マンションを売却するとき、不動産会社に仲介を依頼すると仲介手数料がかかります。
仲介手数料ですが、「ちょっと高すぎるから値引きしたい!」と思う方がほとんどです。
仲介手数料の値引きは、ポイントを抑えて上手に行うことで、実際に値引きしてもらうことができます。
そこで今回は、マンション売却査定後に身に付けておきたい仲介手数料の値引き交渉方法について不動産会社であるスマートアンドカンパニーがご紹介したいと思います。
Contents
マンション売却時の仲介手数料の値引きが成功する交渉術
値下げを成功させるためには複数の会社と比較する切り口で交渉する
不動産を含めるモノやサービスの価格は、需要と供給のバランスで決まります。
どこにでもあるものやサービスは供給過剰となるため、値下げ競争が起き、自然に価格が下がります。
一方で希少価値のあるものやサービスは需要が集中し、高値で取引されることになります。つまり競争原理が働くのです。
自由経済下では、こうした市場原理で価格が決定されるのが普通です。
マンションの売却査定後の売却に関する仲介サービスもこの法則に従って値下げ交渉すると良いです。
依頼者側が多くの不動産会社に査定を依頼して、選択肢をたくさん持っている状態を作れば、供給過剰を生み出すことでき、結果として値引き交渉が成立します。
複数の会社から査定を取ってみて、信頼できる会社だけど仲介手数料の高さがネックとなった場合には、「他にも査定を出してもらっている不動産会社があり、どちらと契約するか迷っているので、仲介手数料が一番安い会社に依頼をしたい」といった切り口で値引き交渉すると良いです。
そのためにはまず最低5~6社以上の不動産業者にマンション売却について査定依頼し、仲介の見積を提出してもらい、サービス内容と費用についてそれぞれの会社から説明を受ける必要があります。
複数の会社から査定をとる場合には、一括査定サイトを利用すれば手間がかからないので利用してみてください。
2020年マンション売却一括査定サイトランキングで人気のあるサイトを活用しましょう。
値下げが成功するタイミングは媒介契約を結ぶ前の交渉
値下げ交渉を成功させるためには、交渉を行うタイミングも重要となります。
仲介手数料の値引きを成功させる交渉時期は、多くの不動産会社から査定結果が提出され、媒介契約を締結する前です。
その理由と交渉のポイントをご説明していきます。
不動産会社と結べる仲介契約には大きく分けて2種類あります。
他の不動産会社にも仲介を依頼できる「一般媒介契約」と、1社のみに仲介を依頼する「専任媒介契約」です。
一般媒介契約は、買い手を見つけて、マンション売却の仲介を成功させた不動産会社のみが仲介手数料を手にすることができ、契約していたけれど売却できなかった他の不動産会社は仲介手数料をもらうことができません。
それに対して専任媒介契約では1社のみの契約ですので、売り手が自分で売却先を見つけてこない限りは確実に仲介手数料を手にすることができます。
不動産会社側は確実に仲介手数料をもらうことができる専任媒介契約を締結させようとします。
そこで、媒介契約を結ぶ前のタイミングで、「専任媒介契約を結ぶ代わりに、仲介手数料を値引きしてもらえないか」という交渉をするのは非常に有効です。
値引きを受け入れ、専任媒介契約を結べば不動産会社は売却した仲介手数料を確実に手に入れられるので、不動産会社にとっても意味のある値引きとなります。
この値引き交渉のタイミングは非常に重要で、査定後に媒介契約の形式を選び、契約を済ませた後では、どのタイミングであろうと値引き交渉は成立しません。
専任媒介契約締結の後であれば、もう利益は確保されていますので、不動産会社には、わざわざ値引きする必要性がないためです。
また一般媒介契約を締結したものであっても、他の会社にも売る権利がある状態なので、値引きをする理由がさらに見当たらなくなってしまいます。
そのため契約締結後の値引き要求は、不動産会社にとってダダをこねているだけの迷惑な客に映る可能性さえあり、場合によっては相手の販売活動のモチベーションを低下させてしまう材料にしかならなくなり、単に「関わりたくない客」とのレッテルを貼られ、こちらが結果的に損をしてしまいかねません。
ですから値引き交渉をするには、このタイミングと事情をよくわきまえて交渉にあたってください。
仲介手数料を値引きしてもらうときの注意点
仲介手数料値引きは誠実に行うこと
マンションの売却査定後に専任契約を条件として値引き交渉をする上での心配は、
値引き交渉をしたことで手抜き営業をされるのではないか
担当者との関係がギクシャクするのではないか
といったことが心配になるのではないでしょうか?
