レインズの登録方法は?売主が閲覧する方法と見るべきポイントを解説

売却の流れと基礎知識

マンションを売却する時「レインズ」に物件を登録することは、売却を成功させるための一つの大切なアクションです。売主の皆さんは、自分の物件がレインズに登録されているか必ず確認しておきたいところでしょう。

売主の方はレインズを初めて利用するケースが大半のため、「レインズはどうやって登録するのか?」「物件がレインズに登録されているか閲覧して確認する方法が知りたい」「レインズの閲覧画面では登録内容のどこを見ればいいのか?」といった疑問を持っている方がほとんどです。

そんな売主の方のために、東京日本橋箱崎町で不動産売買仲介を手がけるスマートアンドカンパニーが以下の内容を解説していきます。

・ レインズの登録手順
・ レインズ売主専用画面へのアクセス方法
・レインズの売主専用画面から必ず確認するべき項目
・どうしてレインズの登録と閲覧をすることが大切なのか

記事を読めば、レインズで物件を閲覧する方法とチェックポイントが分かります。

是非実際の画面で確認してみてください。

利用方法や確認のポイントを掴んでレインズを有効活用していきましょう。

レインズ登録の流れ

マンションを売却する際に、売却物件をレインズに登録する時の流れを見ていきましょう。

 

マンション売却を不動産業者へ依頼

不動産業者と媒介契約を締結

不動産業者は物件情報をレインズに登録

不動産経由で登録証明書が売主に渡される

レインズを介して物件が照会され買主が見つかる

 

上記の流れの通り、レインズは売主が自ら登録するのではなく、媒介契約を結んだ不動産業者が登録をします。

登録証明書を受け取ったらレインズの登録が完了したということなのでひとまず安心できますね。

業者専用システムであるレインズですが、実は売主だけは閲覧利用することが出来ます。

自分の物件が登録されているか閲覧して確認する方法と登録証明書をもらってなくて確認できない場合の対策を以下でご説明します。

レインズ売主専用画面にアクセスして登録内容を確認する方法

「登録証明書」受け取り後、売主専用画面にアクセスする方法

 

登録された物件内容をレインズで確認するには「登録証明書」に記載された「ID」と「PASS」(パスワード)が必要です。

「登録証明書」は、不動産会社がレインズへ物件を登録した後に発行され、不動産会社経由で売主に渡される事になっています。

証明書のいちばん下に、物件確認用のURLと、物件ごとに発行される「ID」と「PASS」(パスワード)が書かれています。

インターネット上でURLを入力し、「売却依頼主物件確認」画面のログインページにアクセスしてみましょう。証明書に書かれた「ID」と「PASS」を入力してログインすれば、ご自分の売却物件が登録されたページが開くはずです。

URLを入力するのが大変だという場合は、物件所在地のレインズサイトにアクセスしましょう。下にリンクを貼っておきましたのでご利用ください。

各レインズのTOP画面に「売却依頼主用物件確認」というボタンがありますので、簡単にアクセスが可能です。

公益財団法人(レインズ)は地域毎に全国4つに分かれています。物件所在地のあるレインズWEBサイトをご確認ください。

<北海道・青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・新潟県・山梨県・長野県>地域はこちら
「東日本レインズ」東日本不動産流通機構 
<鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県>地域はこちら
「西日本レインズ」西日本不動産流通機構 
<富山県・石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県>地域はこちら
「中部レインズ」中部圏不動産流通機構 
<滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県>地域はこちら
「近畿レインズ」近畿圏不動産流通機構 

 

「登録証明書」を受け取っていない!登録の確認ができない場合

媒介契約したのに、まだ「登録証明書」を受取っていない、という方もいらっしゃるでしょう。

その場合は、以下の理由が考えられます。

・不動産会社がまだレインズに登録していない
・業者と結んだ契約が一般媒介契約である

「不動産会社がまだレインズに登録していない」

レインズへの登録作業は不動産会社の担当者が行います。媒介契約して間もない場合、まだ担当者の登録作業が完了していない事が考えられます。

但し、登録しなければならない期限が決められていますので、万が一期限を過ぎているようでしたら担当者に確認をとりましょう。

媒介契約によって登録義務期限が異なりますので以下を確認してください。

媒介契約の種類レインズへの登録義務登録期限
専属専任媒介契約義務あり契約後5日以内
専任媒介契約義務あり契約後7日以内
一般媒介契約義務なし(任意)

「業者と結んだ契約が一般媒介契約である」

次に考えられる理由は、媒介契約が一般媒介契約だった場合です。

業者と結ぶ媒介契約が「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」の場合、不動産業者は売却物件の情報をレインズに登録する義務が発生します。

