れにくい時期があるため、時期も考慮しつつ売却を検討するといいでしょう。

売れやすい時期については、相続した不動産だけでなく、今まで住んでいた住居であったり、投資用不動産でも同じことが言えます。

築年数

売却価格の上下に一番大きな影響を与えるのは、築年数です。新築のときは高い値段がついていた物件でも、築年数が長くなれば売却価格は下がっていきます。

 

マンション・戸建てとも、築15年を過ぎると価格が下がるスピードが加速します。設備の修繕費用が必要となってくるためです。ですので、売却するなら築15年までの間がタイミングとしては良いでしょう。なお、築15年を過ぎても修繕を行っていれば、価格は下がりづらくなります。売却の時までに修繕を行うのであれば、築15年というタイミングにこだわる必要はありませんが、修繕にかかる費用は自分たちで負担する必要があります。

 

築15年を過ぎると、マンションの場合は築21年目以降、戸建ての場合は築26年目以降ですと価格下落のスピードが落ち着いてきます。そこまでは、売却価格が年々下がっていきますので、売るならとにかく早いほうが高く売れます。築21年目以降のマンション、または築26年目以降の戸建てについては、特に売却価格が大きく変わることはないため、特に急がなくても自分たちのタイミングで売却すれば良いでしょう。

季節

ざっくりした売却タイミングは築年数や購入後の年数で決めるとして、細かいタイミングを検討する上では季節を考えると良いでしょう。

 

家が一番売れるタイミングは、2~3月です。これは、4月から新生活を迎えたり、転勤して新しい地に引っ越したりする人が多いタイミングだからです。この時期を狙って売却すれば短期間で売れる可能性が高いので広告費等も安く済みますし、急ぐ方が多いので値引き交渉も控え目になります。ですので、その時期に売却物件として情報が出回るように、12~1月あたりから売却準備を始めると良いでしょう。

 

2~3月の次に売れやすいのが、8~9月です。こちらは10月からの家を探す人が多いタイミングとなります。2~3月のタイミングにうまく合わなかった場合は、6~7月頃から売却準備を始め8~9月の売却を狙うのが良いでしょう。

 

早く売却したい時はいい不動産会社を見つける

相続した不動産は売却に適した時期に売りに出すことで、損をすることなく売却することができます。

少しでも早くそして高値での売却を望んでいる場合には、1つの不動産会社から査定をとるではなく、複数の不動産会社から査定をとることが大切です。

不動産会社を比較してみて、もっとも熱心で信頼のおける不動産会社に依頼をすることで高値で売却することができるでしょう。

複数の不動産会社から査定をとる時には、一括査定サイトを利用しましょう。

一括査定サイトにも複数のサイトがありますので、2019年最新の不動産売却査定サイトランキングを見ていただき人気の会社から査定をとってみましょう。