こうした心配を抱えることがないよう、交渉は誠意をもって真摯に行うことが大切です。
交渉に応じていただけた場合も、きちんと感謝し、誠意を持った対応を心がけましょう。
不動産会社とは、売却仲介を依頼する側とされる側の関係とはいえ、信頼関係を築くことが必要です。お互いに感謝し合えるようなWINWINの関係を築けるのが理想であるように思います。
媒介契約をした不動産会社とは、お互いに「マンションを売る」という目的を共有する間柄になるのですから、仲介手数料の値引き交渉から媒介契約締結までのやり取りで、お互いに信頼し合える関係を築けば、自ずと希望に沿ったマンションの売却が可能になります。
仲介手数料ゼロ円の注意点
売却仲介に関する注意点としてもう一つ、「仲介手数料無料」の落とし穴も挙げられます。
最近、「仲介手数料ゼロ円」という不動産業者も出てきましたが、これにはカラクリがあるようです。
そのカラクリは、マンション購入に対する仲介には手数料を無料にし、
売却仲介に対してはその不動産会社が該当物件を買い取ったときに仲介手数料を無料にするだけで、最低でも法律で決められた手数料の半分は要求されるというもの。
つまり物件の買取であれば仲介とならないため、法律の上限に縛られず高く販売することも可能になるということです。
また仲介手数料の半額とは法律の上限の半額であるため、もっと安く仲介手数料を設定できる可能性もあるのです。
そもそも大前提として、報酬ゼロで成り立つ企業は存在しません。何かしら、つじつまの合うやり方をしているはずです。
そのため仲介手数料はゼロであっても、他の不必要な料金を請求されている可能性もあるということが言えます。
また、報酬がゼロ円なのに、不動産会社がきちんと対応するメリットがどこにあるでしょうか?
それを冷静に考えると、「タダより高いものはない」という昔から言われた言葉がしっくりくるように思います。騙されないためにも、ここで言う「タダ」の言葉には注意が必要だということを覚えておきましょう。
マンション売却時にかかる値引き前の仲介手数料はいくら?
仲介手数料はどうやって計算される?払う金額
不動産会社に仲介を依頼してマンションの売却が決まったら、仲介手数料を支払う必要があるのですが、この仲介手数料はどのように決められているのでしょうか?
仲介手数料は、『宅地建物取引業法(=宅建業法)』で以下のように上限が定められています。
・売買価格が200万円以下の場合の報酬は、取引額の5%以内
・売買価格が200万円~400万円以下の場合の報酬は、取引額の4%以内
・売買価格が400万円越えの場合の報酬は、取引額の3%以内
売却価格が400万円以上のとき、仲介手数料の上限は
(売買価格×3%+6万円)+消費税
という式で算出できます。
上記の式に当てはめて実際に仲介手数料を計算してみると以下のようになります。
マンションが2,000万円で売却できた場合
2,000万円×3%+6万円=66万円
この仲介手数料は、自分自身で売却活動を行い、マンションを売却する場合は必要ありません。仲介手数料を一切掛けたくない、仲介手数料分のお金を他に回したい、などという事情があれば、自身での売却活動を選択することはできます。
しかし買い手を見つけるための販売活動や、役所などに提出する書類、登記などの手続き、ローンを組むために銀行から要求される各種書類をもれなく揃えながら、購入希望者からの問い合わせや価格交渉に全て自分ひとりで対応するというのは、かなりの負担になることは容易に想像できることでしょう。
また扱う金額が多額であるため、トラブルが生じたときの対応を考えると、自分だけで売却を進めるというのはかなりハードルの高い仕事内容となるのは間違いありません。
こういった煩雑な手続きや対応を不動産知識が豊富なプロに任せれば、素人が起こしがちなトラブルを未然に防ぎつつ処理してもらえるのです。
つまり、専門知識の必要なマンション売却を、自分の代わりにしてもらうことに対して支払うのが仲介手数料であり、不動産会社にとっての報酬ということになります。
決して安くはない仲介手数料を取られるとしても、マンションの売却仲介を不動産会社へ依頼するのは有効なことと言えるでしょう。
おまけ:知っておくべきマンション売却時の仲介に関する基礎知識
不動産会社の行うマンション売却における仲介の内容
不動産会社が行う売却仲介とは、マンションなどの売却希望者と購入希望者の間に立ち、売買契約を成立させることとなります。
仲介については「媒介」という表現を使用する場合もあります。
もう少し詳しく説明すると、査定後に売却の仲介を依頼された不動産会社が、売却希望者と媒介契約を結び、売却希望者に代わってマンションの購入希望者を見つけるための活動(販売宣伝活動)を行い、売買契約の作成や重要事項説明などの手続きを行うということです。