一般媒介契約ではレインズ登録に関して定められた義務はありません。

「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」なのに登録証明書をもらえない場合はすぐに不動産会社に確認をとってみてください。

レインズの登録義務以外にも、媒介契約によって売却におけるルールが異なります。媒介契約の違いは確認しておくと安心です。

 

「一般媒介契約でもレインズに登録してもらいましょう」

一般媒介契約でもレインズに登録してもらう事は可能です。業者側に登録の義務はありませんが、登録を承諾してもらえた業者と契約すれば安心です。一般媒介契約を結ぶ前に不動産業者にレインズに登録してもらえるかどうかを確認しましょう。もう既に契約してしまった場合でも諦めず登録を依頼してみてください。

 

 レインズの売主専用画面で確認するべき項目

売り主専用画面で確認できる物件登録内容は以下の3つです。

 

・物件情報

・ 図面

・ 取引状況(および取引状況の補足)

 

登録内容のどこに注目したらいいのか、そのチェックポイントを一緒に見ていきましょう。

 

「物件情報」のチェックポイントとは

物件情報に間違いがないかチェック

レインズに登録されている情報を元にして購入希望者は検索をします。ですから、登録されている物件の情報に間違いがあると正しい内容が伝わらなくなります。間取りや築年数、駅から何分かといった内容に間違った点がないかどうか、不足している情報はないかをしっかりと確認しましょう。

もしも登録情報が少なすぎる、あるいは間違っているという場合には、不動産会社の担当者へ即座に連絡して変更してもらいましょう。修正後は修正してもらった内容で「変更証明書」の交付を受け取ってください。

「図面」のチェックポイントとは

図面が登録されているかチェック

登録内容確認画面を開くと、右上に「図面の表示」ボタンがあります。

図面の登録がされていればこのボタンが表示されますが、登録がされていない場合にはボタン自体が表示されません

まずは、図面が登録されているかどうかをチェックします。登録されていない場合は担当者へ連絡して早急に図面の登録を行ってもらうようにしましょう。

また、登録されている図面自体に間違いがないかどうかも確認してみてください。

図面の登録が大切な理由

例えば、2LDKで南向きの築10年前後の物件を探している場合を考えてみましょう。

図面が登録されている物件と、図面の掲載がない物件。

図面以外の条件はほぼ同じような物件が2つあります。買主にアピールしてもらえるのはどちらでしょうか。

もちろん図面が掲載されている物件のほうでしょう。

図面があった方が具体的にイメージしやすいですから、買主にも紹介しやすいはずです。

 

「取引状況」のチェックポイントとは

「取引状況」の表示内容が合っているかチェック

「取引状況」で表示される内容は3つ。

「公開中」「書面による購入申し込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」です。

 

「公開中」

客付け業者に物件を公開して紹介している状況。客付け業者は物件確認、内覧、購入申込書の提出がすべて可能でそれを元付け業者は受けなくてはならない。

 
「書面による購入申し込みあり」

書面やメール、ネット上での申し込みを受けている状況。元付け業者は客付け業者への紹介を拒否できるが、売主から2番手の申込も受け付けるよう依頼があれば、受けなくてはならない。

 
「売主都合で一時紹介停止中」

売主の事情で、客付け業者への物件紹介を一時的に停止している状況。売主の了解を得たうえのみ表示ができる。

 

「取引状況」を見れば、物件が現在どのような状況にあるのかが確認出来ます。登録してすぐの状態であれば、「公開中」となっているはずです。

心当たりが全くないのに取引状況が「公開中」以外になっているようであれば、即座に不動産会社に確認するべきでしょう

 

 

取引状況は定期的にチェックが必要

「取引状況」が実情に合っていないと売却はスムーズに進みません。例えば、買い手を探している最中なのに「公開中」ではなく「紹介停止中」と表示されていれば他社からの紹介はまずないでしょう。

 

ちなみに平成30 年1 月から、「取引状況の補足欄」が追加されています。

取引状況が「公開中」以外の場合、「取引状況の補足」欄を入力する事が必須となりました。

 

「取引状況の補足」欄には、条件や変更原因が発生した日付等を具体的に明示することになっています。明示が虚偽と認められた場合は是正勧告や処分の対象となることがあります。例えば、購入申込みがあった場合には「購入申込み書面受領日:平成○年○月○日」と具体的な日付を記載します。

 

記載事項が増え、さらに売主が自身の売却物件に関してレインズの登録情報を直接確認できるようになったことで情報が把握しやすくなりました。

自分の物件に虚偽の記載がされていないかも含め「取引状況」は定期的にチェックをしておく事をおすすめします

 

 

レインズに登録することと管理画面を閲覧することが重要な理由

早い売却につなげるためにレインズの登録は大切

「レインズ(REINS)」は国土交通大臣から指定を受けた全国4つの不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムです。全国の不動産業者は、購入希望者に物件を紹介するために日常的にレインズを利用しています。レインズは不動産取引を行なうためには欠かすことの出来ない基盤であると言えるでしょう。