そして売却が無事成立したとき、その見返りとして売却の依頼人から仲介手数料として報酬を得ることとなります。これが売却仲介のサービス内容です。
マンションを売却する際の仲介の種類
売却予定のマンションに対し査定を依頼した結果から、正式に売却の仲介をある不動産会社に依頼する場合、「媒介契約」というものを締結します。「仲介手数料を値引きしてもらうための注意点」の項でも触れましが、この媒介契約には下記の3種類の契約形態があります。
(1)「専属専任媒介契約」
(2)「専任媒介契約」
(3)「一般媒介契約」
(1)の「専属専任媒介契約」とは、1つの不動産会社にだけ仲介を依頼する契約です。他社にも仲介を依頼したり、自分で売却先を見つけてきたりすることはできません。
他社の仲介により売却してしまったり、自分で買手を見つけて売却してしまったりした場合は契約違反となり、違約金が発生します。
この契約は一見、売却希望の方にとって不利な契約のように見えますが、売却できればその仲介手数料の全てを依頼した不動産会社が手にすることになるので、依頼した不動産会社は広告費を積極的に使うことができ、一生懸命販売活動を行ってくれるというメリットがあります。売却のための営業活動を積極的に行ってもらえるという点は、早く売却したい人にとっても好都合となりますよね。
その反面、売却を依頼するマンションが新築案件であったり、人気のエリアに立地していたりするなどの優位項目(売りとなるポイント)が多いマンションであれば、一生懸命売却活動をする必要がないので、この契約のメリットを生かしきれない可能性も高くなります。そうなると高値で売る機会を逃すことさえあり、マンションのスペックによっては避けるべき契約形態とも言えるのです。
(2)の「専任媒介契約」とは、1つの不動産会社にだけ仲介を依頼する契約で、他社に仲介を依頼することはできませんが、自分でたまたま買手を見つけてしまった場合は、営業経費や他費用を支払えば売却は可能です。
しかし、他社に仲介してもらった場合、契約違反となりますので違約金が発生します。
この契約も、他社に依頼しないため、仲介手数料は全て1つの不動産会社が手にすることになるので、「専属専任媒介契約」同様の利点があります。
(3)の「一般媒介契約」とは、複数の不動産会社と媒介契約を結ぶことができるため、複数の不動産会社に販売活動を依頼することができます。
しかし不動産会社にとっては、一生懸命販売活動をしても他社に契約を持っていかれてしまう可能性がつきまといます。売却に伴う営業費用を仲介手数料で補てんできないかもしれない経営上の不安から、専任契約の物件よりも費用をかけることはできなくなり、扱いは消極的になりがちです。
ですので一般的な中古物件であれば、こちらの契約は不動産会社の販売活動にあまり期待できないことを覚悟しなくてはなりません。
媒介契約(仲介契約)にはこうした契約上の違いがある一方で、仲介手数料の上限はどの契約形態でも変わりません。そのため、不動産会社としては専任契約を結び、販売活動した分が確実に自分の利益になる契約である「専任契約」を結ばせたいのです。
マンション売却の流れ
最後にマンション売却の大まかな流れについて押さえておきましょう。
マンションの売却を考えた際は、まずネットを使い経験者に話を聞いたりして、どうすればマンションを売却できるのかリサーチします。悪い不動産会社に当たったとき騙されて損をしてしまうということがないように予め知識を入れて置くことは大切です。
次に売却予定のマンションの査定を依頼し、相場を調べ、売却仲介を依頼するための不動産会社を探します。マンションの査定は1社だけでなく、5~6社に依頼し、その査定結果などを比較した上でマンションの売却仲介を依頼する不動産会社を決めるのが賢い選択です。
複数の会社から査定をとる時は、一括査定サイトを利用しましょう。
2020年最新マンション売却一括査定ランキングをチェックして、人気の高い査定会社から査定を取りましょう。複数社の中から信頼できる業者を選んだら、仲介契約(媒介契約)を結びます。その後、仲介を依頼した不動産会社にマンションの売却活動を行ってもらう、という流れが一般的でしょう。
まとめ
今回は、マンションを売却する時の値引き交渉のポイントを解説いたしました。
大切なポイントをまとめると以下となります。
・複数の不動産会社で査定を取って、仲介手数料が安い会社に依頼をするという切り口で交渉を行う
・交渉のタイミングは、媒介契約を結ぶ前に行う
・マンション売却完了まで丁寧な仲介を行ってもらうために、値引き交渉は誠実な対応で行う