 

レインズが登場する前の不動産市場は、非常に閉鎖的でした。

売却依頼を受けて物件の買主を探す場合には、自社の顧客か知り合いの業者から情報を共有するしかありません。

レインズの登場のおかげで格段に多くの情報が共有出来るようになりました。売却物件情報をレインズに登録しておけば、全国の不動産業者は即座に物件情報を閲覧する事が出来ます。物件の所在地や価格などといった条件検索も出来るので、より簡単に広く全国からでも物件を購入したい客を見つける事が可能になったのです。

では「レインズにもし自分の売却物件が登録されていなかったら」と想像してみてください。

売却物件の情報は仲介を依頼した不動産業者だけが持っている状態です。レインズに登録されていないので誰にも共有されないままです。

出来るだけ高くマンションを売却するためには、多くの購入希望者に物件を見てもらう必要があります。

「どこにいるか分からない買いたい人」を見つけるよりも、「買いたいと思う人」からアクセスしてもらう方が効率的です。より購買意欲の高い顧客を見つける事にもなるでしょう。ですから、売却物件をレインズに登録する事がいかに売却活動にとって重要かお分かりいただけると思います。

 

レインズの管理画面閲覧が重要な理由は「囲い込み」の防止になるから

業者による悪質な「囲い込み」とは?

「囲い込み」とは、売却の仲介を依頼された不動産業者が売却情報を独占することです。自社で買主を探し出したいがために、売却情報を他社に一切流さないようにするのです。

 

囲い込みの手口は巧妙です。

例えば、他の不動産会社から購入希望者がいると連絡を受けても「商談中です」などと嘘をついて全て断ってしまうのです。

自社だけで買主を探そうとするので、当然買い手は見つかりにくくなります。

「なかなか買い手が現われないのは売却価格が相場よりも高すぎるから」などと業者は言うでしょう。

「このまま売れないのでは?」不安になった売主は、希望よりも価格を下げて売却してしまうかもしれません。

 

では不動産業者はなぜ自社で買主を探したいのでしょうか。

 

売却物件の仲介業者が自社で買主を見つけて成約した場合の仲介手数料を考えてみましょう。仲介業者は売主買主両方から仲介手数料を受取る事が出来ます。

 

しかし他社の見つけた買主と売買が成約した場合はどうでしょう。

仲介手数料は売主側からしか受取る事が出来ません。

自社で買主を見つけた場合と比較して収入は半分になってしまいます。

 

売買を仲介する不動産業者にとって、仲介手数料がほぼ唯一の収入源です。

自社で売買を完結させたい不動産業者は、囲い込みという不正な手口で利益を得ようとします。売却価格が多少下がってその分仲介手数料が安くなっても、倍の手数料が手に入る両手取引の方が得だという考えなのです。

 

囲い込みをされる事で、売主は売却の機会を失っている事になります

 

売主が直接レインズを閲覧することで囲い込みの防止に

2016年から売却物件の情報が実際にレインズに登録されているかを売主自身で直接確認できるようになりました。

2016年以前はレインズに登録された情報を売主が直接確認する事は出来ませんでした。ですから、レインズに登録して登録証明書を売主に渡した後、情報を削除してしまうような不正も横行していました。

また、先にチェックすべきポイントとして説明した「取引状況」は、この時に新たに追加された項目です。

レインズの情報の更新が出来るのは業者だけです。登録証明書を発行した後で何かデータを変更されても売主がレインズを確認しなければ誰にも分からないのです。売主側がチェックしていないと分かれば、業者は自社の利益を優先して囲い込みをしようとするかもしれません。

 

マンション売却を成功させるためには、売主側もきちんとチェックしている、という姿勢を見せることが重要です。「売主に見られている」と思えば迂闊に不正な行為や手抜き行為は出来ないからです。

 

売主がレインズを閲覧することで囲い込みの防止につながるのです

業者が不正な行為をしたくなるのを抑止するためにも、売主はレインズを利用して監視の目を光らせておくべきでしょう。

 

まとめ

マンションなどの物件を売却するために誠意ある対応をしてくれる不動産会社に依頼することがベストですが、自分自身でも随時状況を確認しておく事が大切です。

不動産会社選びもマンション売却にとってかなり重要なので慎重に進めていきましょう。

不動産会社選びは、まずは複数の会社から査定をとって一番いい不動産会社に依頼をするようにしましょう。査定はインターネットで申し込むことができます。どんな査定サイトに申し込むべきかお悩みの方は、2019年最新マンション売却・不動産活用・不動産投資人気ランキングをチェックしてみてください。